
こんにちは、異人館通クリニックの柴田です。 寒い日が続いておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。 そろそろ年末年始の暴飲暴食を反省し、春に向けてダイエットを志す時期ですよね。そんな時こそメソセラピー、と言いたい所なのですが・・・。 メソセラピーの研究を始めてからもう2年近くになり、メニュー化してからも1年近く経ちます。薬剤の研究から苦労し、半年以上のモニター試験・データの整理と分析・・・と、膨大な時間と手間をかけた研究の結果、やっと効果の上がる治療方法を確立することができ、皆様の熱いご要望にお答えしてのメニュー化となりました。メニュー化当時は爆発的な人気で、私は注射のしすぎで腱鞘炎になったほどでした。そしてたくさんの患者様に喜んでいただくことができ、ほっと一息ついて、次はメソリフトの研究に没頭したのでした。しかしメソリフトをメニュー化し、これまた爆発的人気を呼んで大忙しとなった後、一段落した頃にある事に気が付いたのです。どうもメソセラピーの人気がいまいち伸びず、リピートが少ない。メソセラピーの診察時には毎回サイズを測るのですが、皆様確実にサイズダウンされるので、最初は画期的な注射だと思いました。そして患者様の満足度も高いと思っていたのですが、どうも私が思っているより患者様の満足度は高くなさそうだということに最近気付いたのです。

しばらくはメソリフトに気を取られていて気付かなかったのですが、今まで脂肪が落ちにくかった部分が注射で痩せられるという画期的なメニューが、なぜ伸びないのか? あれだけ苦労して、やっと効果が出せるようになったのに・・・ 。そして、確実にサイズは減っているのに。もちろん、メニューの性質も関係あるとは思います。老化は放っておくと進むものなので、メソリフトで若返った後も若さを維持するためにはメンテナンスが必要です。そのためメソリフトを受けた方は少しお肌の状態が戻るとまた治療を受けられます。これに対してメソセラピーは一度部分痩せしてしまうと大幅に太らない限りはリバウンドはないと言われているので、そのためにリピートが少ないのだと最初は思っていました。モニター試験の希望が殺到して予定人数を大幅に上回ったことや、メニュー化当時に人気が集中したことでやりつくしてしまったのだと・・・ 。もちろんそれも理由の一つではあると思いますが、どうも様子がおかしい。

良く考えると、本当に満足度が高ければ、1箇所した方は他の箇所もしたくなるはずです。もちろん、本当に効果があったと喜ばれて、次々といろいろな箇所をされる方もおられますし、気になる所は2箇所くらいで、一度にしてしまったのでもうする所がないという方もおられますが、そんな方ばかりでもないようです。初期には痛みや内出血の問題もあったので、針を細くしたり注射器を変えたり、いろいろ改善も加えてきました。より効果的な薬剤の組み合わせも研究を続けてきました。でも、どうして確実にサイズダウンするのに、満足度が高くないような気がするのだろう? その原因を洗い出し、満足度を高める方法を考えようと、データを分析することにしました。 幸い、診察のたびにサイズを測り、データは全部残していたので、それをもう一度洗い直し、身長・体重・サイズとその変化、注射の範囲や回数、使用した薬剤、注射1回ごとのサイズ変化と体重変化、併用療法などを表にして分析してみました。(データの一部を掲載しますが、後にはすべて掲載予定です。もちろん「○×○×大事典」のようなデータのねつ造はしておりません・・・ 。(^○^) 念のため。)

一人一人身長・体重からBMIを計算し、治療前後のBMIの変化を出したりその順に並べてみたり・・・ 。(BMIというのはご存知の方も多いと思いますが、ボディマス数値=体重(kg)÷身長(m)2のことで、この数値が22の時病気になる確率が最も低く、BMIが25以上となると肥満とされて生活習慣病の発病率が2倍になると言われています。標準体重というのはBMI=22になる体重ですが、これはあくまで健康を保つ体重で、スタイルがいいという意味ではなく、女性が綺麗に見える「美容体重」ではBMIは約19、つまり160cmで48.6kg、155cmで45.6kg、だいたい身長-110前後となります。)また、サイズの減少率(サイズ変化÷治療前のサイズ)や治療後の周径を身長で割った値の順に並べてみたりして、何が一番満足度を左右しているかを考えてみました。 そうして解ったことは、まず、痩身指導を併用した方は体重もサイズも大幅に減って、満足度が非常に高いということ。メソセラピーを希望される方で標準体重以上の方には痩身指導の併用を勧めるのですが、皆様なかなか応じてくださいません。食べた物を記録したり、カロリー計算なんて面倒で・・・とおっしゃいます。でもBMIが25を超えるような方には、このままでは健康が害されてえらいことになりますよ、と説得するのです。そうして渋々痩身指導を受けられた方もおられますが、いざ始めてみると、指導どおりにしていれば体重もサイズもどんどん落ちるので、皆様楽しくなられるようで順調にスリムになっていかれます。そして気になっていた部分もスッキリ痩せて綺麗になられ、「今まで入らなかったお洋服が入るようになった!」「お友達に痩せて綺麗になったと言われた!」と喜ばれます。これは痩身指導とメソセラピーの相乗効果と言えるでしょう。

