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第96回 (2011年3月)「遺伝か努力か?」



こんにちは! 柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。今年は本当に寒かったですが、皆様はいかがお過ごしでしたか? 先月号のクリニック通信は「宇宙戦艦ヤマト」に走ってしまったので、恒例のおせち話ができませんでした。患者様の中には「先生のおせち話、楽しみにしてるんですよぉ~」と言ってくださる方もおられるので、ちょっとだけ今年のおせちを紹介しましょう。去年のクリニック通信にも書きましたが、いつもおせちを取り寄せている灘のお鮨屋さんN屋がおせちを作るのをやめてしまったので「今年はおせちどうしようかなあ・・・」と考えていた時、タイミング良く「おせちをプレゼントしますよ」という希少な方が現れました。よくプラセンタ点滴をしに来てくださる、食品会社経営のOさんです。Oさんはクリーンルームでおせちを作る工場を開発され、なんとおせちを毎年10万個以上作られるんだとか。そのおせちは冷凍ですが、特殊な冷凍方法をとるので美味しさを損なわないそうです。待望のおせちをいただいて、友人たちと集まって恒例のおせちパーティーをしたのですが、友人たちは「本当に冷凍のおせちが美味しいの?」と半信半疑。ところが食べてみると「えっ、これ本当に冷凍??」と大評判。冷凍とは思えない美味しさ。シャンパンのあてにぴったりではないか! 驚いてOさんにその特殊な冷凍方法というのを聞くと、電気で水分子を振動させて細胞の中に氷の結晶ができるのを防ぎながら凍結する方法で、凍結の際に細胞膜が壊れないので美味しさが保てるのだとか。なんと、冷凍食品もここまで進化してるんですねえ。(このおせちはコスパもいいので、ご希望の方にはお教えしますね。)



Oさんとおせちや冷凍方法のお話をしているうちに、ひょんな事からOさんのお嬢さんの話になり、Oさんのお嬢さんは宝塚音楽学校の生徒さんだという事が判りました。宝塚音楽学校と言えば、以前公演のチケットを特別に取ってくださった元男役トップスターのSさんが先生をされているところではありませんか。ちょうどSさんがまた『DREAM TRAIL~宝塚伝説~』という公演のチケットを取ってくださったところだったので、Oさんと宝塚話で盛り上がってしまいました。『DREAM TRAIL』というのは、宝塚歌劇団の歴史の1ページを築き、現在もミュージカル・演劇界で活躍する宝塚歌劇団出身の女優さんたちによる公演で、Sさんもゲスト出演されるのです。



実はSさんとは、昨年お食事をご一緒させていただく機会がありました。昨年も公演のチケットを取ってくださったのでお礼に例の梨を送ったらお電話があり、「先生~! 私、前から先生とお食事に行きたくて行きたくて・・・!」と誘ってくださったんです! そんな大スターがなんで?と思って聞いたところ、Sさんはうちのクリニック通信を読んでくださっていたそうで、私の「最近の若いもんは」話にいたく共感されたんだとか。「先生、私と同じ事考えてはるわ!て思たんです! 絶対気ィ合うわ!!思て・・・」と嬉しいお言葉。そして大スターとのお食事が実現した訳ですが・・・。最初はSさんの行きつけの宝塚のお店に呼んでいただいたのですが、大スターとは思えないくらい気さくなSさんとは、ほんまめっちゃ気ィ合いました。共通点がすごく多くて意気投合!「先生、私と一緒やわ~! Siめ(「Siめさん」というのがSさんのあだ名です)でいいですよ、Siめで・・・」しかし驚いたのは、そこのお店にはSiめさんのシャンパンとグラスまでキープされているのです。なんとファンの方が今でもシャンパンを箱で贈ってくれるんだとか・・・(やっぱ大スターはちゃいますな)。そしてその時はすっかりご馳走になってしまったのでお返しをしないと、と神戸に招待し「三宮駅まで迎えに行きます」と言ったら、Siめさんは「私、電車には乗らないんです・・・」あ、そうか。電車なんか乗ったらファンに囲まれて大変やん・・・失礼しました。宝塚からタクシーなんや。しかしシャンパン持込みやないとあかんみたいやし、お店選びはめちゃ悩みました。結局わがまま聞いてくれる小さなお店のシェフにホワイトアスパラのババロアを特別に作ってもらい、シャンパンを持ち込んだらSiめさんはめちゃ気に入ってくださったのでホッ・・・。しかし、その帰りに疲れてるのでクリニックで点滴をという話になり、クリニックに向かって横断歩道を二人で渡っていると、偶然宝塚関係の脚本家の先生とばったり会ったのです。その時その先生が発した言葉は・・・「え~っ!! Siめさん!! どうしたんですか~!?? こんな一般の道、歩いたらあきませんやん!!」・・・そうか・・・やっぱりそんなすごい人やったんや・・・。



