こんにちは! 柴田エイジングケア・美容クリニックの柴田です。今年の冬は凄く寒い日があって、神戸にも雪が積もりましたね。春が待ち遠しい今日この頃ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。2月と言えばバレンタインですが、今年はどんなチョコをプレゼントされましたか? 私はと言えば…最近はまっているケーキ屋さんがあるので、そこのチョコを買いました! 私は元々酒飲みなので甘いものはそれ程好きではなく、和菓子なんかは苦手な方だったんですが…。それでも甘いもの好きの父が生きていた頃は、実家の近くに美味しいケーキ屋さんがあって、父がクリニックに来る度にたくさんケーキを買ってきてくれたので、その時はケーキを食べてたんですが、父が亡くなってからもう3年以上ほとんどケーキは食べていませんでした。ところが去年クリニックの近くに新しいケーキ屋さん「C」ができて、クリスマスにそんなに混んでもいなかったのでふらっと寄ってみたのがきっかけで、すっかりはまってしまいました。クリスマスイブの夕方だったのでケーキはほぼ売り切れていて、サンタさんが乗ったプリンと紙コップに入ったティラミスしか残ってなかったんですが、それを買ってみたら…今までに食べた事がないくらい、驚くほど美味しかったんです!

甘過ぎず、良い材料を使っているのが分かるし、素材の味が生きてるんですよね~。それから年末年始通って、ほぼ全種類のケーキを制覇しました。驚いた事にどれを食べても美味しく、ほぼ外れがありません。(美味しいお店って、基本的に何を注文しても美味しいですよね。それに美味しいお店では最初に出される付出しとかメインディッシュの添え物なんかも美味しくて、どれをとってもハズレがないと言うのが一流の飲食店だと思いますが、その観点から言ってもCは、メインのケーキが美味しいのは勿論ですが、ケーキの飾りに乗せてあるような焼き菓子までも美味しいんです…(^_^)。)
これはヴィタメールをはるかに超える美味しさです。昔御影にあって惜しまれながら閉店した「高杉」なき今、神戸では断トツではないか??と思う程で、味にうるさい友人Mも大絶賛。Mは昔カフェでバイトしてた時に好きでケーキもよく作っていたらしくケーキ作りにも詳しいんですが、例えばモンブランなんかは本物の栗をたっぷり使っているものは最近では少なく、生クリームと砂糖でごまかしてるのが多いけど、Cのモンブランは本物の栗をたっぷり使っているんだとか。「こりゃ…原価かかってるねぇ…原価率の高いケーキだ!」と味だけでなく、原価のかけ方も気に入った様子です…(^_^)。
何度か通っているうちにシェフとお話する機会もできたので、味にうるさい友人も「いい材料使ってる!」と絶賛している事を話すと、「分かってくれる人がいて嬉しい~❣(*´▽`*)」と喜んでくれました。そのシェフはすごくこだわりの職人さんで、研究しまくってるんですよね~。そして友人Mからのマニアックな質問にも生き生きして答えてくれます。研究好きの先生が学会で私のマニアックな質問に答えてくれる時みたいで、同じ研究者の香りがしました。例えばロールケーキのスポンジは砂糖をたくさん入れないとしっとりしないらしいんですが、「C」のスポンジはそんなに甘くないのにしっとりしてフワフワなのはなぜ?とか聞くと、生地にいったん火を入れてからメレンゲと合わせる事、特殊な泡だて器を使っている事など…。また、柚子と苺・クリームチーズが入ったドーム型のムースが綺麗に層になってるのはどうやって作るの?とか聞くと、型とムースの硬さに秘訣があって、柔らかすぎず硬すぎず、ゼラチンだけではなくてクリームチーズの固まる力も利用するのがコツなんだそうです。ピスタチオのムースにかかっているグラサージュ(艶出し用のゼラチン入りのソース)も、甘い方が艶が出るんだそうですが、甘過ぎず艶が出るものを研究しまくったんですって。シェフは何度も試していろいろ研究するのが楽しくてこの仕事をしているそうで、材料にもこだわっていてプラリネ(ローストしたナッツと砂糖を挽いてペースト状にしたもの)なんかも自家製なんだそうです。シェフがフランス留学中に住んでいたリヨンにある丘をイメージした「フルヴィエール」というケーキは、自家製プラリネと塩キャラメルのクリームが絶品なんです! そしてお菓子に対する愛情が半端なく、「どれがお勧めですか?」と聞くと「どの子も僕のかわいい子なんで…」と言う、お茶目で素敵なシェフです。
そんなシェフが作るチョコレートが美味しくない訳はありません。今年のバレンタインは一足先に「C」のチョコを買い込み、友人を集めて味見大会をしました。(ちょっと趣旨が違うような気もするが…。)対象のチョコは、アーモンドのチョコと苺のチョコとチョコクッキーがセットになった可愛い一箱と、生チョコとトリュフです。どれも美味しかったんですが、一番人気はトリュフでした。自家製プラリネ入りのサクサクした触感が珍しく、かかってるココアパウダーまで美味しいんです!「いつもココアパウダーなんか手汚れるだけやし要らんな~て思てたけど、ここのはココアパウダーまで美味しい!」と友人も絶賛。2番目に人気だった生チョコはエスプレッソの香りがして、底に薄い板チョコが敷いてあるんですが、それがまた美味しいんです! そして私は普段クッキーはあまり好きじゃないんですが、このチョコクッキーは別物でした。バターと塩味が効いてて、チョコとの相性が抜群! シェフに聞くと、他のクッキーと材料も作り方も全然違うんだそうです。「塩もまたいいの使ってはるんでしょ?」と聞くと、「そうなんですよ~(^^)」♪。トリュフは自家製プラリネ、生チョコはやっぱり底に敷いた薄い板チョコがミソらしく、アーモンドチョコのアーモンドは生かと思いましたがうす~くローストしているそうで、苺のチョコにはクレープを焼いた生地が入ってたり、そこここにシェフのこだわりや工夫がちりばめられていました。みんなが「バレンタインだけじゃなくて普段も置いて欲しい!」と言うのでシェフに伝えると、「そんなに好評だったんだったら、普段も置こうかな(^^)」と言ってくれたので、ちょっとしたお土産にも喜ばれそうだし、とっても楽しみです。

