
こんにちは! 柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。今年の梅雨は雨が少ないようですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか? 梅雨と言えば6月、6月と言えば・・・何を隠そう、私の誕生月です!
いくつになったかは内緒ですが・・・(と言ってもホームページやパンフレットからすぐばれてしまいますけど)。 開業した頃は、勤務医時代の先輩に「おまえ、年逆サバ読んだら? その方が説得力あるんちゃう?」なんて言われたものですが、もう逆サバを読まなくてもいい年になってしまいました。誕生日と言えば、去年の誕生日には例のK氏に生まれ年のワインをいただいて喜んでいましたが、今年は留学生4人を含むスタッフ7人から写真入の寄せ書きと花束をプレゼントしてもらい、この上なく幸せな誕生日となりました。寄せ書きには一人ずつクリニックで撮った顔写真を切り抜いて貼ってあり、その横には日本語、中国語、モンゴル語、韓国語、英語、イタリア語(韓流B君は英語とイタリア語もできるらしい)で書いた国際色豊かなメッセージが・・・。1ヶ月くらい前から私が席をはずす度に急いで写真を撮り、こっそりメッセージを書いて一生懸命作っていたのだとか。これは最近もらった誕生日プレゼントの中で一番嬉しかったです。そして誕生日当日には我が家でホームパーティーを開催して、寄せ書きを眺めながらシャンパンを開け、みんなで飲み倒してしまいました。

誕生日と言えば年の話とは切り離せませんが、先日、ホームページやパンフレットなどのデザイン関係の仕事をいつも頼むMさんが「こないだね~。すごい面白いもん見つけたんよ~!」
(彼は九州の出身で、神戸に来て20年以上になるのに未だに九州弁がぬけません。オカマではありませんので、念のため。)Mさんには治療説明用のビデオの撮影なども頼んでいたのですが、開業した頃に撮ってアップしていなかった古い映像を最近になって見つけたのだとか。
Mさん:「それがね~。7年前のビデオなのに、先生今より老けとるんよ~!!」
失礼な・・・と思いながら、Mさんがあまりに面白いと言うので、打合せでMさんの事務所に行ったついでにそのビデオを見せてもらいました。すると、これはMさんが大騒ぎするのも無理はない・・・と思うほど老けた自分の映像が!! 法令線はみごとにくっきり、頬はこけ、たるみやクマもひどくてめちゃ疲れた顔・・・。あれまあ、私って昔こんなに老けてたんか~。そう言えばあの頃は勤務医時代の疲れが残ってたしな~・・・。と自分を慰めることしばし。 私が「わあ!! ほんまや・・・」とつぶやくと、Mさんは嬉しそうに
「ね!ね!ほんとでしょ?! めっちゃ老けとるけん。今の方が絶対に若い! この映像、ホームページで流したら?自分でいろいろ試しとるうちにこんなに若返りました・・・って!反響大きいかもよ」
そう言えば最近入社したスタッフのNさん(彼女は日本人です)にも、シミの治療説明用のビデオ(これも開業当時に撮ったもので、私が対談形式で治療説明をしているものです。レチノイン酸療法をされた方は見られたことがあると思いますが・・・)を見て、「先生、本当に若返られましたねえ!!」と驚かれたので、やっぱり昔は相当老けてたみたいです。
また先日、知り合いの紹介で行ったワインバーにクリニックのパンフレットを持って行ったら、私のプロフィールの生年月日を見てソムリエ君が「えーーっ!!先生、こんな年なんですかー??全然見えませんねー!!」これは素直に喜んで良いのかどうか・・・。まあ、びっくりされるような年になってしまったということなんですね。でも今は若く見えると言われたと、良い方にとっておきましょう。