さて、『DREAM TRAIL』の当日。宝塚音痴の友人と二人で行ったので、次々登場する宝塚の歴代トップスターもSiめさん以外は鳳蘭くらいしか判らず、プログラムに首っ引き。知ってる歌は最後に合唱された宝塚のテーマソング、「すみれの花咲く頃」だけでした・・・。しかし、 Siめさんはさすがにカッコ良かった!友人もそれにはびっくり。長い手足にすらっとした軍服姿、いつまで経っても男役の中の男役。しかしその華やかなショーを見ていて思った事は、「やっぱり持って生まれたもんがちゃうなあ」って事。 Siめさんなんか、男役になるために生まれてきたような気がするし、トップスターでも超有名な人は、やっぱりDNAが違う気がします。もちろん、トップスターになるためには人並みならぬ努力も必要だと思うのですが、やはり持って生まれたものが重要かと・・・。



最近の医学界と言うか生物科学の世界ではDNAの研究の進歩がめざましく、何でもDNAの影響だって説明を付けられるようになっています。何万人に一人というような難病や奇病は殆どがDNAの欠損や異常であるという事が分かって来ていますし、欝などの精神病、そして怒りっぽい性格や果てはオカマになり易いかどうかもDNAの影響であるのだとか(まだ完全に立証されてない事もあり仮説ではありますが)・・・。DNAとはご存知の方も多いと思いますが、デオキシリボ核酸と言って遺伝子情報が格納されているものです。遺伝子情報は生物が生きている途中に変化する事はありません(原則として・・・非常に稀な例外はありますが)。その為、生まれてくる時、もっと正確に言えば受精の時に決まったDNAは一生変わる事がないのです。ことわざで「子供は産まれてくる親を選べない」って言いますが、もっと深刻なのは親はともかく「子供は産まれてくるDNAを選べない」のです。最悪のケースは親は縁を切ることができてもDNAは一生付き合って行くしかありません。野球のイチロー選手のような「天才」と言われる人のプレーは基本的に人並み以上の運動能力を出すDNAを持っているって事が絶対に必要ですね。いや・・・そんな事はない、人間は「努力」によって人生を変えることができる・・・って言う人もいますが、自分の人生を変えることができる程ひたむきな努力を継続できるってのはやはりそれは「人並み以上の才能」であって、努力を継続できるというDNAを持っているという事になります。数万人に一人の天才っていうのは、数万人に一人の難病患者と同じくらい稀なケースであり、特殊なDNAを持っている・・・という事になるのです。逆に言えば、良くも悪くも私たちの多くは「人並み」なDNAを持っているという事です。人並みなDNAを持った人が特殊なDNAをもった人のマネをしようとしてもやはりうまくいかないもんだと思います。



そんな事を言うと夢も希望もない・・・って思われるかもしれませんが、『DREAM TRAIL』を見ていて、努力で何とかなる点もあるな・・・って思ったのも事実です。特に、「若く見える」事において。舞台に立つスターの皆さんは実年齢と外見の乖離は一般の人を遙かに超えています。もちろん、「えっ!もうそんな年なんですか?」っていうくらい外見が若いのです。そしてどうしてそんなに若く見えるのか・・・と言うとそれは、「お肌」と「体型」の違いだと思ったのです。確かに、「背が高い」「足が長い」「目が大きい」「鼻が高い」などの形態はDNAによるものがほとんどで、努力ではどうにもなりません。しかし、「若々しいお肌と若い頃の体型を保つ事」は努力次第で可能な事であり、それが「若く見える」には非常に重要だと気づいたのです。いくら持って生まれたものが良くても、お肌がたるんだりお腹周りに脂肪が付くと、一気に老けて見えます。逆に、若く見える人はお肌にハリがあってお腹に脂肪が付いていないんですね。「美人は3日で飽きるがブスは3日で慣れる」という言葉があります。女性から言わせると随分とヒドイ話ですが・・・。実は脳科学的には、男性諸氏からみた女性の魅力は美人かどうかというよりスタイルが良いかどうかの方が遙かに重要であるそうです。ですから、あの言葉の本当の意味はブスでもスタイルさえ良ければその内に慣れて末永く大事にされる・・・って事だそうな・・・(やっぱりヒドイ話には違いない)。