もう一つ解った事は、元々あまり太っておられないBMI=20以下の方は、サイズ変化があまり多くなくても意外と満足度が高いということです。モニター試験の時に脂肪の少ない部位や脂肪が少ない方は大幅にサイズダウンはしなかったので、太っていない方や気になる部分にも脂肪が少ない方には「変化が判りにくいかもしれません」と説明していたのもあるかもしれませんが、元々スリムで気になる部分にだけ少し脂肪がついている・・・という方は、その少しの余分な脂肪が減れば見た目が綺麗になるので、実際のサイズダウンが少なくても満足度が高いのだと思います。本来「脂肪溶解注射」というのはそういう方のための注射なのですよね。そう言えば海外から取り寄せたどの文献にも、「肥満は適応外」と書いてありました。この「肥満」というのがどれくらいの肥満か、というのがポイントのような気がします。それはBMI=25以上の明らかに病的な肥満をさしているのではなく、BMI=22以上の「標準体重を超えている」方をさすのではないか・・・と思い始めました。

そしてもう一つ解った大事な事は、満足度が低いと思われる方は、BMI=22以上で、痩身指導を勧めても「どうしても食べる量は減らすことができない」「カロリー計算は面倒だからいや」「注射だけで痩せたい」と痩身指導を拒否された方に多いということです。メソセラピーで明らかにサイズは減っているのですが、そういう方は元々結構太っておられるので(BMI=22以上の方と言うのは見た目はかなり太って見えます)、5cm、7cmとサイズが大幅に減っても「スリム」と言うまでには至りません。太っていない方が5cmサイズダウンすると「おーっ」と言うくらい見た目が変わりますが、太っている方が5cm痩せても「焼け石に水」状態で、見た目はそれ程変わらないのです。メソセラピーで満足を得られるかどうかは、単なるサイズ変化ではなく、治療後のサイズが理想の体型に近づいているかどうかではないかと思いました。そこで治療後の周径を身長で割った値の順に並べてみると、やはりその値が小さいほど満足度が高いことが解り、確実にサイズダウンしているのに満足を得られない理由はこれではないかと思いだしました。

そして、モニター試験の時の方が満足度がずっと高かったように思ったので、モニターの方のデータとも比べてみました。モニター試験中と何が違うのか・・・? モニター試験中はあんなに効果があって、ほとんどの方が大喜びだったのに。しかし薬剤の効果が落ちているとは思えない。サイズダウンは確実にしているのに、どうして満足度が下がってしまったのだろう? データ表とにらめっこをしながらああでもない、こうでもない・・・と考えているうちに、あることに気がつきました。そうだ、モニター試験の時は「部分痩せ」の効果を見るためだから、と「体重=身長-110前後の方」に限定してお願いしたんだった! やはりこれが一番大きな違いではないか? と思いました。 実際にメソセラピーを希望される方は、結構太った方が多いのです。そういう方には「メソセラピーは部分痩せの注射なので、全体に痩せるのは無理です。体重はあまり落ちませんから、痩身指導を組み合わせた方がいいですよ」と説明するのですが、たいていの方が「食べる量は減らすことができない」「カロリー計算は面倒でできない」と言われます。そして「少しでもサイズが減ったら・・・ 」と言われるのですが、実際には結構サイズが減っても、見た目はそれ程変わらないので満足されないのだと思います。

そういう方はたいていモニター試験の結果を見て、それが全て自分にも当てはまると思ってこられますが、大きな違いは、モニターの方は痩身指導を併用した方以外は「体重=身長-110前後」、つまり「BMI=19前後」の「全体には太っていない」方がほとんどだったということです。モニター写真は部分的に脂肪がついている方のその部分だけを撮っているので、それを見て「全体に太っていても楽して痩せられる」と思われるのでしょう。「注射を3-4回すれば1-2ヶ月でサイズダウンします」というのは嘘ではありません。しかし元々太っている方はそれで理想の体型が手に入るわけではない、ということです。 今回の分析でもう一つ解った事は、薬剤が同じであればサイズの変化は薬の量と相関するということです。つまり、個人差はありますが、1回に注射する範囲と回数の合計にサイズ変化は相関するので、多くサイズダウンするためには回数が必要だということです。モニターの方が3-4回の注射で満足を得られたのは、元々がBMI=19前後の方だったからで、BM I=22 以上の方が満足を得るには3-4回では足りないのだということになります。その辺をもっと理解していただく必要があるな、と思いました。

