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第265回「男らしさとは何?」

こんにちは! 柴田エイジングケア・美容クリニックの柴田です。3月はホワイトデーでしたね。皆様はバレンタインのお返しをゲットできましたか? 私はと言えば…今年はチョコの代わりにナッツを贈ったせいか、ホワイトデーのお返しが減ってしまったんです!いつもなら食べきれないくらいお菓子が送られてくるのに…。やっぱりチョコでないと「お返ししないと」というモチベーションが上がらないんですかねぇ。みんなチョコレート業界に騙され過ぎやん! まぁ毎年この時期はお菓子が溢れて困っていたので、適度な量に落ち着いて良かったとも言えますが…。チョコの代わりにナッツを贈った事で健康志向が伝わって、お菓子のお返しは良くないと思うけど何を返したらいいか分からなかったのかな?…という事にしときましょう。(いや、お菓子でなくてもお返しはいくらでもできるはずだが…考えるのも大変だし、やっぱりホワイトデーのお返しはお菓子だとお菓子業界に洗脳されてる風潮ってありますよねぇ。)そんな中で、毎年ホワイトデーのお返しにはフラワーボックスを贈ってくれる東京のK氏は、今年も素敵なフレッシュフラワーボックスを贈ってくれました。K氏と言えば昔のクリニック通信(第21・22回など)によく登場していましたが、ワイン通で甘いものはダメなので今まではバレンタインビールを贈っていました。(完全に海老鯛状態ですが…。)今年は健康の事を考えてナッツにしたせいかフラワーボックスが小さくなった…と思いつつお礼の電話をしたら、大きいのがなくなったんだけど値段は去年と一緒なんだとか。フラワーボックスも値上がりしたんですね。失礼しました(^_^;)。最近の物価高は本当に驚いてしまいますよねぇ…。いつも何かの価格が上がっている気がしますが…(^_^;)。

話は変わりますが、3月と言えば最近は関西医歯薬という学生の卓球大会があります。中高経験者と大学から始めた子を分けた個人戦や混合ダブルスがあってそれほど卓球が強くなくても楽しめ、若い卒業生も参加できて他大学との混成チームも作れるなど、真剣勝負よりも交流を深める事に重きを置いているような大会です。これも時代の流れなんですかねぇ。大会の日程は何ヶ月も前から決まっていてよく知っている後輩も出るし、最初に坐骨神経痛が出た時は3ヶ月で治ったので数か月後には腰痛も良くなってるだろうと思い、応援に行って久しぶりにご飯に行こうと後輩たちと約束してたんですが…一向に腰痛が良くなりません。試合は和歌山の内陸の方であって神戸からは往復4時間かかるので、徒歩5分のコンビニしか行けない状態では行けそうにない…。そこで整形の後輩でこの通信にも登場しまくっている脊椎の手術が一番上手いH君に相談してみたんですが、頼りのH君はなんと渡米中。症状と今自分でしてる治療を伝えたら「あとは注射ですかねぇ。仙骨裂孔ブロックとか…」と言われました。仙骨裂孔ブロックというのは、尾骶骨の少し上にある「仙骨裂孔」から腰の神経の周りに局所麻酔薬を注入する治療です。仙骨裂孔ブロックはさすがに自分ではできないので「Oに1回診てもらいますか?」とこれまた神戸で一番手術が上手いと言われている、H君の1学年下のO君を紹介してくれました。


O君と言えば、最初に坐骨神経痛が出た時に相談した卓球部の後輩で整形の後輩でもあるS君も「K病院のOに一度相談されてはいかがですか? 彼は脊椎に関して診断手術ともに非常に的確で信頼感抜群です」と絶賛していた後輩です。「Oには話しておきますので、一度K病院に電話してみられたら?」とH君に言われて電話してみるとその日はO君は休みだったんですが、翌日O君の方から電話がありました。「お電話いただいてたのに申し訳なかったです」とH君並みの低姿勢。やっぱりできる人は腰が低いんですねぇ。大会の日程が迫っていたので急ぐと言うと、翌日に診察予約を入れてくれて、MRIの予約も入れてくれました。翌日MRIとレントゲンを撮ってから診察してもらうと、すべり症のある第4腰椎の不安定性が強く、椎間関節に水が溜まってるって言われてしまいました💦。どおりでなかなか良くならないはずです。O君にS君や卓球部の話もして、週末に学生の卓球大会があって後輩と約束したので応援に行きたいという話をするとO君は「先生、後輩想いですねぇ。僕はラグビー部でしたけど、全然行ってませんわ…」そら、ラグビーだと若いうちでないとなかなかでけへんよねぇ。そういう意味では卓球部で良かった。卓球って結構年いってもできますもんね。H君に仙骨裂孔ブロックを勧められたと言うと、O君は「今は神経症状より腰痛の方が強いので、透視(レントゲン)を見ながら椎間関節に直接局所麻酔を注入する椎間関節ブロックの方が効くと思いますよ」と。さすが診断も的確です。S君の目は節穴やなかったんや。(S君ごめん。信用してなかった訳ちゃうねんけど。)そうして椎間関節ブロックをしてもらう事になり、注入する時の透視を見せてもらうと注射の針は見事に1発で目的の関節に。これは上手い! さすが、S君が絶賛するはずです。(こういう注射も、1発で狙ったところに針が行かない人も結構いるんですよね。センスが要るので注射が上手い人は大抵手術も上手いんです。)お蔭で腰痛は随分楽になり、無事試合の応援に行く事ができました!



