シミとは


一般的な「シミ」とは、皮膚の色素沈着症のうち、表皮色素沈着症のことを指します。

皮膚は右図のように表皮真皮からなり、表皮は大部分がケラチノサイト(角化細胞)という細胞からなります。

表皮の最下層に基底層という層があり、ケラチノサイトは基底層で分裂して角化という分化をしながら皮膚表面に移動していき、最後は表面から剥がれていきます。

基底層には10~30個の基底細胞に対して1個のメラノサイト(メラニン産生細胞)があり、メラノサイトがメラニンという色素を産生します。

皮膚の色はこのメラニンの量によってほとんど決定されています。
メラニンの本来の役割は細胞の核を紫外線から保護することです。しかし、何らかの原因で

・メラニンの産生が増加
・メラノサイトが増加

するとシミができてしまうのです。

シミの原因

紫外線

シミの原因で最も多いのは紫外線です。ケラチノサイトが紫外線を浴びるとメラノサイトへの情報伝達物質を放出し、メラノサイトを刺激することによりメラニンの産生が増加し、シミになります。

他の原因のシミも紫外線により増悪します。シミの予防や治療には紫外線防御が最も大切です。

②女性ホルモン

女性ホルモンによってメラノサイトが活性化されるとメラニンが過剰産生し、シミの原因となります。いわゆる「肝斑(かんぱん)」の原因と考えられています。

③炎症

化粧品・衣類の染料・摩擦などによる接触性皮膚炎や湿疹などの炎症時に放出されたサイトカイン(細胞間の情報伝達物質)によりメラノサイトが活性化され、メラニンの産生が増加してシミになります。

④遺伝

先天性にメラニン産生能が亢進していて色素沈着が起こる場合があります。いわゆる「そばかす(雀卵斑)の原因です。

⑤タバコ・ストレス・過労など

タバコやストレスは活性酸素を増やします。その活性酸素がメラノサイトを刺激するため、メラニンの過剰産生を起こしてシミになります。また、過労などで血行が悪くなるとメラニンの排出が遅れ、シミの原因になります。

 

シミの分類 

シミ(表皮色素沈着症)には、

・老人性色素斑(日光黒子)
・肝斑
・そばかす(雀卵斑)
・炎症後色素沈着

があります。

①老人性色素斑(日光黒子)

紫外線によるシミです。光老化の主症状の一つで、中高年の顔・手の甲・手足の日光の当たる部分にできる褐色の色素斑です。

・そばかすに似て顔に小さく多発する小斑型
・親指大で顔に数個発生する大斑型
・手の甲や腕に散在する白斑黒皮症型

に分けられます。

②肝斑

30歳以降の女性の顔(頬・目の周囲・額・顎など)に左右対称に出現する褐色の色素斑です。
女性ホルモン
によってメラノサイトが活性化し、できると考えられています。紫外線、摩擦、不適切な化粧品などで増悪します。レーザーを照射すると濃くなる事があります。

③そばかす(雀卵班)

遺伝性・先天性で、顔の中央から両頬に多発する小型(直径数mmまで)の色素斑です。
幼少期に出現し思春期まで増加、紫外線で増悪します。

④炎症後色素沈着

化粧品、衣類の染料、摩擦などによる接触性皮膚炎湿疹などの炎症後に生じる色素沈着。
炎症がおさまると通常、徐々に薄くなります。紫外線で増悪します。

 

シミの鑑別診断

下記のものはシミではありません。レチノイン酸療法の対象外です。

①扁平母斑

褐色の扁平なあざ(生まれつき、あるいは生後しばらく経ってから生じてくる皮膚の色素異常)。大きさ・形はさまざまです。思春期に発生するタイプもあります。メラノサイトのメラニン産生能の亢進が原因です。

 

②色素細胞性母斑

表皮基底層から真皮にかけ、メラノサイトが増生したもの。濃い褐色や黒色の円形から楕円形が多いです。ホクロもこの一種で、生まれつき存在するものもあります。

 

