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第271回「思い出すら努力しないと消えていく時代」

更新日:4 日前

明けましておめでとうございます。昨年は大変お世話になり、ありがとうございました。本年もどうぞ宜しくお願い致します。去年は最後の移転という大きな節目があり、後半はバタバタしましたが、やっと落ち着いて無事北野でお正月を迎える事ができました。今年のお正月は、前回のクリニック通信に書いた、お魚が美味しいイタリアンの小さなお店の「イタリアンおせち」で、ちょっと北野らしくなりました。前回の通信もまた久しぶりに帰ってきた神戸北野周辺のお話だったのですが、今回もしつこくその第二弾…という事になってしまいますが、お付き合いくださいませ。



移転後少し落ち着いた頃に北野の街を散策してみると、懐かしの北野も随分様変わりしていました。20年前から続いている懐かしいお店は数えるほどで時代の流れを感じましたが、私が最初に開業した異人館通クリニックのあったビルの隣のブティックは健在で、店長さんもお元気でした! そしてその裏手にあった神戸最古の異人館は改装されてお洒落なカフェに…。クリニックのあった通りのもう一つの異人館もベーカリーを併設したカフェになり、同じ並びにもう1軒新しいベーカリーもできていました。調べてみるとクリニックの周りにはお洒落なカフェやベーカリーが溢れています。最初は知らなかったので取り敢えずクリニックのビルの筋向いにあるイスズベーカリーに行ってみたんですが、パンはあんまり美味しくないし今時現金支払いのみで、お釣りに1円とか2円の端数が出てめちゃ不便でした(^_^;)。やっぱり大手のベーカリーは工場でパンを作って運んでくるので防腐剤なども多く使うし、味もそれなりですね。でも北野の小さなベーカリーは大抵そのお店でパンを焼いているので、何軒か行ってみましたがお洒落なだけでなくてかなり美味しく、レストランの次はベーカリー巡りにはまってしまいました。お洒落なカフェでイートインできるところなどもあるので、皆さんもクリニックの帰りなどに寄ってみてくださいね。(…てか神戸って本当にパン屋さんが多いし、パンが美味しいですよね。神戸に住んでいると気にしていなかったのですが、友達が神戸に遊びに来る時は「神戸のパン屋さんに行きたい!」とよく言っていました。改めてベーカリー巡りをすると、確かにそのレベルの高さに今更なんですが気づいた次第です。)



ベーカリー巡りを始めたのは秋だったので、最初はお天気のいい日にカフェ訪問も兼ねて異人館を改装した「パンとエスプレッソと異人館」へ。一番人気の「ムー」というサイコロ型のパンを頼んだら、温められて出てきてフワフワですごく美味しかったので、併設されたベーカリーでムーハニートーストとほうれん草のクロックムッシュ・モンブランを買って帰ったらどれも当たり! パイ仕立てのモンブランなんか、ケーキより美味しいではないか! 味をしめて何度か買いに行きましたが、ムーをくり抜いてシチューを詰めたムークリームシチューやフレンチトーストもとろっとしてめっちゃ美味しい! しかしそこはクリニックからは少し遠いので、もう少し近くの「レコルト」にも行ってみました。ここはオーナーが自らフリースタイルリブレ(腕に貼って血糖値を自分で測る医療機器)を使ってパンを食べた後の血糖値を測り、血糖値の上がりにくいパンや「血糖値を上げにくいパンの食べ方」などを研究してブログをホームページに載せている研究熱心なベーカリーです。北野では健康に気をつけながら美味しいパンを食べられそうですね。レコルトのクロワッサンはウエンツ瑛士が勧めていたらしいんですが、今回クロワッサンを食べ比べた数軒のベーカリーの中で一番美味しかったです。他にも「極みソーセージ」という絶品ソーセージを乗せたパンも◎。ただ当たり外れがあり、キッシュやイチジクのデニッシュなどはイマイチだったので、やっぱり「パンとエスプレッソ」かな。