最近、明石家さんまが司会する「ほんまでっかTV」という人気番組がありますが、その中では脳科学者の澤口先生という方がズバズバと言ってはいけない本当の事を言って常識をひっくり返してくれます。ある時は痛快ですし、ある時は「え!嘘でしょ!」って言うような信じられない話もあります。ただ、一般的に脳科学の世界では脳の電気変化をセンサーで測定して実際に脳がどのような反応をしたかという事を科学的に検査しますので、検査当人への聞き取り調査や感想を述べてもらう事より本音(本音と言うか生体反応・・・つまり脳が好きか嫌いかをはっきりと述べているので、それが本音であると言わざるを得ない)を知ることができます。澤口先生曰く、夫婦関係や恋人関係など男女間の関係が長続きする為には女性のバストとウエストの比率が1:1.3である事が理想で、それから乖離するとどんどん男性は相手の事を女性として、性の対象として見なくなる・・・らしいのです。つまり、いわゆるところのナイスバディというのが一番の重要点であって、美人かどうかというのは恋愛が始まる前もしくは初期段階には重要であるが、恋愛が継続する事においては殆ど意味をなしていない。よって、結婚生活をうまくいかせるには何を差し置いても女性はボディラインを維持する事!と力説しておられました。(バストが大きい人がモテるというのも誤解だそうです。バストが大き過ぎるのも痩せすぎているのもダメで、ウエストとバストの比率が1:1.3くらいの状態が男性の脳が一番、「女性」を意識するポイントであるそうな・・・。恐らく被験者の男性を何人も並べて、頭に電極を一杯つけて脳の電位変化を検査するスキャナーをかぶせ、色々な女性の写真とか映像とかを見せて脳の活性化度合いを測ったんでしょうね。以下は実際にある女性が最近旦那さんが自分に優しくなくなったので、出会った当初のような状態を取り戻したいのだが、どうすればいいか・・・という相談を澤口先生にした時のやりとりです。



澤口先生:「結婚生活を長続きさせたければ、女性はボディラインが重要です。そうしないと旦那さんはあなた(相談者の女性)の事をいわゆる「女」として見なくなります。あなたははっきり言って痩せすぎです。旦那さんが女性の魅力を感じなくなるのも無理ありません」

相談者: 「でも・・・先生はそう言いますが、旦那以外の男性にはこう見えても結構誘われたりするんですよ・・・」 (確かにこの女性は美人の方です)

澤口先生:「あ・・・それは最初の時ですよね。そりゃそうでしょう。でも結婚生活は恋愛初期とは全く違うんです。もっと端的に言えば男性にとって最初は女性であれば誰でもいいんですよ・・・誰でも!」

ありゃりゃ・・・ゴールデンタイムのTVでこんな事言っていいのかしら。でも澤口先生は脳科学者としては非常に優秀な人であるだけに、本当の事なんでしょうねぇ。(私の知り合いの男性にこの話をしたところ、大半の人が「そりゃそうでしょ。当たっているよ。でもそんな事言ったら女性から嫌われるから言わないだけでしょ。男同士の中では常識だよ!」って言ってました。男性と女性はカクも違うものかぁ・・・。男女が理解しあう時は永遠に来そうにないですね。)





女性が美しくなりたいという気持ちの中には「男性にモテたい」という事ばかりじゃないですし、そんなのどう思われてもいい・・・って方もいるでしょうけど、そうは言っても女性から見てもやはり「実年齢の割に若さを感じる人がなぜそう見えるのか」という事を分析すると、残念ながら?「体型」と「お肌」なんですよねぇ。・・・そこで、若さを保つお手伝いをするために、私にできる事を考えてみました。お肌は新メソリフトやPRPで若返らせる事はできますが、体型は・・・? それなら、としばらくお休みしていた「体のメソセラピー(脂肪溶解注射)」を復活させる事にしたのです。メソセラピーは脂肪細胞の外に脂肪を出し易くして、お腹や二の腕など痩せにくい部分を痩せ易くする注射で、以前モニター試験をしてかなりの時間をかけて研究開発したものです。メソセラピーをしてから少し食事を減らしたり、運動やマッサージで脂肪を代謝すると痩せにくい部分も痩せられるので、努力次第で若さが保てるという方法。おせちを食べ過ぎてお腹周りに脂肪が付いてしまい、運動してもなかなか減らない・・・そういう方は春に向けて、ぜひお試しくださいね! DNAを超えて、 Siめさんに一歩近づけるかもしれませんよ。すみれの花が咲く頃には大手を振って街中を闊歩しましょう・・・(^-^)。



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