ところがせっかく応援に行けるようになったのに、試合後にご飯に行こうと言っていたメンバーのうち卒後1年目のU君が都合が悪くなって行けなくなり、4回生のK君が他の学生や卒後1・2年目のOBに声かけてくれたんですが急だったからかみんな都合がつかないとかで、あんなにご飯に行きたがってたK君も学生が一人で他はあまり知らないOBだと行きにくいようで、結局試合後のご飯に一緒に行くのは卒後4年目のW君とAちゃんだけになってしまいました。W君たちが学生の頃はまだコロナ前で、試合の度にみんなでご飯に行き、試合が終わったら祝勝会と称して飲み会を盛んに開いていたものですが…。(試合は飲み会の口実だったのかも??)「せっかく和歌山くんだりまで行くのに、最近の学生は乗り悪いなぁ…」とぼやいていると、友人Mが「かまやつひろしの『我が良き友よ』でも、『時の流れを恨むじゃないぞ』ってあるでしょ? 50年も前の歌でもそうなんだから時代の流れなんだよ」と。うぅ…悔しいけどそんな古い歌がかつて流行っていたのを知ってる自分が怖い。そう言えば会社勤めの人からも、最近の若い子は飲み会に行きたがらないとか、怒ると辞めるので怒れないとか、医者のコミュニティサイトでも最近は研修医が宇宙人のようで扱いに困るとかよく聞きます。エジプトのピラミッドにも「最近の若いもんは」という言葉が彫られてたらしいので、何千年も前から人は時代の流れを憂えていたんですね。



そんな事を思っているとまたⅯがポロリと「まぁ…そんな事言っても僕らも大学卒業する頃は『新人類』とか呼ばれていて、大人たちから見ると何考えてるか分からん理解できない時代の若者と揶揄されていたけどねぇ」…と。『新人類』かぁ。確かにそんな言葉あったな。それは割と覚えてるんだけど、『我が良き友よ』の方はどんな歌だったっけ?なんて思いながらネットで検索。なるほどこんな歌詞の歌だったようです。


「男らしさと人が言うおまえの顔が目に浮かぶ

力ずくだと言いながら 女郎屋通いを自慢する

ああ 夢よ 良き友よ 時の流れを恨むじゃないぞ

男らしいは やさしい事だと言ってくれ」


ひと昔前はバンカラというようなスタイルが流行って、男らしさは『強さ』の事だと粋がっていた若者もすっかり世の中が変わって、求められる良い男とは『やさしい人』に変わっていく中で、どうか友よ、時代は流れていき価値観は変わっていくんだという事を俺たちも認めようじゃないか…というような歌詞ですかね。且つてのフォークソングって歌詞が非常に良いものが多いですね。紙面の都合で全部の歌詞を記載できませんが、この『我が良き友よ』もかつての友達が訪ねてきて、酒を酌み交わしながら若かりし事の思い出話を夜が更けるまで語り合うシーンが目に浮かぶ非常に良い歌だなぁ…って改めて思います。これって吉田拓郎の作詞なのかぁ。昭和の古き良き時代を感じますね…(^_^)。



そう言えば時代が変わるという事に関連して、最近のベストセラー本に「静かな退職という働き方」というものがあるのをご存じですか? なかなか興味深い内容なんです。そもそも、「静かな退職」とは英語の「Quiet Quitting」の翻訳だそうで、仕事に対する熱意を失い、与えられた必要最低限の仕事のみをこなす働き方を指します。米国で2022年の夏頃に、投稿アプリTikTokで公開された動画をきっかけにこの言葉が広まったそうな。ま…簡単に言うとまさに今の若い世代(Z世代?)の価値観ですな。私達の頃はちょっと体調が悪いくらいで休みたいと言えば『根性無し!』のレッテルを張られたし、滅私奉公というのが当たり前に求められていました。また、そのような社会での経験時間が長くなるにつれ、私自身もそのような価値観を肯定するようになっていき、若いスタッフが仕事に対して一生懸命取り組まない時にはイライラが募っていました。そんな事もあって最近はスタッフを使うより一人で何でもやった方が気が楽だなぁ…と思っていたのですが、この本を読むとこれからさらに恐ろしい事が起きるみたいです。簡単に言うと「仕事よりプライベートの充実が一番大切」という考えや「昇進して少し給料が上がるだけだったら、昇進せず責任も残業もない平社員の方が良い」と考えている若者が30歳以下の世代では半数を超えたんだとか。