他にも調べていると「神戸一美味しいベーカリー」と言われる「サ・マーシュ」が出てきました。入り口には門があり、門から玄関までは小径が続くヨーロッパの邸宅のような瀟洒な造り。そして週休3日という、趣味でやってるんじゃないかと思うようなお店です。最初に行った時は、人気のゴルゴンゾーラのクロックムッシュは売り切れで「朝に予約しないと…」と言われ、フレンチトーストは「土日しか焼かない」との事で、店員さんのお勧めのをいくつか買いましたが、「え?これが神戸一?めっちゃふつーやん!」って感じ。これは人気のが売り切れる前に買わないと…と土曜日の朝一に予約して意気込んで買いに行きましたが、どれも「パンとエスプレッソ」の方がよっぽど美味しいやん! みんなお洒落な店構えや思わせぶりな売り方に騙されてるんちゃうん?? 人気店と思ってるのか店員のおばちゃんは高ビーやし…。という訳で、やっぱり「パンとエスプレッソと異人館」だよね!という事になり、レストランに行くより美味しいパンを買ってきて、クリニックのアイランドキッチンでサラダや温野菜・プロテインスープなどを作って一緒に食べた方が健康的だし安上がり!これぞアンチエイジング・クリニックのアイランドキッチンの活用法だ!と悦に入っています。敢えて問題を指摘するなら、やっぱり食べ過ぎですかね…(^_^;)…美味しいもの全般に言える事ですが、食べ過ぎには注意しなきゃ。



「パンとエスプレッソと異人館」にパンを買いに行った帰りに、異人館通クリニックの頃によく行っていたモーツァルトというイタリアンのお店や、同じ頃よく行ったバー「バンブー」の跡地などを見つけてすごく懐かしくなり、モーツァルトのオーナーシェフだった麗子さんに連絡を取ってみました。(全然どーでもいい話ですが、この「モーツァルト」という店名を思い出す事ができず、何週間もまさに『喉の奥に小骨が引っ掛かった』思いをしていました。これを思い出した時の爽快感たるや…なんか脳の全シナプスが繋がったような快感で、思わす『あ!!モーツァルトや!!』と叫んでしまい、近くにいた人がのけぞっていました…(^_^)。)麗子さんは、以前のクリニック通信にも書きましたが(と言っても、もう何年も前の事だけど…(^_^;))イタリアに60回行ったという強者で、ルッコラとタコのバルサミコソースやフレッシュトマトのスパゲティなど「南イタリア・タッチ」の美味しい料理をよく作ってくれました。最初は電話に出られなかったので、もう使われてないのかなと思って麗子さんの知り合いだったバンブーのマスターに聞いてみると、電話番号は変わってないはずとの事。2回目に電話したら繋がって、久しぶりに元気な声を聞く事ができました! マスターも麗子さんも「まぁ、また北野に移転されたの?」と懐かしがってくれて、しばし北野話で盛り上がりました。思えばもう20年以上前の事なんですねぇ。でも皆さんお元気で良かったです。




しかし「パンとエスプレッソと異人館」は坂を上がらなくてはいけないし(20年前はそれ程この坂道はきつくなかったのに、体力の衰えに情けない限りですが…)ちょっと遠いので(これも元気な方にはそんなに遠い?って言われそうですが)、寒くなってくるにつけ行きにくくなってきました。そんな頃、クリニックに一番近いベーカリー「The Bake」に行ってみると、以前1回行った時はお勧めのパンがイマイチだと思ったんですが違う種類のものを買ってみるとすごく美味しかったので、今ではそこに通い詰めています。ゴルゴンゾーラブリオッシュやアマンドクロワッサン・メープルナッツクロワッサン・レモンケーキなどがお気に入り。カヌレなんかは今までどこで食べても美味しいと思った事がなかったのにここのは美味しいと思いました! 難点はお店が狭い事と、パンがやたらでかいのでいろんな種類を一度に楽しめない事。お店の中央の大テーブルにパンが置かれ、周りの通路が狭くて人がすれ違えず、迷って立ち止まってる人がいるとそれより先に進めないのでイラっとしますが平日や夕方はそれ程混んでいないので、最近はここのパンやケーキで北野ライフを満喫。お正月も、おせちに飽きたら美味しいパンで過ごそうと思います。クリニックの近くには美味しいケーキ屋さんやカフェも山ほどあり、「北野グルメ情報楽しみにしています!」って言われる患者様もおられますので、またクリニック通信で少しずつ紹介していきますね。