そしてもう一つ大きな違いは、メソセラピー希望の太った方はモニター結果を見て「食事を減らさなくても注射だけで楽に痩せられる」と思ってこられるのですが、モニターの方はほとんどが「食事を大幅に減らす必要がない」方だったということです。太っている方というのは明らかに摂取カロリーが消費カロリーを大幅に上回っていて、その上回ったカロリーが脂肪となって蓄えられているわけです。ですからその脂肪を減らすには、摂取カロリーを減らす=食事を減らす必要があるのです。メソセラピーの薬剤は脂肪細胞の外に脂肪を出しやすくして脂肪細胞を小さくする薬なので、食事を減らさないままでいると、一時的に少し脂肪が減ってもカロリーが過剰なので、また脂肪が蓄えられて戻ってしまう事になります。これも満足度の低くなる理由ではないかと思いました。

一般的には「メソセラピーはリバウンドがない」と言われており、どこのサイトにもそう書いてありますが、それは元々太っていない方の「部分痩せ」に限っての事だと思います。厳密に言うと、太っていない方でも摂取カロリーと消費カロリーのバランスがそのままだと、長期間たつとまた脂肪がついてしまうとは思いますが、そういう方は少し食事に気をつけたり少し運動するということを簡単にできるので、リバウンドが少ないのだと思います。 それに対して太っている方というのは、食べることへの依存症となってしまっていて、食べることによって起こる体内の変化を脳が勝手に快感と感じてしまうような状態になっている方が多いので、簡単に食事を減らす事が難しいんですね。(だからこそ痩身指導を行う必要があるのですが・・・ 。)そのためメソセラピーで一時的に脂肪が減っても、リバウンドしやすいのだと思います。 (実際モニターの方でも、「少し食事に気をつける」「運動をする」など、体型の維持に気をつけておられる方はサイズは戻られていませんが、「食べ過ぎて太ってしまった」という方はサイズもだいぶ戻っておられます。そしてサイズが戻っておられる方はやはりBMIが少し高めの方でした。それでもよく効く薬剤を使った部分は戻りにくいようですが・・・ 。)

こうして考えると、メソセラピーの満足度を上げるには、BMI=22以上の方には必ず食事を減らしてもらう、つまり痩身指導を組み合わせる必要があると思うようになりました。しかし今の痩身指導はカロリー計算を必要とするので(だから確実に痩せられるのですが・・・ )嫌がる方が多いのです。そこで、もう少し簡単にできるメソセラピー用の痩身指導を考えようと思いました。 もちろん、摂取カロリーを減らす代わりに消費カロリーを増やしてもいいので、代謝を上げるために点滴をしたりサプリメントを摂ったり飲むプラセンタを併用したり、マッサージを一生懸命したり、食事を減らす事以外はすべてして、満足を得ておられる方もおられますが、通常は消費カロリーを増やすよりは摂取カロリーを減らす方が効率がいいので、痩身指導はやはり必要だと考えています。

太っているけどどうしても食事は減らせない、運動もできない・・・という方は、戻るのはあきらめて定期的にメソセラピーを受けられるのも一つの方法かもしれません。(ある意味、それも楽ですよね。一応サイズダウンはしますから・・・ 。)そして少しでも理想の体型に近づくには、メソセラピーの回数もかなり必要ですし、点滴やサプリメント・飲むプラセンタ・メソカプセルなどの併用も必要だということも理解していただかなくてはいけません。 しかし、それ程太っていなくて気になる部分だけ痩せたい方には、メソセラピーはいい方法だと思います。今回の分析結果から、さらに効果的な薬剤の組み合わせも開発できましたし、良く効く薬剤の副作用もほとんどなくなりました。針や注射器の工夫で内出血も減っています。春に向けてのボディメイクには良い時期ではないでしょうか? そしてちょっと太目の方には、簡単な痩身指導をできるだけ早くご用意しておきますね。最後に、モニターをしていただいた方でお引越しなどで連絡が取れなくなった方にこの場をお借りして・・・ 。これを読んでいただいたら、近況をご一報いただければとても嬉しいです! 宜しくお願い致します。