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第22回 (2005年01月)「酒とK氏の日々・・・The days of wine and Mr.K」



あけましておめでとうございます。

異人館通クリニックの柴田です。

旧年中は皆様には大変お世話になりました。

おかげさまでクリニックも3回目のお正月を迎えることができました。ここまでお支えいただきました皆様に心より感謝しております。今年も変わらぬご支援をいただけますようお願い申し上げます。



おそらく、このクリニック通信を何度か読んでいただいている皆様は今回のお話がおせち料理にまつわるグルメネタになるのでは・・と想像されていると思います。

はい。そうなんです。ご期待通りそのネタで考えていました。 ところが・・・

前回12月号のN製薬のKさんの話があまりにも反響があり、

続編を望む声が多く寄せられましたので、急遽企画変更で

今回はKさんのお話の続きをさせていただきたいと思います。


12月号ではKさんのお話が面白かったということで、久しぶりの皆様にも続々とご来院いただき、ありがたい限りです。

本当に偉大な影響力をもつKさんです・・・感謝…(^^♪

(12月号を読まれていない方はホームページにバックナンバーがありますので、是非ご一読ください。)



そんなこんなで、ミーティングという名の元に東京でK氏お勧めレストランに 出陣する事になりました。一回目は京都に本店のある、銀座のYと言うお店。 フレンチなんですがどことなく京都の懐石風で、昔で言うヌーベルキュイジーヌです。(昔で言うヌーベル、、ってのも変ですが)

京都本店から半分以上のスタッフが東京に来ているのですが、そこでもK氏は「やぁ、、皆さんお久しぶり!」と全員お知り合いの様子。なんでも京都に出張があったときはよく本店に立ち寄られるそうです。料理はお店の皆さんにお任せしますと言うと、K氏は早速ワインリストを食い入るように眺めます。もうこちらは慣れていますので、勝手にお店の人と本日の料理の話などに興じていますと、徐々にK氏が口をあけます。

K氏 「では、本日のシャンパーニュは・・・・」

私と事務長は顔を見合わせてにんまり。本日も、もちろんシャンパーニュはボトルで、お後は白、赤の合計3本チョイスです。

(3人で3本なので一人一本を飲むことになります。明日は仕事じゃなくてよかった、、、。) 例によってK氏とソムリエとの会話は私には理解不能なので今回は割愛します。



とっても美味しい料理と楽しい会話で矢のごとく時間が過ぎ、デザートがきます。色とりどりのフルーツに焼き菓子、そして、フロマージュ(チーズ)のチョイス。チーズのとろける口当たりがとっても美味。

おもわず、「なんか美味しいポートワインでもあるといいなぁ、、」

と口にした私。

それを耳にしたK氏はすかさず、辺りにいたボーイ君を呼んで

K氏 「こちらのレディになにか上質のポルトを一杯差し上げてください」

ボーイ君 「 ・・はぁ?」

K氏 「ポルトですよ」

ボーイ君 「・・・?」

気の毒に思った事務長が助け舟をだします。

事務長 「あの、、ポートワインのことですよ」

その後ボーイ君はひきっつった顔で「しょ、、少々お待ちください」といってそのままずるずると後退し、この客は自分が接するとトラブルになると思ったのか、チーフソムリエを連れて戻ってきました。

ボーイ君 「こ、、、こちらのお客様が、ポ、、ポ、、ポルトだそうです」


その日から私たちのK氏語彙集の中に、「ポルトを一杯」というのが加わった のは言うまでもありません。



二回目のお店はフレンチ界の重鎮M先生のお店。

この世界では知らない人はいない有名店です。四谷にある大きな一軒家を改装したお店はフロアーに行くまでの間に厨房を通らねばならず、

仕事場をさりげなく見せる演出がにくい!例によってここでもK氏は

「やぁ、こんばんわ!あらSさん、お久しぶり!」と顔のようです。


このお店でも例によってシャンパン・白・赤と3本構成。その上、本格派フレンチの代表らしく、フルコースでは食べきれないほど美味しいお皿が多数登場します。本日のK氏のチョイスしたシャンパーニュはジャクソン。

(これも事務長に言わせるとジャクソンのソの音は鼻にかけ、 ンはヌに近いンだそう。なんとかK氏に対抗しようとしているが、全然、及んでない。)

ソムリエさんの話によると、シャンパンのコルクに針金をかけてしっかり固定するようになったのはジャクソンが世界で始めてだとか。



続いて出てきた白ワインは私たちには驚愕の逸品でした。

その驚きをみたK氏はにんまり。

「本日はちょっと白にこだわってみたんです・・・ちょっと次の赤が負けちゃうかな」といたずらげな顔で笑っています。

白ワインだというのにソムリエ氏はデカンタに入れてくるのです。

(そう言えばK氏が「デキャンタージュをお願い・・・ 」と言っていたのは

お菓子の名前でなくてデカンタしてね・・という意味だったのかぁ、、)

白ワインとは思えないような芳醇な香りに、奥ゆかしい味、そして、時間が経つにつれてどんどん味わいが変化していくのです。

・・・私の中で再び白ワインブームの到来を予感させる何かがあります。

(単に影響されやすいだけなんですが)

もちろんラベルは頂いて帰りましたが非常に貴重なもので、ここで公開してしまっては私が買占めできなくなるので、名前は伏せておきましょう・・・(^^♪



そんなこんなで食べきれないほどの美食三昧と最高のワインで今宵も過ぎていくのでた・・・・。

 ああ、幸せ。 K氏に感謝。

あれ、ミーティングの議題は何だっけ?

現在、クリニックでワイン会を開催して講師にK氏に来ていただけるように交渉中です。この夢の企画が実現した際には是非皆様もご参加くださいね。(まだ、K氏は全然その気になってくれていないので、粘り強く交渉します。)


ところで・・・お正月早々食いしん坊の話ばかりで皆様には何のお役にも立てていないですね。クリニック通信なんで最後にひとつだけ患者様からの質問をご紹介。

患者様 「先生、クリニック通信に赤ワインが健康にいいって書いていますけど、私お酒は全くだめなんです。飲めるように練習した方がいいでしょうか?」



あらら、、。 ちょっと誤解があるようですね。赤ワインに含まれているポリフェノールは確かに体にいい成分ですが、赤ワインにしかないわけではないのです。一般にポリフェノールといっても種類は相当沢山あり、植物にはなんらかのポリフェノールが含まれていると言っても過言ではありません。葉っぱに多くあるフラボノイドやお茶などに含まれるカテキン、大豆に多いイソフラボンなどはよく知られたポリフェノールの仲間です。

だから野菜をしっかり食べれば、赤ワインを飲まなくても十分にポリフェノールは吸収できると思っていただいて結構です。 むしろ、ワインのアルコールはお世辞にも体によいとは言えず、どちらかといえばやっぱり毒になるほうですね。

ただ、私のようにどうせ飲む・・(*^_^*)・・人にとっては赤ワインがいい、、、というのは間違いないところです。世の中にはこの「どうせ、、絶対に飲む」という人が沢山いますよね。そんな人には赤ワインはいいですよ、、、と

いうのが正しい解釈なのであしからず。


さて、今年も寝正月はお節料理と赤ワイン(ちょっと白ワインも再来)でゆったりまったりすごしましょう。

今年も皆様にとってよいお年になりますよう! 乾杯!


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