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第27回 (2005年06月)「部分痩せってできるんですか?」



こんにちは。

異人館通クリニックの柴田です。


最近は暑いくらいになってきましたね。

またあの暑い夏が到来するのかと思うと・・・。

「わあ、夏休み!」と夏を期待していたのはかなり遠い過去となってしまいました。私の場合は「暑い」という事と「紫外線対策」という二つの理由で夏になると外出の機会がぐっと少なくなってしまいます。(冬も「暑い」が「寒い」に変わり、外出の機会が少なくなる事は同じですけれど。) そんな私ですが、たまに学会とか展示会などで最新の情報を仕入れに行く機会があります。5月にはちょうど、東京でアンチエイジングや美容に関するコンベンションがありましたので行ってきました。



「そうそう、せっかく東京に行くのだから例のK氏(K氏が解らない方は過去のクリニック通信を参照して下さいね。)のお気に入りのレストランに行かねば・・・」と思い、(本当はそのレストランの方が重要で「何か東京に行く口実はないかな・・・」と探していたのではないかと思われた方は、この通信をかなり読み込まれている上級者と言えます。)早速K氏に連絡を入れたところ、残念なことにその日は海外出張とのこと。仕方がないので、お店の予約だけ入れてもらい、東京に住んでいる同級生Y君と、大学の後輩で東京の病院に勤めている女医Mを誘って、グルメ会とあいなりました。お店の方はK氏が東京で最も気に入っているらしいスペインのピンチョス料理のお店です。ピンチョスというのは小皿に少しづつ色々な種類の料理がでてくるスタイルで、日本でいうと酒のあてが何種類もでてくるようなものです。


六本木の駅から少し歩いたところにあるそのお店は、雰囲気もおしゃれでお料理もとってもGood。 メニューの題名と料理の見かけが違って、「えっ、これが?」というような驚かせる演出がおもしろい。「フォアグラとコンソメ」なんかカプチーノみたいだったし、ボタンえびのこぶじめなんか美味しかったなあ。 ピンチョスをつまみながら、だらだらとワインを飲んでいるとついつい時間が経つのも忘れてしまいそうです。 (隣に座った久しぶりに会う同級生を見ると時が経つという現実を思い知らされますが・・・ごめんなさい・・Y君・・勝手にネタに使ってしまいました・・(^_^;))



Y君のネタを使ったついでに、Mちゃんのことも少し。

最近は事情も違うのでしょうけど、私の頃の大学医学部の

女子学生と言うのは 「まじめが取り柄で勉強はできるけど容姿は不細工」

というのが定番でした。 (人の事は言えませんが・・・)

当然の事ながら恋愛経験の豊富な人などはまず存在しませんし、

まぁ、サークルでのグループ交際が関の山で、「男を手玉にとる悪女」

みたいな人はいるはずもありません。


・・・・ところが神様は何を考えたのか、少数生物を絶滅の危機から救うためなのか知りませんが、極、極、稀に例外が存在します。

実はそれが、Mちゃんなのです。



Mちゃんは「めちゃめちゃ、かわいい」というタイプではありません。

でも、男の扱いが上手いと言うのか何なのか、よく私ではわからない魅力があるようです。大抵は男の人の方がMちゃんに熱を上げてしまい、Mちゃんは知らん顔です。彼女に恋人がいない期間など私が知る限りありませんし、彼女曰く

「男にやさしくしちゃダメですよ。突き放すくらいがちょうどいいんですよ」

との事。 ある時に芸能人の不倫の話になると

「奥さんにちゃんと教育されたくらいの男がちょうどいいですよ。

だって自分で教育するのってしんどいじゃないですかぁ」

・・だそうです。ただただ、圧巻・・・です・・・(^_^;)

自分の彼氏のことを「子犬ちゃん」と呼んでいるところからして、私には真似のできない天性があります。 (ちょっとうらやましかったりして・・(^.^))



さすがに彼女はいつまでたっても若いままですし、話も面白い。 そんなこんなで、どんどん老けていくY君と悪女Mと私の奇妙な3人のグループ で話は盛り上がっていると、おもむろにソムリエ氏が 「この赤ワインはK氏からのプレゼントでございます」