さて、私の周りにも、実年齢よりずっと若く見えるという人が何人かいます。まずは、知り合いの美容師Sさん。感性が素晴らしくカットは超上手い人ですが、私と同じような年なのに普段はミニスカートに赤のタイツ、冬でもノースリーブ・・・というようなぶっ飛んだいでたちで、若い子のような軽い話し方でしゃべりまくり、フェアレディのオープンカーを乗り回し、お客様との合同イベントでは一番乗って朝まで踊りまくる・・・という元気な人です。彼女は外見とは裏腹に、数件の美容室とエステも経営するオーナーなんですが、彼女の美容室のスタッフは若い子ばかりなのに皆口をそろえて「うちで一番若いのはSさんです」と言うのです。(まあ、この人は特別かもしれませんが・・・。)
先日、Sさんが統括代理店をしているという矯正下着を勧められ、Sさんと秘書のKさんが試着用の下着を持ってクリニックに来られました。「こんにちはーーー!!! YUKARIでーす!!」研究員達はそのテンションの高さにびっくり。「YUKARI」はSさんの芸名?で、彼女は仕事でも何でも「 YUKARI 」で通して姓は名乗らないのです。KさんはSさんの秘書兼広報担当兼ハウスキーパーらしく、甲斐甲斐しくSさんの面倒を見ている感じ。何しろSさんは超感覚派で、数年前に流行った「右脳左脳占い」(感覚派か論理派か・・・という占い)で出た「宇宙から来たチャレンジャー=本能のままに行動し、無鉄砲で危なっかしく、好奇心旺盛。突拍子もない発想でみんなを驚かせる個性的な人気者」という結果がピッタリ当てはまる人なので、Kさんのような人が必要なのでしょう。「姿勢が良くなり胸も大きくなる」という振れ込みの矯正下着を試着したのですが、矯正下着の統括代理店のオーナーはSさんなのに、Kさんが全部代わりに勉強しているのだとか。Kさん曰く、「Sさんには経営者としてもっと大事な仕事をしてもらわないといけませんから」。Sさんは感性が鋭くて魅力的な上、危なっかしくて放って置けないので、「周りの人に恵まれるタイプ」なのです。

私が矯正下着を買う代わりに、その価格分だけSさんがボトックスとエセリスカクテルをするという事になり、同意書を渡すとKさんが、「これは私がいただいて読んでおきます。Sさんは字が多くなると読まないので・・・」「先生、注射後の注意は当日もSさんに何回も念押ししてくださいね。注意書きなんか渡しても読みませんから」何から何までKさんが面倒を見ている様子です。そして矯正下着の枚数とボトックスの箇所とエセリスカクテルの本数を決めて帰られたのですが、注射の当日Sさんは一人で来て、注射直前になって
Sさん:「眉間もボトックスできますーー?? エセリスカクテルも、目の下だけじゃなくて口元と頬にも 打ちたーい!!」
柴田: 「え、そんなに打ったらすごく高くなりますよ」
Sさん:「でも全部したーーい!! その分もっと下着買ってくださいよーー!!」
え・・・そんなに下着ばっかり要らんし・・・Sさんの説得に時間がかかり、その日は注射の後でSさんに カットをしてもらう予定になってたのですが、カットをする時間もなくなってしまいました。
その後Kさんが下着を持って来られ、「こないだは時間かかったんですねー」
柴田: 「Sさんが直前になってここもあそこもしたい、っていっぱい追加されたので・・・」 Kさん:「そうなんですかー! ・・・それで解りました。何か変やなーって思ってたんです。Sさんが
『先生すごい迷いはるから時間かかってねーー!』って言うんで、おかしいな、事前にちゃんと 決めてはったのに・・・って思ってたんですよ。Sさんが急に変えたから困りはったんですね。 すいません、Sさんに言うときます。全然気付いてないんで・・・。Sさんいつもそうなんですよー。
すごい手かかるんです。でもほっとけないんですよねー・・・」
Kさんの計らいで余分な下着は買わずに済みましたが・・・。Sさんはそんな感じでいつも手がかかるけど、周りの人から愛される自由奔放で魅力的な人なのです。(その後Sさんはボトックスとエセリスカクテルで さらに若くなってご機嫌でした)。

ちょっと話がそれてしまいましたが、その他に年より若く見える人と言えば、先日抗加齢学会で会った大学の先輩、N先生。内科の助教授(大学ではいつの間にか助教授のことを准教授って言うようになったようですが)で抗加齢学会では講演や座長(いわゆる司会ですね)をたくさんする有名な先生ですが、いつも大きな声で元気一杯、ユーモアたっぷり。挨拶すると私の名刺を見て、 「またまた、神戸でこんなことやってんのん?? アスタキサンチン(鮭やイクラなどに含まれる赤い色素で、強力な抗酸化物質です)のクリーム使てえな! 松田聖子が宣伝してるやつやん! ほんで、次の抗加齢学会に松田聖子呼ぼうな!!」
めっちゃアクティブと言うかユニークで、偉い先生という感じがしない人です。先輩なので私より年上なのですが、彼も若く見えますねえ。もう一人、抗加齢学会でお会いしたI先生。こちらはN先生とは違ってとっても上品で物静かな先生です。(N先生ごめんなさい・・・。)K大学の元教授で現在はアンチエイジングリサーチセンターの教授というお偉い先生ですが、気さくでとっても優しい方です。もう結構なお年なのにいつまでも研究熱心で、やはりすごくお若い! さすがに抗加齢学会の重鎮ともなるとアンチエイジングを自分で研究されているので、年より老けた先生はおられませんが・・・。また、高校の同級生で若く見える人はもう数えるほどしかいなくなってしまいましたが、その一人でおやじギャグを言わないN君。そして「日本の若者はもうダメだ」と、中国に会社を作ってしまった友人M。彼は32歳の時に米国のレストランででビールを頼んだら「パスポートを見せろ(21歳に達しているかどうか確認するため)」と言われた逸話の持ち主で昔から若く見えたようですが、それから10年経った今でも、しょっちゅう会社が崖っぷち状態になって徹夜を繰り返しているにもかかわらず、年よりかなり若く見えます。