パンやケーキにはまると太りそうですが、そこは卓球をしてカロリーを消費。フラワーロードを見下ろしながらの卓球はいいですよ~。そして卓球後だけ、少しビールをパンや手作りピザと共に楽しんでいます。昔みたいには飲めなくなったけど。後輩たちにはあんまり飲まなくなったので「ビールはチェイサーやって先生に教えてもらったのに…!」と驚かれています。それもこれも時の流れ…。やっぱり若い頃のようにはいきませんよね。当たり前か。



時の流れと言えば、昔の事は鮮明に覚えているのにごく最近の事はなんだか思い出せない…って経験ありませんか? 恥ずかしながら私は最近よくあるんです…(^_^;)。でもきっとクリニック通信の読者の皆さんだったら共感してもらえますよね!?(無理やり引き込もうとしているかな??)年をとったおじいちゃんやおばあちゃんは昔ばなしをすると(大体、小学校の思い出とか戦争の時の話とか…)鮮明に記憶があっていくらでも話をするのに、今日のお昼ご飯に何を食べたかはケロリと忘れてるってあるあるですよね。まぁ私もその域になったのかと心配していたのですが、最近の傾向ではどうも若い人でもそのような事が多くなったという話を聞きました。詳しく聞くと、脳の記憶の仕組みは「反芻すればするほど記憶が定着する」という性質を持っているそうです。まぁこれは学生時代の勉強を思い出しても当然と言えば当然のようで、暗記する為には何度も声に出して言ったり、何度も紙に書いて覚えたりしていましたよね。現代はどちらかというと暗記偏重の勉強は批判的になっており、「自分の頭で考える」事を重視した教育によっていると聞いています。考えてみればそれも道理で、現代のようにコンピュータのデータベースで何でも一瞬で調べる事ができる時代になれば暗記するという意味は昔ほどなく、そこで引き出したデータをどう処理してつなげていくかという事に重点が置かれていくのは自然な流れのように思います。(まぁ…それもChatGTPなどの登場で怪しくなってきましたが…(^_^;)。)



ところが人間の体は原始時代のDNAから大きく変わっていないと言われており、使わない機能は資源節約のために退化していくようになっています。一番分かりやすいのが筋肉。人間の筋肉は使わなければすぐに弱ってしまい、数日寝たきりになっただけで自分で立ち上がる事もできなくなってしまいます。実は記憶にもそのような傾向があるそうで、現代のようにスマホで写真を保存したりネットで検索する事が当たり前になると、脳は「記憶を外部委託する」ようになり、自分の記憶スペースから内容をどんどん解放していくらしい…。簡単に言えば、記憶しなくてもいいものは資源節約のために記憶しない…って事になっていくようなのです。まぁそれだけだったら確かにスマホがあるから別に困らないと思われるかもしれませんが、問題はそれが進むと「記憶する力」そのものが弱ってしまうようだという事です。(この辺は研究してる論文でも意見が分かれる事もあるので、まだ絶対的にそうだと言いきれないところもありますが、一定の傾向があるとは言えると思います。)…ってそりゃ大変じゃないですか?? 年を取って少し物覚えが悪くなったって程度であればまだしも、記憶を外部委託する事で記憶力そのものが弱っていくとすると大変ですよね。今でこそ、筋肉については研究が進み、筋トレを含めて筋肉が落ちないようにする事が長生きの秘訣だという事に異論を出す科学者はいなくなりましたが、もし記憶力にも同じ傾向があるとすれば、筋トレじゃなくて「記憶トレ」をするのが当たり前…という時代が来るかもしれませんね。だって、記憶の外部委託は進む事はあっても後退する事はなさそうじゃないですか…。これから筋トレしながら、英単語の暗記をもう一度やり直してみようかな…(^_^;)。またこの辺の事も、新しい学説が出てきたら紹介したいと思います。



思えばこの20年でクリニックの治療も随分変わりました。異人館通クリニックの頃はピーリングやイオン導入・プラセンタ点滴が主でしたが、ボトックスやカクテル注射・PRPなどの注射治療を行うようになり、さらにはダイエットやナチュラルホルモンなども扱うようになり…そして今はまた注射治療に絞って診療を行っています。

やはり北野にいると昔の思い出が鮮明によみがえってきて、いくらでも昔の事に思いをはせる事ができます。この思い出が消えていかぬように、記憶力トレしていかないとダメですね…(^_^)。

そんなこんなで20年もクリニックを続ける事ができ、こうして再び北野ライフを満喫できるようになったのも皆様のお蔭と感謝を胸に今年も頑張ろうと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。





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