と笑顔でサーブしてくれました。 まろやかで香り高い逸品。

「K氏もここに来られる時はよく注文される、お気に入りのワインでございます」とソムリエ氏は一段の笑顔・・・(^_^)・・


尽きぬ話と美味しい料理とすばらしい赤ワイン。

あぁ・・またまた、幸せに浸るひと時です。



・・・・おなか一杯美味しいものを食べてお店を出る時につくづく思った事が 「あぁ、美味しいものってダイエットの敵だ!」って事。 これがあんまり 美味しくなかったら腹八分目って事で済むのに・・・。

その日はセミナーや展示会で、アンチエイジングや健康・ダイエットの最新情報を仕入れたばかりだったので、ちょっと罪の意識になってしまいました。 そこで決意するのでした。 「明日だけは腹八分目にしとこう!」

(決意は見事に数日間しか持ちませんでしたが・・(~_~;))


私はよく患者様から「先生もダイエットしているのですか? クリニック通信にはいつもグルメの話が沢山あるのに、全然スリムですよね・・」って言われます。ちなみに、最後の「・・スリムですよね」はあくまでもその人の個人の主観であるのは事実ですが、私の耳にはっきりとその言葉が残りましたので、その方のアイデンティティを尊重するためにもそのまま掲載させていただきました。(その時は思わず、「え?! 何て言いました? もう一度おっしゃってください!!」としつこくリピートさせたから耳に残っているのかもしれませんが・・・)



「スリム」の話は別にして、私は一応標準体重以下に納まるような努力をやはり行っています。皆様もご存知の通り、相当な食いしん坊なので、スレンダーを目指すことは当然無理なのですが、「年よりも若く見える」程度の体型は維持したいですし、何より健康のことを考えると無意味に体重が増加することは将来、食事療法などを行わねばならない生活習慣病への近道であり、逆に食事の楽しみを奪われてしまうので、それは最悪の人生だと考えています。


通信の中で紹介するようにたまには「動けなくなるくらい食べる」事はあるのですが、もちろんそんなことを毎日している訳ではないですし、普段の食事は野菜を中心とした低カロリーのもので、栄養のバランスを大切にしています。もちろん、クリニックで取り入れているアルファリポ酸などのサプリメントもとっています。そのおかげか、クリニックをオープンする前に大きなダイエットをしてからは、その体重をずっと維持しております。だから患者様からよく「食べる楽しみを制限するくらいなら、太ってもかまわない」というようなお声を聞くこともあれば、「ダイエットはしたいけど食事の制限をしなければならないのが辛くて・・」という声を聞く時はつくづく「ダイエットって心の問題なんだなぁ」と思います。 そんな時に私は自分の体験談をお話するのですが、極端な食事制限をする必要もなければ、自分の欲望を我慢する必要もありません。単に必要以上には食べられなくなる・・というだけなのです。



ただし、一旦肥満への道に進んでしまった人はこの「必要以上には食べられない」という部分に障害が出ています。 食べることへの依存症となってしまっていて、食べることによって起こる体内の変化を脳が勝手に快感と感じてしまうような状態になっている人が多いのです。 極端な言い方をすれば、麻薬の常習とあまり変わりません。薬物乱用でもそうなのですが、一旦、脳が快感と感じるようになってしまうと自分の力で抜け出すのは非常に難しくなります。

本来は食事制限と運動指導で論理的にはダイエットは100%可能です。 ところが、脳が快感を覚えてしまっている状態・・食事依存症・・の場合はこの治療を先に行わねばダイエットは辛く苦しいものとなってしまいますので、なかなか続きません。 無理をしても又、リバウンドで元に戻ってしまいます。

そのような訳で、当クリニックでは脳の食欲中枢に働きかけ、一時的に食欲を制限し、依存症を抜け出す治療を先に行っているのです。 一旦依存症から抜け出せば、自然とその人の体質に合った体重をキープできます。なんで昔はそんなに食べたくて仕方がなかったのだろう・・って不思議に思うくらいです。



