こんにちは! 柴田エイジングケア・美容クリニックの柴田です。今年も終わりに近づいてきましたね。時の経つのは本当に早いですねぇ。皆様は今年はどんな1年でしたか? 私はと言えば…まずは楽天モバイルに振り回された1年でした。なんか1年を振り返って…という大きなお題目の割にしょぼい話なのですが…(^_^;)。…逆に言うと大きな問題は少なく、おしなべて平和であった…という事なのかもしれません。そう思えば「感謝」なんですが、やっぱり楽天モバイル問題はクリニック通信で暴露しないと気がすまないという事で、皆様しばしお付き合いを…。そもそもこの「楽天モバイル」って皆さん知ってますよね? NTT-Docomo、au、SoftBankという3社に寡占された携帯電話市場に新風を吹き込むという事で鳴り物入りの登場、派手な宣伝と1年間データ通信と通話が使い放題で無料!! という太っ腹な企画に、私もついつい乗せられてしまいました…。なんせ1年間無料ってすごくないですか? 当時はコロナの真っ最中で人との接触を最大8割減らせという「8割おじさん」がテレビに登場して、どこにも行かないで巣ごもり…というのがトレンドの真っ最中です。(そう言えば「8割おじさん」どこに行っちゃったのかな?)巣ごもりと言っても現代人にはネットがあるじゃないですか。そう言う私もほとんどの事はネットで完結するようになって、外出する機会もめっきり減っていました。そんな時に友人Mから「楽天モバイルめっちゃいいよ…1年間無料なんやで! しかも使い放題…」と勧められたのがきっかけです。(今思えば友人Mは色々と他にも言ってたような気もするが、私の記憶では「無料!お得!」というワードしか頭に残っていなかったようだ…(^_^;)。

その後の顛末の一部として、携帯の回線をソフトバンクから楽天モバイルに変えたら、iPhoneが使えなくなったりソフトバンクより高い請求が来てえらい目に遭った…というのはクリニック通信7月号に書きましたが、実はその続きがまだまだあるんです(^^;)。(タダで利用しておきながらここまで恨まれると、楽天モバイルも気の毒に思いますが…やっぱりタダより怖いものはないという事ですね…。)その後いろいろ苦労してやっと楽天モバイルでもiPhoneが使えるようになり、「楽天リンク」というアプリを入れて電話代とデータ通信料もほぼ無料にはなったのですが、また次々とトラブルが…。まず知り合いに電話して繋がらなかった時、いつもなら折り返しがあるのにかかってこないのでもう一度かけたら、「さっき非通知で電話があったんですが、先生ですか?」え? そんなはずは…でも時間を聞くと私がかけた時間です。「えーっ、非通知設定になんかしてないけど??」いつものごとくパソコンの保守を契約している会社の担当者T君に調べてもらうと、どうやら楽天モバイルはwifiをオンにしてると非通知になるらしい。うちはクリニックも自宅もwifiがあるのでいつもwifiをオンにしてたからのようなんですが、いちいち切るのも面倒だし、これって無料期間過ぎたらwifiで電話させずに電話代を使わせようって腹じゃないの??って思ってしまいました。流石にこれは日本の制度的な問題でIP電話の場合は仕方がないのよ…ってMの話なんですが、それならそれと、「WiFi環境で電話する時は相手には非通知でかかります」みたいなメッセージ出して欲しいですよねぇ。

