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第245回「人生100年時代の夢」

こんにちは! 柴田エイジングケア・美容クリニックの柴田です。暑い日が続きますねぇ。皆様はいかがお過ごしでしょうか? 7月は、当院が最初の異人館通クリニックから三宮の柴田美容皮膚科クリニックに移転してから15周年の月でした。ここまで来られたのもひとえに皆様のお蔭と感謝に堪えません。そしてもう1軒、7月が周年のお店がありました。この通信でも以前に紹介した、私がはまっているケーキ屋さん「C」も7月が1周年だったんです。そして「C」のシェフが1周年記念の7月1日に、なんとテレビに出演しました! 番組名は『LIFE~夢のカタチ~』。夢を追い、情熱を傾ける人に密着して人生の物語を紹介する番組です。なんと、2010年から放送されている正統派ドキュメンタリー番組なんですね。そう言えば少し前から「C」にケーキを買いに行く度にカメラを持った人たちが撮影に来てたんですよね~。雑誌の取材かな?と思ってたら、シェフがテレビに出ると聞いてビックリ! そして待ちに待った7月1日、待望の番組を見る事ができました。シェフのこだわりや、友人達と切磋琢磨しながら頑張って夢を叶えていく姿がよく分かって、すごくいい内容だったし共感できるシェフの名言もたくさん放映されていたので、ちょっと紹介しますね。



洋菓子の激戦区、神戸・三宮。去年7月一軒のケーキ屋さんがオープンしました。パティスリー「C」。店内には実力派のシェフが作る美しいケーキがずらり。どれも凄く美味しいと、多くのファンが絶賛しています。店内にはイートインスペースがあるのですが何と椅子がありません。ケーキ店では珍しい、スタンディングスタイルのカフェなのです。このカジュアルさが幅広い層に受けているんだとか。スタンディングスタイルにこだわったシェフの想いとは…「僕がお客さんとしてケーキ屋さんに入る時に緊張する事が多いので、スタンディングにすると気軽に入ってもらえるんじゃないかなと思って…」さすがシェフ。お客さん目線でいい感じですね。お客さんからも好評で、男性のお一人様という新たなファン層を獲得。確かに私がケーキを買いに行く時も、よく男性のお客さんを目にします。テレビに出てた超常連のおじさんは、シェフが毎日見る時もあるらしい。さすがに毎日だと糖尿病にならないかな?って心配になってしまいますが、私の父も甘いものが大好きったので、神戸に住んでたらこのおじさん見たいになってたかも。それでも太らず生活習慣病とは無縁だったので、他のものを食べ過ぎずに運動もしっかりしてたら、大丈夫なのかもしれませんが…。(私も「C」によく行くので、その分他の糖質は控えて最近は筋トレにも励んでいます!)



シェフのこだわりもいろいろ紹介されていました。シェフがフランス留学中に住んでいたリヨンにある丘をイメージした「フルヴィエール」というケーキは自家製プラリネを混ぜ込んだバタークリームと塩キャラメルのクリームが絶品! 自家製プラリネはアーモンドとヘーゼルナッツをキャラメリゼして作るのですが、シェフ曰く「これは自家製だと自分の焦し具合・甘さ・ナッツの香りを好きに調整できるので、手間なんですけど、買えば一瞬なんですけどやっぱりこの美味しさは代えられないので…」というこだわりの逸品です。ケーキの仕込みは手間と時間がかかり朝7時に作業を始めて終わるのは深夜12時近くになる事も珍しくないんだとか。シェフは「何かちょっと美味しいな、このケーキ…っていうのには、すごい小さなこだわりが重なって重なってやっとこのケーキ美味しいな、みたいなんにいくんじゃないかなと思って、やっぱり一つ一つの作業は大事じゃないかと…自己満足の部分もいっぱいあるかもしれないんですけど、ただそこをこだわってやらないと『美味しい』にたどり着けないのかなと思いますね」「いいケーキを作るのにはすごく時間がかかりますし、大変だなと思いますけど、それ以上に楽しいなと思う事が…お客様が美味しそうに食べられてたり、『美味しかったよ』って言ってもらった時に『やってて良かったな』と思いますね」と言ってましたが、シェフの言葉にはすごく共感しました! 当院のリジュランカクテルやボトックスも、薬の量や打つポイントなどをすごくこだわって計算するので時間と手間がかかります。自己満足の部分もあるかもしれないんですけど、そこをこだわってやらないと『綺麗』にたどり着けないのではないかと思うんですよね。そしてこだわって治療するのは大変ですが、患者様が綺麗になって喜んでくださると本当に「やってて良かったな」と思いますもんね。

また番組の中で、協業している珈琲店の店主があまりにも珈琲へのこだわりが強いので、シェフが「この人は珈琲の変態なんですよ」と揶揄うと、店主は「あなたこそケーキの変態でしょ!」と返していたのが面白かったです。こだわりを続けると変態に行きつくようです…(^_^)。