ところで皆様は、チョコレートの原材料はカカオであることはご存知ですよね? あまりにも有名なのでほとんどの方がご存知だと思います。そしてカカオの豆もしくはチョコレートは昔は薬として流通していたと言うのもこれまた有名な話。チョコレートの歴史はとても古く、その発祥は紀元前にさかのぼるとも言われています。現在のメキシコ近辺でカカオを食用とする文化が発達し、現地の先住民はカカオの粉末にバニラや唐辛子を合わせて飲んでいました。当時は疲労回復や滋養強壮に効果があるという事で、薬としても流通していたそうな。その後カカオが西洋に伝わると、香辛料に代わり砂糖や牛乳が加えられて現在のチョコレートのように発展したという事です。「かつては薬だった」と聞けば、普段は「甘いものを控えなきゃだめですよ…」と指導をしている私も、「まぁかつては薬だった事だし、少しのチョコは体にもいいのよ…」とついつい甘い評価をしてしまいます。(何でも他人には厳しくても自分には甘い…というのは人間の本能ですね…(^_^;)。)

ただ、なんでチョコレートがかつては薬として重宝されていたのか?と言うと、恐らくかつて砂糖は非常に貴重なエネルギー源だったので、砂糖が入っているものを食べるのは元気になる手っ取り早い方法だったと言うのが一つ。(あぁ…かつては誰もダイエットとか成人病なんか気にしない時代があったんですよねぇ…。)そして、2つ目にカカオに含まれるポリフェノール成分が体に良いものであったからだと思います。赤ワインも白ワインに比べてポリフェノールが多いので体にいいんだとかの話があるのですが、一体ポリフェノールって何なの?って思いませんか? 色々と難しい話はあっても、簡単に言えば植物が持つ非常に強力な抗酸化物質だと覚えておくと良いと思います。人間って太陽の光を浴びすぎると皮膚が老化するし、下手すると癌になってしまいますよね。だから現在では多くの皮膚科の医者や研究者が紫外線を浴びすぎないようにと指導すると思います。まぁ人間は植物と違って光合成はできない訳ですから、日光を浴びる事で多少のビタミンⅮを作る事ができるメリットよりも、老化や癌になるデメリットの方が大きいと考えられています。でもここでふとおかしな事に気づきませんか? そんなに老化を促進させて時によっては癌を発生させる太陽の光なんですが、植物は一日中浴びていても癌になったって話聞いた事ないですよね? 植物も動物も細胞が沢山結合してできている生物であり、細胞の中には核があってそこにDNAがあり、細胞分裂によって細胞は増えていき、生命のすべての情報はDNAに刻まれているという事は人間も植物も全く同じです。(カッコいい表現をすれば、これが「生物のセントラルドグマ(中心原理)」です。)しかし、人間や動物は癌になるのに、植物はあれだけ太陽の光を一日中浴びても癌にならない。それはなぜか? それは、植物は体内に癌にならないようにする為の抗酸化物質を持っているからだと言われています。

