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第268回「太陽の塔に学ぶ」

更新日:8月17日

こんにちは! 柴田エイジングケア・美容クリニックの柴田です。毎日本当に暑いですねぇ。皆様はいかがお過ごしでしょうか。夏バテなどされていませんか? 私はと言えば…腰痛が少しましになってきたので、先日全日本医師卓球大会に東京まで行ってきました。申し込み期限の時にはまだ東京まで行けるか微妙だったのですが、幹事のS君が「団体戦だけエントリーしておきましょうか?」と言ってくれたのでそうする事に。そして医師卓球大会の前に学生の卓球大会に折り畳み椅子持参で(立って応援してると腰が痛くなってくるため)応援に行けたので、折り畳み椅子持参なら応援くらいは行けそうだと思って行く事にしました。「卓球で東京まで行くなんて凄いね」って友人には驚かれましたが、試合の前日には懐かしいメンツが集まっての練習会と、楽しい飲み会があるもんね。今回は2018年の大会に参加したメンバーに若手(と言っても卒後10年目)が一人加わったというメンツ。ほとんどが40代以上で半分昭和なのでみんな喜んで飲み会に参加してくれ、練習会も飲み会も大いに盛り上がりました。私も追いコン以来半年ぶりに卓球しましたが、なんと腰痛の悪化もなく練習できたんです! 翌日の試合は学生時代に大会で優勝していた強豪ばかりが集まる大会で、病み上がりでは足を引っ張るのは必至だったのでベンチを温めましたが、昔仲の良かった全国の卓球友達が参加していたので折り畳み椅子を持ってあちこちのコートで応援するために走り回っていたら…かえって腰痛が良くなってしまったんです!「それって単に卓球が足りなかったんじゃないですか?」って後輩に言われましたが、ほんとにそうかも。昔懐かしい全国の卓球友達に会えて、久しぶりに話したり試合を応援するだけでとっても楽しかったので、卓球ホルモンが出たのかもしれません。


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その大会で一緒に参加した後輩の一人が、全日本2位の凄いコーチがいる卓球教室が京都の母校の近くにできたと教えてくれました。丁度母校の卓球部が低迷していて、今の現役生の中で唯一中高経験者で、弱体化した卓球部を立て直したいと言う5回生のエースK君に相談されたため、コーチ代を寄付してコーチを付けてやろうと思っていたところだったので、早速K君と一緒に卓球教室の偵察に行く事に。そこで改めて感心したのですが…どんな分野にもプロがいて、やはりプロとなると素人がちょっと上手いというのとはレベルが違います。選手としてのプロという意味でもそうですが「指導」にもやはりプロはいて、プロに指導をしてもらうと全然違うもんですね。今回は全日本2位のコーチの個人レッスンを受け、他のコーチにも教えてもらいましたが、すごく理論的に的確な指導をしてくれて感動しました! そして他のコーチも当たっていい人を選び、週に1回大学に教えに来てもらおうか?と、現役生に提案すると…K君と4回生のキャプテンI君は大喜びだったんですが、コーチが来る日に来れない子がいると不公平になるんじゃないかとか、コーチが来る日に部員が集まりすぎると人数制限を設ける必要が出てきて部の運営が大変になってしまうんじゃないかとか、ぐずぐず言う子も出てきたようなんです。え~っ??!コーチ代を学生から集めてコーチを頼んでる大学も多い中で、コーチ代を出してもらってコーチの指導を受けられるなんて、万々歳のはずなのに…なんで?? 私には意味が分からず、目を白黒。K君は「みんな、そんなに卓球一生懸命やる気ないんですよ。卓球部やのに、どう思います??」と嘆くことしきり。時代の流れか、すっかり緩い卓球部になってしまったようで…。仕方ないので取りあえずK君とI君の教室代を私が負担して、一緒に卓球教室に通う事にしました。2人が強くなって大会でも勝ち進めるようになれば、部も盛り上がってみんなのやる気も出てくるんじゃないかと…。


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そこで、K君と一緒にその教室に行ってレッスンの説明を聞くと…月4回で1回90分のスタンダードコースが、1回60分のエンジョイコースとあまり値段が変わらなかったので、大阪のおばちゃんを発揮して「そら90分やろ!」とスタンダードコースを選びました。そして実際にレッスンを始めてみたんですが…いや〜、この年で病み上がりに本格的な教室のレッスン90分はきついわ〜。途中でマシンも挟まれるんですが、大学の多球練習と違ってめちゃしんどいやん。K君は今まで他の教室にも通ったことがあるらしいんですが、そのK君が「これ半端ないっす💦」と音をあげるほど。さすが全日本2位のコーチの教室です。しかし毎回今まで気づいていなかった事を指摘されるので、とても勉強になります。実際にそれを身に付けられるかどうかが問題ではありますが、私はともかく若い子はきっとメキメキ腕を上げるに違いない。ちょっと楽しみになってきました。