それ以外にも、色々と見どころのあるドキュメンタリーに仕上がっていたのですが、私が特に興味を持ったのは、シェフの専門学校時代からの学友でもあり現在はそれぞれが独立してお店を持っている良きライバルのお二人が出演していた事です。シェフは子供の頃から料理が大好きだったそうですが料理人ではなくパティシエへの道を選んだのは、「僕は人に喜んでもらう事が好きだったんですが、お菓子を食べてる時の方が人が幸せになってるイメージだったり華やかな世界に見えたので」という理由だそうです。シェフは製菓の専門学校を卒業後フランスで修業し、帰国後も神戸や東京の名店で研鑽を重ねましたが、現場を退き母校で講師を務めた時代もあったんだとか。そして去年7月、念願のお店をオープン。様々な葛藤の中、シェフの心を鼓舞し、その挑戦を後押ししたのは、専門学校の同級生OさんとEさんだそうです。シェフ曰く「2人がいたから今の自分があると思います」。そう言える友達がいるって素晴らしいですね! Oさんはフランスや東京の名店で腕を磨き、2019年から苦楽園でパティスリーRを経営されています。専門学校では同じクラスですぐに友達になったシェフとOさんとは共感しあえる仲間であり、競い合えるライバルでもあり、親友でもあるんだとか。学生時代から刺激を受けあってきた2人ですが、Oさんが2012年に日本最大規模のケーキコンクールで1位に輝いたのにシェフは衝撃を受けたそうです。そしてOさんに刺激を受けたシェフは、翌年クリームチーズをテーマにしたコンクールに挑戦し、見事優勝を果たしたのだとか。Oさんが2019年に、先に自分のお店を始めた事も、シェフの大きな刺激になったそうです。そしてもう一人シェフが意識する同級生Eさんは、岡本で人気のパティスリーPのオーナーで、数々の受賞経験を持つ実力派。シェフとEさんは、学生時代はクラスが違って交流はなかったそうですが、2013年にシェフがコンクールで優勝したのをきっかけにEさんが連絡を取って付き合いが始まり、その後Oさんと3人で切磋琢磨。2018年、最初に自分のお店を開いたのはEさんでした。Eさんがお店を開いた最初の大変な時期に、シェフは休みを使って手伝いに来てくれたので、この恩はいつか返さなあかんなぁとEさんは思っているそうです。シェフにとってもEさんはいろいろな事を相談できるありがたい存在だとか。また、シェフが1周年を記念して作る新作ケーキを2人に試食してもらう場面もありました。




…そんな風に番組では紹介されていたのですが、なぜこの部分に私が興味を持ったのかと言うと、「話を聞けば当たり前のような事だけど、実際には全然当たり前でない話」だと思ったからです。私は医者なので、私を含めてほとんどの医者は18~20歳くらいの時に大学受験をして医学部のある大学に入り、ほとんどの人は医学部を卒業して国家試験を受けて研修医となり、その後いろいろな経験をして医者として一人前になっていきます。「そんなん当たり前やん?」と思われるかもしれませんが、皆様の周りで18歳の時に自分の将来の道を決めて、その後何十年もその職業を変える事なくその道に邁進している人を何人知ってます? 「そう言われるとそんな人ってほとんどいないよねぇ…」って思いませんか? 私も医者の仲間同士で話をしている時はそれが当たり前なんですが、医者ではない友人や知り合い、そして患者様と話をしているとそんな人は正直一人もいない…と思うのです。ほとんどの方は「自分が大学生や専門学校生だった時に思っていた将来の姿なんか全然変わってしまって、その当時には想像もつかなかった仕事をしているし、将来の事なんか若い時には全然分からないもんだねぇ…」って言われます。



つまり、医者のように若い時に自分の将来を決めて、その後の人生でその決めた道を変えずに何十年も進んでいく方が世の中の少数派であって、大多数の人はその後の人生で迷ったり、自分に合った道を再度探したり、職業を変えるなどして今に至ると思うのです。そして今回シェフの番組を見た時に「あぁ…若い時に将来の夢を見てその道に入り、そのままその夢を変える事なく、ずっと追い求めている人達もまだいるんだなぁ…」と思ったのです。それが絶対良い事であると言いたいのではなく、寧ろ逆かもしれません。医者も人間なので、若い時は当然ながら未熟で何も知りません。そのような時に医者になろうと思ったのは、どちらかと言うと学校の成績が良かったから医学部進学を勧められたとか、知ってる医者を見てカッコいいと思ったとか、周りの大人に「医者になれば将来安泰だ!」と言われたとか…(まぁ…実際は全然そんな事ないんですけど…(^_^;)…今考えると周りの大人はよく分かってなかっただけですね…(^_^;))実際にはかなり表面的な理由で選択した人が多いんですよね。という事は当然の帰結として、医者になってから「自分は、本当は医者には向いてないんじゃないか」とか「医者を辞めて他の仕事に変わりたい」と思うような人が続出します。しかし、そうは思っても実際これまでの人生の金銭的、時間的投資を考えて医者を辞めるという決断はできなかったという仲間を何人も知っています。だから、若い時に将来の目標を決めて、それを一生守り抜く…というのは良い事のように思う反面、それが本当に幸せなのか?と聞かれると、簡単には同意できない複雑な気持ちになります。