その事件を皮切りに、その次は…なんと、電話がかかってきても鳴らないんです! ちょうど大学の卓球部の後輩が教授になったので、そのお祝いの件で何人かの後輩と電話で相談していた頃…ある後輩に電話したけど折り返しがないので再度かけると、「さっき折り返したんですが運転中でした?」いやいや、運転なんか十年以上してないし。でも1回も呼び出し音鳴ってないけど…。そういう事がしょっちゅう起こるようになり、相手に聞いてみると、かけた方には「只今電話に出られません」というメッセージが流れてプチっと切れるんだとか。しかも着信履歴も残らないので、留守電を入れてくれないといつ誰からかかって来たのかも分かりません。「何これ!かかれへんのやったら電話とちゃうやん?!」…例の友人Mに言うと「う…ん、まぁこれを機会に電話やめたらいんじゃない? そもそも電話って前近代的なコミュニケーションの最たるもんで、僕は廃止した方がいいと思うのよね。LineとかSkypeとかある時代に電話してくるってロクな奴違うしね…ネットが使えればOK…って考えればいいんだよ」と涼しい顔。そりゃあんたはそうかもしれないけど、こっちはまだ電話が必要なんですよ…はぁ…。それでも機械とか設備って故障する事もあるかもしれないな…と気を取り直して楽天モバイルに連絡を取ろうとしたら、今回は完全にアウトでした。契約の際いろいろ問題が起きた時に聞いたクレーム用の電話番号にかけてみたんですが、以前は人が電話に出て対応していたのに、音声メッセージとチャットやメールに変わっているではないか!! むかつく~!! 仕方ないのでメールで文句を書くと、散々待たされた挙句にアプリを再インストールしてみろとか、あれやれこれやれの指示が…。しかし何をやっても直りません。「何やっても直れへん!」と再度メールで文句を言うと、iPhoneで最近そういう事象が多く起きているという返事が来ました。それやったら最初からそう言ってよ! そして原因を調査中だが改修の時期は約束できないと…。「アンドロイドならいいのか?」と聞くと「アンドロイドだったら問題はないはずだ」との事だったので、仕方なくまた使いづらいアンドロイドに変更。しかもメールのやり取りなので、ここまでたどり着くのに何日もかかりました。

しかし次には、アンドロイドでも電話が鳴らなくなったんです! 今度はかろうじて着信履歴は残っていましたが、気付いた時には着信履歴の山で焦りました。たまたまセンター街に行った時楽天モバイルの直営店の前を通ったので文句を言うと、「ここは販売専門なので…」とクレーム対応を人がするという電話番号を教えてくれましたが、そこにかけても電話番号や生年月日など散々入力させられた挙句、ようやく「生身の人間」が電話口に出てきて「最近アンドロイドでもそういう事象が起きているが、いつ直るか分からない…」と、らちがあきません。何なんそれ? さすがにもうあかん、と回線会社を変える事にしました。やはり機械音痴の私には「手厚いサービス」が必要と勧められて、ドコモに決定。ドコモショップに行ったら、どのプランが合ってるかとか丁寧に教えてくれ、必要事項の入力などもほとんどしてくれました。驚いたのは、翌日やっぱり5分以内電話かけ放題のプランはやめようと思ってネットで変更しようとしたら、初月分の日割り計算がなくなるような事を書いてあったので確認のためにショップに電話すると、なんと昨日の担当者が受付の人と交代して電話口に出てきてくれて「それなら翌月末に変更するのが一番お得です」と理由も丁寧に教えてくれた事。もう楽天と全然違うやん!! そして電話のトラブルは一気に解決し、こんなに違うんだったら電話代なんか安いもんだと思ってしまいました。ちなみに一連の顛末をそもそも楽天モバイルを勧めた張本人Mに言ったところ、前回は「電話使うのやめたら?」と言っていたくせに「あ…そうだよね。楽天モバイルひどいね。僕はもうとっくにメインの電話はNTT-Docomoに乗り換えたよ」…とこれまた涼しい顔。え?なんで?