これらの人たちの共通点は何だろう?・・・と考えてみました。皆職種もいろいろですが、共通して言えることは責任のある仕事をしていることと、常に意欲と緊張感を持ち続けていることではないかと思います。美容師のSさんは数件のお店を統括し、数十人のスタッフを育ててまとめなければならないし、N先生やI先生は教室員を育ててまとめなければならない。また、お客様や患者様の美と健康にも責任を持たなければならない。N君やMも多くの部下や社員をかかえ、それぞれのお客様にも責任のある仕事をしなければならない。そういった事が緊張感を生み、仕事への意欲もかき立てているのではないかと思います。特にMなんか、しょっちゅうトラブルで会社が崖っぷちになるので緊張の連続ですよね。自分がなんとかしなければ、となるとアドレナリンが出まくって、老けてる暇なんかないんじゃないでしょうか? M曰く・・・
「大体、やれアレルギーとか体調不良とか言ってしょっちゅう休む人がいるでしょ。本当はあんなのライオンの檻に入れてあげたら一発で治るのよ。 ライオンに追いかけられて、食べられまいと必至に逃げて、追い詰められて戦うか死ぬか・・・って状態になったら人間はアドレナリンとかドーパミンとかいろんな刺激物質がドバッ!っと出て本来の人間の本能がよみがえってくるからね。 ちょっとした風邪なんて一発で治るし、体調不良だなんだ・・・って言う人は本能 が緊張するような危機にさらされてないからアドレナリン不足なのよ。」 ・・・まぁ、これはあまりにも過激発言で、手放しで賛同はできないものの、一理あるとは思います。

そう言えばこの前、学会帰りに東京駅で新幹線を待っていた時の事。 とても魅力的な人に出会いました。
東京駅は始発駅なので出発前の新幹線の中でお掃除の皆さんが一生懸命仕事をしていました。誤解を恐れずに申し上げますとお掃除の皆さんはかなり年配のおばちゃんが殆どで、ピンクの上下の制服が妙に違和感があります。ただ、ご年配の方が多い割に動きはキビキビしていて、役所などでみるおばちゃんの集団とは一線を画しています。やはり、みんなに見られているからでしょうか・・・。出発の5分前になりそろそろ掃除も終わり乗車できるかな・・・と思った頃に一人の「おばちゃん」が出てきました。年齢はどうみても60歳は越えていると思い ます。恐らくその方はその車両掃除チームの責任者なのでしょう。ドアにかかった鎖を外し、掃除チームが車外に出ていく状態を一人ずつ数えて、全員が出た後に又鎖をつけ、一人車内に戻り掃除の状態を素早く点検していました。点検が終わった後に車外にでて、指さし安全確認を行った後、乗車を待っている乗客に一礼。その後、ドアの前に立ち、直立不動の状態でドアが閉まるのを待っていました。(掃除が終了した後は一旦、ドアが全部閉まって改 めて開いた時から乗車ができるルールみたいです。)恐らく、ドアが一度閉まる事を知らずに乗客が乗り込んでドアに挟まれたりしないようにする為に注意をしていたのだと思います。ドアが閉まった後も最後の指さし安全確認を行って、一礼をして立ち去って行きました。わずか数分の出来事だったのですが、あまりにもその人が美しく、すばらしい人に見えたのです。外見は普通のお掃除のおばちゃんなのですが、そのみなぎる責任感というか、仕事に対するプライドに対して敬服してしまいまいた。 自分はプロであり、その集団のリーダーであり、最後の責任は自分にあるという緊張感がみなぎっていて、それが伝わってきてすっごく「カッコいい!」のです。顔つきがまるで他の人と違います。内面から出る「魅力」はごまかしようがないですね。