今回番組に出ていたシェフやその仲間の皆さんの事も良い面にフォーカスして素晴らしい番組になっているなぁ…と思う反面、「今までも大変だったし、これからも大変だろうな…」と、しみじみ思った訳です。シェフもその仲間の皆さんもまだまだ若くエネルギッシュで、本当にこれからも活躍されると思いますし、そのような若い皆さんが神戸の街を活気ある姿にしてくれるのかと思うと期待が一杯です。その一方で、若い時に抱いた夢をずっと追い続ける事は、物語ではなく実際の人生にあってはどれほど大変な事かが分かるだけに、「何とか追い続けて欲しい」と思う反面、「本当に無理だと思ったり、別の事に興味が湧いてきたら、夢を変えて再チャレンジできる懐の深い社会環境であって欲しい」と願います。誰しも自分の人生は一回しかないので、悔いのない人生であって欲しいと思うんですよね。たとえ若い時に抱いた夢を諦めたり変えたりしても、その後にまた新しい事にチャレンジするのであれば、それはそれで充分に素敵な事だし、これから人生100年と言われる時代に入った今、どちらかというと「年をとっても何かの夢を追い続けられる」という事が大事であって、そのためには逆に一定の年齢になったり、人生の節目で「夢」は変化していくのが普通なんだろうな…と思います。若くてエネルギッシュなシェフの皆さんですが、あと10年もすれば若い後輩を育てて若い世代に夢を託し、自分はその時代や年代に合った形で夢が変わっても全然OKなんじゃないかな…。勿論、頑固一徹の親父が何十年も変わらず握り続ける寿司屋さん…っていうのも素敵ではあるんですが、時代が変わった今は若い人がそのような生き方に憧れを持てるのか?と言うと正直疑問な気がしています。だって人生って昔に比べて本当に長くなったんですよ。日本の国民的アニメ「サザエさん」の波平さんは54歳なんだとか…。今、皆さんの周りで54歳で波平さん見たいな人います??(まぁ…いると言えばいるかもしれないけど、ほとんどはそんな事ないですよね…もっと若々しいと思いません? 私の知ってる人は56歳になっても若い女性のナンパに定期的に出かけています…まぁ彼はさすがに例外でしょうけど…(^_^;)。)それもそのはず、サザエさんの原作が生まれたのは昭和21年だそうで、当時の日本人の平均寿命は男性50歳、女性53歳だったので、すでに波平さんは平均寿命を4歳も上回るお爺さんだった訳です。これだけ劇的に社会環境が変わったんだから、夢を追い求める姿も変わって当然だろうと思う訳です。




あと…皆様から「大体、いつも動機が不純なのよね…」と言われる事は十分承知しているのですが…ここだけの話、シェフって本当にイケメンなんですよねぇ…(^_^)。だから今回、テレビ番組を見ていても本当に映像として映えるんですよ…。そして、良きライバルと紹介されていたお二人も一人はイケメン、もう一人もイケメンとは言わないまでも(すいません(^_^;)それなりに雰囲気のある素敵な男性でした。「なんだかんだ言って見ているポイントそこなの??」と突っ込まれると思うけど、やっぱり見た目って大事なんですよ…本当に。だって、今回の番組が素晴らしい仕上がりになっていると思う事も、そこで紹介されたケーキなどが本当に美味しそうだと思うのも、半分はこのイケメン効果のせいじゃないの?って思うんですよねぇ。若い時に追い求めた夢とか職業を変える事はあっても、やっぱり見た目を美しくするって事は一生変わらずに追求した方が良いですね。まぁかなりこじつけ入っていますが、当院ではそのお手伝いを本気モードで行っていますので、見た目の美しさを維持されたい方は是非ご相談ください…(^_^)。



さてそんなCなんですが、シェフのイケメン効果もあってか、テレビ放送の後は大変な人気になってしまい、新作ケーキを買いに行った時も朝からずらりと行列ができていました。今まではケーキの取り置きをしてもらえていたのにそれも一時休止になってしまいましたし、製造が追いつかなくなったらしく仕込みの時間を取るために休日も増えたので、常連さんはふらっと立ち寄れなくなって、困ってるでしょうねぇ。テレビの影響ですごく混み合うのは1ヶ月ほどだってよく言いますから、それを乗り越えたら少し落ち着いて、以前にも増して人気の素敵なお店になると思うので、頑張ってくださいね。私も陰ながら応援しています! まぁ当院は最初の異人館通クリニックから始まり、美容やアンチエイジングを追求して20年以上になります。そんなに人気が出て予約が全く取れない…というような事にならないように(まぁ…そんな心配は全然なさそうですが…(^_^;))、常連患者様がせかされる事なく、ゆったりと診療を受けられるような「長いお付き合いをしていただけるクリニック」を目指しておりますので、皆様息の長いご支援をいただけますと幸いです。



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