「僕も何度かトラブルがあったけど全くサポートセンターにはつながらないし解決しようがないので諦めたね。まぁタダってそんなもんだな…」じゃ、楽天モバイルは解約したの? と聞くと「うにゃ、敵もさる事ながら1年間の無料期間が過ぎても月間のデータ通信利用料金が1G以下だったらずっと無料っていうプランに変更してきたんで、予備機として持っておく事にした。普段はタダなんで気にならないし、いざ緊急事態って事になったら利用できるから便利で損はしないしね。タダにはタダなりの使い方をして、有料版は有料版の使い方があるから『どちらかを選ぶ』のではなくて『どっちもいいところだけを使う』ようにすればいいのよ…。大体現代人にとってスマホとか、なくては生活できないくらい重要でしょ。それなのになんでみんな1台しか持ってないのかなぁ。壊れたらどうするの? 一つの物になんでも要求するからおかしな事になるのよね。コスパの最も良い生活をしようとすれば『組み合わせ』が大切。100円均一のものと高級品では役割違うでしょ。両方必要なのよ。そして100円均一のものは壊れてもいいように予備を買い置きしておけばいいだけ。100円均一の商品の品質が悪いとか騒ぐ人は全くおかしな言いがかりだね」と、これまたクールに持論を展開していました。彼はずっと自分で会社を経営している人で、私が以前のクリニックをやっている時にスタッフの問題で頭を抱えて相談すると必ず言われたのが、「あのねぇ。一人のスタッフに過度な期待をしちゃ駄目よ。できる事が一つあれば十分。そして別の人がまたできる事が一つ…ってな感じでそれを組み合わせればある程度の仕事ができるって思わないと…。チームワークってつまるところ『組み合わせ』でしょ。成功してる会社ってこの『組み合わせ』が上手なのよ。とにかく期待している事が多すぎるよ…」と言われていたのを覚えています。今になれば「確かにそうだな…」と思うのですが、その当時は「どうしてこんなに上手くいかないのか分からない…」という事だらけでした。余談ですが、このMのコスパ追求精神はすごくて、「安くて庶民的で行列ができるような店では一番高いメニューを頼み、誰もが認める高級店では一番安いメニューを頼んでいれば、トータルして人生でコスパが最高になるのは間違いない」んだとか…。これも組み合わせ…ですね…(^_^)。

そんなこんなでしたが、愚痴ばかりではなく1年を振り返って少しお仕事の話も…。今年はアンチエイジングに力を入れて取り組んだ1年でもありました。中でも、アンチエイジングとダイエットを叶えるメトホルミン療法。モニター試験ではいろいろ苦労もしましたがそれを糧として、食事指導もカロリー制限から糖質制限に変えたりと進化させ、通院していただかなくてもいい遠隔地治療も開始しました。苦労した甲斐あって今では「こんなに痩せた事ないので満足です!」と喜んでいただいています。私は整形外科の出身なので、どちらかというと内科的な治療よりも注射や手術などの外科的な治療の方が好きだったんですが、アンチエイジングにはやはり内科的な治療は欠かせないので、ホルモン療法やメトホルミンなどのアンチエイジングに使える糖尿病薬などについてはかなり勉強しました。そうすると内科的な治療も結構面白くなってきたので、今後はその方面の研究にも力を入れて行こうと思っています。

ただ、メトホルミン療法をメニュー化する前に自分でも試してみたら痩せすぎて、なかなか戻らないのが悩みの種。血糖自動測定器を試してみたら食後血糖値が結構上がる事が分かったので、甘いものも食べる気がしなくなってヨーグルトや飲み物も無糖にしたし、食事は野菜と魚かお肉中心で炭水化物はマフィン半枚を週に1~2回、パスタを1週間か2週間に1回、食前には豆乳青汁…という生活をしていると、好きなものを食べてお酒も飲んでいても全く太りません。お酒の量は以前と比べるとだいぶ減りましたが…。(痩せたい方はぜひこの食生活を実践してみてください(^^)。)逆に筋肉をつけるのが結構難しい。筋トレしたりプロテインやBCAAを飲んだりしてみたのですが…。BCAAというのは先月号でも書きましたが、運動時の筋肉でのエネルギー源となる必須アミノ酸のバリン・ロイシン・イソロイシンの総称です。先日BCAAより必須アミノ酸全てを含むEAAの方が効率がいいと聞いて、早速EAAを取り寄せてみたんですが苦くてめちゃ飲みにくいので、飲んでみたいというジェンダーレスT君にあげる事にして、今度は飲みやすいEAA探しです。