じゃ、なんで人間は持っていないの?と言われると、「持っている事は持っているが、ちょっとこれはややこしい話」になるので詳細は割愛します。でも、複雑な話をすっごく単純な話として言えば、人間の寿命が35歳くらいだったら自分の持っている抗酸化作用で十分だと言えます。何しろ現代は寿命が長くなったという事が問題のカギになります。そしてこの長くなった寿命によって、人間は幸せになった一面もあるのですが、老化との戦いという問題を抱えこんでいます。その老化との戦いこそが私のアンチエイジングクリニックの挑戦している課題なんです。人間の寿命がこれだけ長くなってしまえば、細胞の老化(酸化)を如何に止めるか…が健康を維持して美しく歳をとる事の最重要ポイントですし、その為には抗酸化作用という事に対する正しい知識は不可欠であると言えます。

少し余談になりますが、植物の細胞は動物と違って細胞壁に守られています。これがいわゆるセルロースという繊維質になるのですが、このセルロースは人間は消化できません。牛は草だけ食べて生きていけるのですが、それは牛の胃の中にはセルロースを分解できる微生物がいるためでして、残念ながら人間の腸内にはセルロースを分解できる微生物はいませんので、「食物繊維をとりましょう!」という話については、「お通じが良くなる効果」はあるのですが、栄養を補給するという効果はありません。そのため、植物が持っている抗酸化物質を人間が吸収しようとすると生のまま食べるのではなく、煮出してその汁を飲むという方が効果的です。(ビタミンCのように熱によって壊れてしまう抗酸化物質は生のまま食べるべきですが、それは主にフルーツから取ると良いと思います。あまりフルーツを煮込んで食べる人はいないと思いますし…(^_^)。)植物を煮出しすればセルロースが壊れて中にある抗酸化作用のある物質が煮汁に溶け出してきます。これを飲むのが効果的なんですね。昔の日本人は生野菜を食べるという事はほとんどなく、野菜は煮物にしていたようですが、これは理にかなっていますね。そう言えば私の知り合いの漢方薬の大家の方も「本来の漢方薬は煎じ薬なので煮出してその汁を飲まないといけないのに、日本では個別包装された顆粒剤が漢方薬として流通していて、それが漢方薬と思っている人が多いのがとても残念です。あれでは本来の漢方薬の効果がほとんど期待できないのです。それで漢方薬は効かないと言う人が多いのですが、漢方薬はそもそも煎じ薬なので家庭で煮出してその汁を飲んでいただけるようになれば、漢方薬の良さをもっと多くの人に知ってもらえるはずです。中国では皆さんそうして漢方薬を飲んでいます」と言っていました。これなんかも理にかなっていますよね。

皆様はチョコレートを食べる時とか、珈琲を飲む時でも「ポリフェノールは抗酸化作用がある」なんて事を考えたりしないかもしれませんが、これからは考えない…という事では駄目なんですねぇ。では、どうすれば抗酸化作用のある物質を定期的に体の中に取り込む事ができるようになるのでしょうか? 私がとっておきの方法を皆様だけに伝授しましょう! それは「美味しいものを食べる!!」です。はぁ…そんな事?って言われるかもしれませんが、継続するにはそれが一番ですよね。ただ残念な事に、現在の食品の大半は経済合理性を追求して工場でコストを下げるように生産されていますので、体にとって大事な栄養素や物質がどんどん少なくなって、コストが安く体に良くない原料がどんどん増えています。残念な事に本当に体に良いものは「値段が高い」事が多いです。でも、実際に口に入れると人間は本能でそれが自分の体に良いものかどうかが判断できると思います。やっぱり本当に良い食材を使って作られているものって「美味しさ」が違うんですよねぇ。そして人間の舌はその微妙な違いが分かるようにできているというのにも感心してしまいます。 え?自分にはそれは分からない…ですって? であれば是非、当院にご来院いただいた帰りに「C」に立ち寄ってみてください。そこで美味しいケーキと珈琲を味わっていただければ、理屈ではなくご納得いただけると思います。当院にお越しいただく楽しみが一つ増えると思いますので、是非これからもお越しくださいね!(最後が微妙な宣伝になってしまってすいません…m(_ _)m)