さらに、今やこれは先進国での主流の考え方であり、そうでない人が残っている日本がG7の国の中では異常であって、普通ではないんだそうです。なので間もなく日本でもほとんどの人が「仕事なんか適当にやって、個人の生活を充実させるのが一番大切! お金なんか生活に必要な最低限のものがあれば、それ以上欲しいと思うかどうかは個人の自由ね。え?残業? そんなのする訳ないでしょ! 残業なんて、上昇志向のガツガツしている人がやればいいいだけでしょ。え?接待? ばっかじゃないの? 今どきそんな事で喜ぶ人いるの? 会社の飲み会なんかもう死語でしょ!」って感じになるんだそうです。(ちなみにこの本は、そんな『静かな退職』時代にどう生きていけばよいのか、またその世代を使っていかねばならない管理職世代の人達はどう向き合っていけば良いのか…と指南する本になっています。)それって、ヤバくないですか? ただでさえ、日本は「失われた20年」とか言われて経済はどんどん悪くなっていってるという状況の中で、若者の価値観がそんな風に仕事に対して否定的になっていくと、さらに日本って落ち込んでいくんじゃないかなぁ…って少し心配になります。



この心配をⅯにぶつけてみると…意外にも彼の回答は私の心配と反対でした。「そんな心配してるの? それこそ、『男らしいは優しい事だと言ってくれ!』だな…(^_^)。世の中の価値観が変わるってのはそれなりの理由があるのよ。そして若者の価値観が変わるのは、実は世の中が実際に変化する前に、その前兆を察して変わっていくもの。だから、若者の価値観が変わるって事は世の中がその方向に変わっていくという事を示唆していると思うよ。男に求められる事が優しさに変わっていく時に、いつまでもバンカラ気取ってたらそれこそ使えない奴になるでしょ?『静かな退職』の価値観についていけなければ、それこそ日本は衰退するよ」…え?そうなの?「でも皆がもう働きたくないって言ってる訳でしょ。経済は衰退するよね?」するとMは「それがそうでもないのよ。『静かな退職』は労働の価値そのものを否定しているのではなく、『無駄な競争』『人生の貴重な時間を意味のない競争に費やす事』を否定しているだけよ。一般の人の競争が過熱すれば価格競争になって皆が無駄に心身をすり減らすでしょ。それを否定している訳。僕らが子供の頃世界の人口は40億人って社会で習わなかった? それが今は80億人もいるのよ。つまり、先進国以外の人口が60億人近くいる事になる。この人達は今は食べる為に一生懸命働くけど、衣食住がある程度整って来たらどうなる? 娯楽とかささやかな贅沢とかかつて先進国の人達が求めてきたものを望むようになるでしょ? そしてこの人達もいずれ『静かな退職』が一般的な世の中になるよね。そうなると、先に『静かな退職』をしていた先進国の人達がもつ価値観、そこから生まれる製品やサービスが輸出品として大量に消費される事になる。だから日本は輸出大国になるのよ。ただしその輸出品は昔のような単なる『物』じゃなくて『コンセプト』とか『ライフスタイル』『価値感』のような分かりにくいものになるけどね。今は『アニメ』とかで無形の商品が輸出されるようになったけどそれがもっと進化する事になるよ。逆にそうなってなければ、後から追いかけてくる人達と競争になってそれこそ無駄に心身をすり減らす事になる訳だしね」ふむ。そうなのか。…って事は、私はまだ『バンカラ』を引きずっている昭和の人間って事なのかな??…(^_^;)。いずれにせよ、私も若い頃は「今どきの若者は何考えてるか理解でけへん」と言われてきたのが、年をとって逆転して自分が「今どきの若者は…」と言っている事だけは確かなようですね。



ところで話は変わって注射してくれたO君ですが、H君がアンチエイジングに興味があると言ってうちのクリニックに来ていた話になると、「僕も興味あります!」と…。O君は整形の仲間うちでは結構有名なイケメンなので、「先生イケメンやから治すとこないでしょ?」と言うと、「シミが気になるんですよね~」との事。H君と同じで、手術が上手いと講演に引っ張りだこになるので、「講演の録画とか見ると結構目立つんで…」という事らしいです。一昔前なら、講演の時にシミやたるみを気にする先生なんて一人もいなかったと思いますが、これも時代の流れですよねぇ。今はシミ治療はやめてしまったけどO君のためなら一肌脱ぐか。ついでに目尻のシワも気になるよね。イケメンほど少し老けると気になるらしいので…(その証拠に、うちのクリニックの男性の患者様はほぼイケメンです。)


世の中年男性よ! 「男らしいは『美しい』事だと言ってくれ!」


イケメンのアンチエイジング治療に成功したら、また経過をご報告しますね。お楽しみに!


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