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そしてもう一つできた楽しみは、コーチと整形外科学的な理論を踏まえた卓球談義ができる事。その教室には全日本2位のコーチの他に、すごく理論的に教えてくれるコーチがいるんですよね。最初にK君とフリープレイというレッスンを受けた時にそのTコーチが受け持ってくれたんですが、普段はフリープレイでは丁寧な指導はしないけどスタンダードコースを申し込んでくれるんならその前提で…と、めちゃくちゃ理論的で懇切丁寧な指導をしてくれたんです。どういう場合にラケットのどの位置にピン球を当てるのがいいのかとか、体や足の使い方とか、今まで意識していなかった事を指導してくれたんですが、そのどれもが理論的ですごく分かりやすく、目から鱗、感動の嵐でした。普通の人はちょっと理屈っぽいと感じるんじゃないかと思いましたが、私は理屈っぽいのが好きで何でもきちんとした理由がなければ納得できないので、ピッタリはまったんですね。私は90分のスタンダードコースは1ヶ月で音をあげ、個人レッスンとフリープレイを組み合わせる事にしたので(どちらも60分なので少し楽ですし…(^_^;))そのTコーチの個人レッスンを申し込んでみると…胸椎や股関節をどう動かすかとか、鎖骨や前腕をどう使うかなど整形外科的な内容満載の指導で、私が元整形外科医だと言うと「それは話が早いですね!」と意気投合。整形外科の専門用語が飛び交うレッスンとなったのでした。整形外科の専門用語で教えてもらうとさらに分かりやすく納得できて、今後の個人レッスンもとても楽しみです。


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ところで、私は2001年に異人館通クリニックを始めてから2回クリニックを移転し、美容や健康に関わる仕事を長年してきました。最初は美容なんて医療じゃないと言われる、予防医療なんてのもほとんどなかった時代に異人館通クリニックを開院して、美容と病気の予防を考える「美容健康医療」という新しい分野を始めたんですが、6年の間に当時の美容医療界では効果や安全性を検証してから治療を行うクリニックは非常に少ない事に気付き、確実に効果の出る治療を研究し提供する研究所兼クリニックの必要性を感じて、当時では珍しい研究所併設スタイルの「柴田美容皮膚科クリニック」へ移転しました。そこで10年の間、新しい美容治療の研究開発及び治療に関わりましたが、患者様と共に自分も年齢を重ねるうちに、外科的発想を超えて体の内面や心の面からも変えて行かねば一定の年齢を超えると本当の美しさを実現できないと実感し、年齢を重ねた方々が内面も外面も美しくなって元気で人生を満喫できるようにする為「柴田エイジングケア・美容クリニック」へと移転しました。そして6年間エイジングケア治療を行ってきた訳ですが、その間に学んだ事が…「結局健康的な食事と運動に勝るアンチエイジング治療はない」という事でした。勿論、極端にホルモンが足りていない方にホルモン療法を行ったり、栄養が足りてない方に点滴を行ったりすると効果はあると思いますが、普通の生活ができている方には健康的な食事と運動以上に効果のある治療はないんじゃないかと思ったのです。そして、健康的な食生活と運動…って実はきちんとできる人にはめちゃくちゃ簡単で、費用もほとんどかかりません。


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私が長年お世話になっている業界なので悪い言い方はしたくないんですが、テレビやネットで毎日のように見る最新アンチエイジング療法って商業的に美味しい値段が高いものばかりで、実際の効果は適切な食事と運動を超えるものはほぼ無いと言っても過言じゃないのでは…と思うんです。これは本当に「言ってはいけない事実」なんでしょうけど、自分でも実践してみたし患者様にもしてもらった結果、そうとしか思えないんです。もちろんアンチエイジングは新しい分野なので、まだまだ研究途上のものが多いのは事実です。でも以前このクリック通信でも少し紹介しましたが、化粧品の業界のように「高い化粧品をつけるくらいだったら何もしない方がマシ…」と主張している方々(その中にはきちんとした研究者や医者も多くいます)が多いのも事実ですし、私も部分的に賛同しています。それにちょっと似てるんですが、アンチエイジングにしてもまずは「食事・運動・睡眠」であって、これらが正しく実践されていない人に薬やホルモンを処方してなんとかしようというのは残念ながら順番が間違っている…というのが正直な実感です。そんな訳で正直に告白しますと、医療というテクニックでアンチエイジングを実践するのは、現代の水準では費用がかかる割には効果が少ないのではないか?患者様に本当の意味でこれを勧める事ができるのか…と自問自答する毎日でした。最終的にはやはり自分で自信を持てない事を継続する事はできません。そんな訳で、今回コンセプトをまた新たに出直そうと思ったのです。ただ、これまでの期間が無駄になったとは思いません。色々な意味で気づきや勉強になった事は多いです。一番の気づきは、「なぜ健康的な食事や運動といった一番安価で手軽にでき、ほぼ確実な効果が期待できる方法が、これほど多くの人にとって継続困難になってしまっているのか…」という事です。