この緊張感のみなぎった顔つきはどこかで見たことがある・・・って暫く考えていたのですが、ようやくピン!と来ました。映画「愛と青春の旅立ち」の中のリチャード・ギアだ!・・・と。(相変わらず古い話で恐縮です)あまりにもブッとんだ話の展開に、さすがのYUKARIもビックリかもしれませんが、これはちょっと説明をしないとわからないですね。リチャードギアはそもそもカッコいい俳優ですが、彼の魅力が際立って引き立ったのが映画の中の海兵隊の制服姿でした。あえて戦争という事実と切り離して言わせてもらえば、「制服姿の男性は格好いい!特に軍隊とか消防とか危険と隣り合わせの仕事をしている人の制服姿は最高!」と思うのです。そしてそれは制服がカッコいいのではなく、制服を着た時に男性が見せる緊張感が本当は魅力を発しているんだぁ・・・と気づいたのです。制服を着るという事は何か非日常的です。特に軍隊の場合はそれは命をかけた使命を持った時かもしれません。その使命を背負い制服を着る・・・という事は制服に袖を通す時にすでにその人の顔つきを変えているんだ・・・と思うのです。
話は変わるのですが・・・クリニックに来院される患者様を見ていて以前から不思議に思っていた事があります。初回来院の時から一月後くらいに来られた時に「明らかに」綺麗になった・・・という方が結構多いのです。もちろん、治療成果が出ているという事実はあるにしても、それ以上に綺麗になった・・・と思えるケースが多く、それはスタッフの間でも常々話題になります。クリニックの治療は対象が目尻や額のシワであったり、頬のたるみであったりと部分的である事が多いのですが、そこの治療効果以上にその人そのものが美しくなる・・・という事がよくあるのです。「○○さんって、最近は本当に綺麗になって、最初に来られた頃の印象と全然違うよね・・・ 」という事が結構あります。この事はクリニックを始めた頃から気づいていたのですが、どうしても納得のいく説明ができませんでした。しかし、最近になって、もしかするとこれは「制服効果」なのではないか・・・と考えるようになりました。

「美容治療を受ける」という行動そのものがある意味非日常的な事だし、治療の後は毎日、入念に鏡を見て自分を今まで以上に観察する事になります。治療した場所は当然常に意識をしているし、何か人から見られているような気持ちになります。友達から「ちょっと最近綺麗になったね・・・ 」と声をかけられると、もうそれだけでも自分の意識は高まりますので、人から見られている自分・・・を意識するようになりますね。「馬子にも衣装」という言葉がありますが、結婚式でウエディングドレスを着た友達がびっくりする程綺麗に見える事があるのは、恐らく、ウエディングドレスを着て他人の視線を集めている・・・という意識がその人にある種の緊張感を持たせて顔つきが変わる(魅力的に見える)からなのではないかと思います。それが「制服効果」なんだと思います。同じ緊張感でも慣れないスピーチをして、原稿を持つ手が震えている人もいますが、あれはどちらかと言うと緊張感と言うより恐怖感に近いもので、恐怖を感じている人の顔つきはどう見ても魅力的には思えません。しかし、「強く自分というものを意識して、他人の視線をいい意味で感じているという緊張感」は美しくなるためには必要な事なのではないでしょうか。 若く見える人・・・の顔つきにはどうもその「緊張感」というものが共通しているように思うのです。
ただ、ごく最近、制服効果に異論を唱える動きが・・・。先日の学会で関西で活躍した美容皮膚科の先生で、今は東京で開業された方とお話をしました。その先生が「同じ治療をしても東京の人より大阪の人の方が 明らかに効果があるように思うんですよね。ありゃ多分、大阪の女性の方が高い治療費かけたから絶対、元取ったるねん・・・という気迫のせいやないかと思うんですよ。ホント、気迫やね。気迫でタルミまで伸ばしてるん違うか・・・思う人一杯いたもん。」と言っていました。う・・・む。同じ関西の同胞としては微妙な気持ちですが、十分にあり得る。「せっかくお金払ったんやから綺麗にならんと損や!」という感覚・・・。悲しいかな、私も同感です。関西人のDNAはどこまでも関西人なんですね。綺麗になったのは緊張感のせいなのか、元取ったるねん・・・という気迫のせいか・・・この論争にはまだ最終結論は出ておりません。 私としてはどちらにしても皆様に十分に元を取っていただければ幸いです。関西の皆様は毎日鏡を見て精一杯の笑顔で、「元取る!元取る!」・・・と唱えていただくと効果倍増・・・かも。実施された方の体験談を是非聞かせていただければと思います。ただ、学会に発表する事はできないかもしれませんが。