そんな訳で当クリニックでは健康面を考えてダイエット指導を行っているのですが、患者さんの中には健康そのものだけどダイエットを希望される人がいます。そのような方は殆どが「部分痩せ」を希望されるようです。

やはり女性の美しさへの執念は相当なもので、「太ももをもっと細くしたい」とか「二の腕の脂肪を取りたい」というような希望をおっしゃいます。 普通にダイエットを行えば、なかなかこのような部分からはお肉が取れずに バストなど取れては困る部分から痩せていき、希望の部分は殆ど変わらない・・って事になります。

通常であれば、このようなケースでは脂肪吸引が最も効果的な方法です。 脂肪吸引は気になる部分の脂肪を直接吸い取るので、これほど確実な事はありません。しかし、この方法は皆様が想像している以上に大きなリスクを伴った手術です。よほどの事がない限り、お勧めできませんし、当クリニックでも採用をする予定は今のところありません。



しかし最近はメソセラピーという手法が少しずつ広まってきているようです。これは気になる部分に脂肪の分解を促進する薬品を注射で注入する方法です。脂肪吸引のようにメスを使うこともなければ吸引中に誤って血管を切断するというようなリスクもありません。 ただ、薬物を体に入れるわけですから、それなりな副作用の問題と、体質によって「効く・効かない」が変わってきます。


ちょうど私もこの方法を色々と調べていたのですが、先の東京でのセミナーで実際にメソセラピーを受けた人達の話を聞く機会がありました。 医者の世界は学会発表などで最新情報を仕入れるのですが、殆どの場合は 治療を行った医者の話であって、患者さんから直接話を聞く訳ではありません。そういう意味では、「話は聞いた事のある治療方法だけど、実際の効果はわからない」という治療方法が沢山あります。 皆様も雑誌などで紹介された治療方法をかかりつけのお医者さんに「こんな治療方法があるみたいなんですが、ここで行っているのですか?」と聞かれた事はあると思います。



よほど一般的な治療方法でなければ、「う・・・ん。 そのような方法があると聞いた事はあるけれど・・」と頼りない返事をされる事が殆どなのは、治療の結果の報告はあるけれど、実際にその患者さんの様子を観察したり話をする機会がないので、確信を持つに至らないからです。まして、開業医をしていて来院される患者様に実証実験をするわけにもいかないという事情があります。 そんな訳で、今回メソセラピーを受けた複数の人から話を直接聞く機会が あったというのは非常に有益な事でした。

もう少し準備をして、当クリニックでもメソセラピーを取り入れていきたいと考えております。 興味のある方は一度、ご相談ください。


これから暑くなっていくと薄着になりますので、冬の間に蓄積した脂肪の 置き場所に困ってしまう季節ですね・・・(^_^.) ダイエットする際に意外も重要な事はこの「薄着」だと思います。 やっぱり他人に「見られている」という感覚を持つことは大切だと思いますね。 それとウエストがゴムの楽なパンツも厳禁です。 お気に入りのパンツが履けない・・・という悔しさを感じなければ人間は楽な「おばちゃん道」に転げてしまうようです。 皆さん美味しいものを食べに行く時は、ゴムパンではなくスリムパンツで行きましょう・・・(^○^)



そうそう、お店を出る時にMちゃんに聞きました。

柴田:「最近は子犬ちゃんとは上手くいってるの?」

M:  「子犬ちゃん? ああ、、どの子犬の事ですか?」

柴田:「どの・・・って・・私の知っている人以外にも一杯いるの?」

M:  「一度に一杯生まれるのが子犬でしょう。一匹しかいなかったら

兄弟もいなくて寂しそうですよ・・あはは!・・(^o^)丿」

柴田:「はぁ。。」


Mちゃんにすれば、男もピンチョスなんですねぇ。

ピンチョスってどうしても食べ過ぎちゃうのが難点だからね。

ダイエットの方だったら協力できるんだけど、、、こればっかりは

「部分痩せ」は無理だと思うよ・・食べ過ぎにご注意!・・(^_^;)


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