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まず健康的な食事とは、巷で言われる言い方をすれば「ホールフードを取りましょう」って事です。人参でも大根でもキャベツのような野菜でも、そして魚でも肉でもいいのですが、そのままの素材をできる限りそのまま食べましょう、加工食品をできる限り少なくしましょう…という単純な事です。でも患者様への指導で食事記録をつけてもらうと、本当にそれが継続できない人が多いのが分かります。私が思うに一つの理由は、外食やコンビニなど手軽に食べる事ができるものにはホールフードという概念がほぼ無い事だと思います。(…てか超加工食品のオンパレードですよね…(^_^;))ホールフードを実践しようとすると、事実上自炊ができないと難しいのですが、人生の大半の時間を過ごす職場には、キッチンって無いのが普通ですよね? だから結局お昼ご飯や残業の時は、近くで外食かコンビニ弁当しか方法がなくなる訳です。


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そして、運動もしかり。よほど大手で意識高い系の会社でない限り、オフィスにジムが併設されている事はないです。それに最近はチョコザップのようなコンビニジムができてきたとは言え、ジムに置いてる設備ってどこも判で押したように同じで、ランニングマシンか自転車などの有酸素運動系、そして筋力トレーニング用のマシンって感じですよね。恐らく90%の人が「一番嫌いなやつ」って思われているのではないでしょうか(^_^;)? そうでなければ、こんなに運動を継続できない人が多い事を説明できないですもんね…。私の友人が、こんな事を言っていたのを思い出しました。「先日、エストニアに行ったんだけど…エストニアの空港は待合スペースに卓球台が置いてあって、誰でもできるように開放されてるのよ。そして、家族やグループで卓球するだけじゃなくて、見知らぬ人でも『ちょっと一緒にやりましょうか?』みたいに声かけて誰でも順番に打ち合いして、ワーワー言いながら楽しめるのよね。卓球台とラケットとボールが置いてあるだけなんだけど、それだけでそこにいるみんなが楽しめるって凄いよね。他の国でも空港の待合に卓球台を置いたらいいのに…って思ったよ」…と。そうなんですよ。運動って楽しかったら誰に強制されなくても自分で進んでするのに、楽しさがないマシンジムみたいなものだったら続かないんですよね。ジムに置いてあるマシンと卓球台を比較すると卓球台の方が圧倒的に安いし、メンテナンスも不要なのにね(^_^)。


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そこで、これから人間が人間らしく生活していくには職場にキッチンと楽しめる運動設備(私の場合卓球台!)を併設して、仕事と生活という垣根をとっぱらう…ってのが良い生き方なんじゃないか? って思ったんです。医者仲間にこの話をちょっとした事があるんですが、ほとんどの人は「はぁ?? クリニックにキッチンと卓球台?? そんなの変だよ絶対。そんなぶっ飛んだクリニック見た事ないなぁ…」って笑われました。でも先月のクリニック通信で書きましたが、岡本太郎氏は自分の信じる「調和」を表現する為に多くの反対を押し切って「太陽の塔」を完成させ、結果として世界中の称賛を浴びたじゃないか。そう思うと、今誰にも理解されなくても自分の信じる道を進むのが、後悔しない人生にする為には一番なはず。いずれ理解される時が来る…そう思ったのです。人生で初めて「芸術の意味」を自分なりに解釈できたような気がします。そんな訳で、今回が自分の年齢から言っても最後のチャレンジになると思いますが、こんなコンセプトでクリニックを移転し、心機一転スタートしたいと思います。


1.治療メニューは今までやってきて本当にコストと成果が見合う、「シワ・たるみ治療」に専念する。

2.患者様のケアは最初の受付から施術・会計まで自分一人で行い、すべて自分が責任を持つ。

3.クリニックにはキッチンと卓球台を置いて、「職場に自炊と好きな運動環境」を整える。


3は患者様には直接的なメリットはありませんが、私が提唱するアンチエイジングを自分が実践していないと、言ってる事とやってる事が矛盾しているので、自分の為にもそうしたいと思ったのが一つ。そして、私のコンセプトを形にする事で、クリニックの収益にはなりませんが、クリニックに来院される皆様へ「私の思い」は提示できると思うのです。そして、そうすべきだと思ったのです。私なりの「太陽の塔」…です…(^_^)。 ただご希望の方には、ご来院時に無料で卓球もお教えしちゃいますよ! 全日本2位にははるかに及びませんが、全医歯薬3位の指導を受けたい方は是非ご連絡ください。コーチ業については学生の指導以外は経験がありませんのでTコーチの指導を通じて学んでいきたいと思いますが、今でも中高6年卓球経験者くらいには指導できますので(^_^)。新しいクリニックは再び北野方面に戻り、加納町3丁目の近くで新しく出発したいと思っています。移転は9月末ですので、それまでは工事や荷物の整理・引っ越しなどでしばらくご不便をおかけするかもしれませんが、10月から新しいクリニックでお会いできる事を楽しみにしています!


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