皆様は内科とか外科とか言われても「なんとなく違うな…」という感じしかしない方も多いと思うのですが、医者の世界で言えば内科と外科は全く違う世界観で動いていると言ってもいいかもしれません。私は元々外科出身なので外科の考え方で育ってきました。しかし、アンチエイジングを上手くやっていく為には『内科的』な知識と考え方が確実に必要なんですね。どちらかと言うと『外科的』な方が分かりやすく、乱暴な言い方をすれば基本的に「折れたものつなぐ、切れてたものを縫う」みたいな感じです。一方で古典的な『内科』であれば原因を探ってそこを封じ込めるというような感じですが、アンチエイジングの『内科』ってそんな単純な話ではないんです。例えは難しいのですが、「乱れた調和をどう取り戻すか…」って感じですね。それぞれの内蔵にはそれぞれが持つ大きな機能があるのですが、それぞれの機能がお互いに依存しあって、関係しあっています。例えば心臓というのは人間の中で血液を全身に送り出す唯一の機能を持った臓器です。よって、心臓が止まれば血液が循環しなくなるので死に至ります。これはある意味『外科の世界観』ですね。しかし心臓は止まってはいないけど働きが弱くなっている…とか、心臓は動いているのに血流が悪くなっているとか、必要なところに必要な栄養素が届かない…って事はよくあります。逆に心臓以外の臓器の問題が心臓に影響を与えて心臓の持つポンプ機能が正しく発揮されない…っていうような事もあります。「心臓が止まる=死ぬ」というような事は誰でも理解できるのですが、「なんとなく息切れする」とか「最近動機が激しい」という事になると必ずしも心臓だけが問題である訳でもなく、体の中にあるすべてのものがお互いに複雑に絡み合って影響しあっているので「調和が乱れている」という表現が一番適切になってきます。例えば、私が若い頃は『盲腸』と言えば必要のない臓器の典型であり、盲腸炎になれば手術で切除ってのが本当に当たり前に行われていました。ところが最近の研究では、必要ないと思われていた盲腸は腸内細菌のバランスを維持する為に重要な役割を果たしているという事がわかり、安易に手術で切除するというような事はなくなりました。つまり、盲腸を切除しても死ぬという事はありませんが、「体調が優れない」という要因には十分になるという事です。残念ながら老化を早める要因としては非常に大きなものになる可能性があります。一方で盲腸を切除した人が皆さんすぐに老けるのかと言うとそれ程単純ではなく、人間には補完機能があるので盲腸がなくなれば別の臓器がその役割を担ってくれて、全然問題ない…という人も沢山います。この辺が人間の不思議なところであり難しいところですね。だからアンチエイジングは面白い…とも言えるのですが。

人間の体って知れば知る程社会の仕組みに似ているな…と思います。楽天モバイルがそうであったように「もうダメだ。使い物にならない…」と思っても「組み合わせる」事でその役割を十分に果たして全体に貢献するというような事があるのも良く似ています。心臓や脳など人間に唯一の器官は役割が明確で、誰もが大切だと思うスタープレーヤーです。しかし、先に述べたように唯一の器官であるが為にその器官が停止すれば完全に人間は死んでしまいます。一方で盲腸を切除しても人間は死にませんが、調和が取れなくなって体調不良に苦しむ事は多いにあり得ます。う…ん。楽天モバイルは盲腸だったのかな?? そう言えば、楽天モバイルがなくても他の電話会社のサービスで代替えされてるって事も盲腸に共通しているな…(^_^)。そしてもう一つの共通点は「成熟してくれば重要性が増してくる」という事でしょうか。世の中に携帯電話サービスがない時はNTTが一社独占で事業をした方が良かったんでしょうけど、社会が成熟してくると「色々な視点でサービスを提供する会社」がそれぞれの特徴を出して補いあう方が良くなります。人間の体もアンチエイジングという成熟を迎えた状態では、「色々な役割を持った臓器」がそれぞれ補いあい、バランスを取れる状態になるのが最も好ましいですしね。そんな事で楽天モバイルの文句をさんざん書き続けましたが、私は不満だったというのは事実ですが、社会全体としては必要なサービスであるだろうという事は認識しています。私自身も、社会が成熟し人間が成熟する上で必要なサービスを提供できるように、これからも努力を続けたいと思います。今後ともよろしくお願い致します…m(_ _)m。