③太田母斑

顔に発生するさまざまな大きさの青色のあざ。生後まもなく発症するタイプと、思春期前後に発症するタイプがあります。表皮基底層のメラニン沈着と真皮のメラノサイトの増加が原因です。

 

④青色母斑

3mm~2cm程度の青色のあざです。生まれつきまたは生後まもなく、体にも発生します。真皮メラノサイト類似の紡錘形細胞の増殖が原因です。

 

⑤後天性真皮メラノサイトーシス

そばかすより少し大きな紫褐色の色素斑。20歳以降に額・頬・鼻筋などに両側性に発生します。
真皮にメラノサイトが増生したもので、潜在性真皮メラノサイトが紫外線や女性ホルモンなど何らかの原因により活性化するものと考えられています。

 

⑥脂漏性角化症[老人性疣贅(ゆうぜい)]

褐色から黒褐色に見える皮膚の良性腫瘍。扁平あるいは疣(イボ)状に隆起します。
ケラチノサイトの増殖にともなうメラニンの増加が原因。日光黒子の真ん中にできることも多く紫外線が関連していると考えられています。

*青色っぽく見えるものはシミではないことが多い

メラニンが表皮基底層から上(角層側)に存在する場合は褐色に、真皮と表皮の境では黒色に、真皮直下では灰紫色に、真皮上層では濃い青色に、真皮中層では青色に見えます。

真皮色素異常はレーザー治療の適応ですが、肝斑はレーザー照射でかえって濃くなることがあるので注意が必要です。

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シミの治療法

シミを薄くするには



①原因の除去

紫外線防御・ホルモンバランスの正常化(プラセンタの投与)・炎症の鎮静(プラセンタ・トラネキサム酸の投与)・活性酸素の除去(ストレスやタバコの回避とプラセンタ・αリポ酸・コエンザイムQ10・ビタミンC・ビタミンEの投与)


②メラニンの排出
(表皮基底細胞の分裂促進)

(表皮基底細胞の分裂促進)レチノイン酸・ビタミンA・プラセンタ・αリポ酸・コエンザイムQ10の投与


③メラニンの生成抑制

プラセンタ・ビタミンA・ビタミンC・ハイドロキノン・トラネキサム酸の投与

を行います。

レチノイン酸を塗布して表皮の角質を剥離し、基底細胞の分裂を促進してメラニンを排出する方法です。

メラニンの生成を抑制するハイドロキノンやビタミンCの塗布を併用することが多いです。αリポ酸・トラネキサム酸・ビタミンC・美白剤を配合したシミ用プラセンタプレミアム点滴、αリポ酸・コエンザイムQ10・ビタミンC・ビタミンE・トラネキサム酸の内服を組み合わせるとさらに効果的です。

ほとんどのシミ(表皮色素異常)は綺麗に取れますが、濃度を上げないと反応しにくい方もおられます。

扁平母斑には濃度を上げると効果があります。しかし、真皮にメラニンが増えているあざなどにはレーザー治療が有効です。

 

プラセンタは胎盤の抽出液です。

各種のアミノ酸、酵素、ミネラル、ビタミンの他、胎児を成長させるための細胞増殖因子を豊富に含み、その働きで細胞を活性化し、新陳代謝や血行を促進してメラニンを排出する効果に優れています。

そのプラセンタにメラニンの生成を抑えるビタミンCとメラニンを薄くする美白剤を加え、シミ用プラセンタ点滴として利用します。

炎症を抑えたりホルモンバランスを整える効果もあります。

点滴は即効性がありますが、どうしても苦手な方や頻繁に通院できない方には内服薬をお勧めします。

 

プラセンタの内服薬(ラエンネックP.O.)・αリポ酸・コエンザイムQ10・ビタミンC・ビタミンE・トラネキサム酸を各治療と組み合わせると効果的です。

 

レチノイン酸療法に使用する

・レチノイン酸クリーム
・美白クリーム(ハイドロキノン・ビタミンC配合)

の他にも、

・トラネキサム酸クリーム
・メソリフトエッセンス
・Q10リンクルジェル
・VC-IP原液
・プラセンタ原液

などの効果的な処方化粧品があります。