こんにちは! 柴田エイジングケア・美容クリニックの柴田です。関西では緊急事態宣言も解除され、新型コロナの感染者数も減ってきているようですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか? 私はと言えば…先日、ネットの医療ニュースを見ていて「医療維新」というコーナーのインタビューに、高校時代の先輩が載ってるのを見つけました。「え?長尾さんやん?? なんでこんなニュースに載ってるん??」彼は私の1学年上で、同じバレー部の先輩です。(私は大学時代は卓球部でしたが、中学・高校時代はバレー部だったんです。中学時代はセンタープレーヤーでクイックを得意としていました(^^)。はるか昔の話ですが…。)先輩が一浪で私が高校3年の時、一緒に東京の医大を受験に行ったのを覚えています。試験後に、二人で京王プラザのカフェで答え合わせをしたら1問だけ答えが違っていて、配点は1点か2点だったはずなんですが、先輩は特待生で合格して私は落ちたんです(^^;)。「1点や2点で間に何百人もの合格者がいる訳ないやん!その間は絶対裏口入学や!」という話で盛り上がった時代でした。その後先輩はそのまま東京の大学に行き、私は京都府立医大に進みました。大学時代に1回だけ東京で会った気がしますが、先輩は早くにお父さんを亡くされていたので、苦学生だった記憶があります。卒後先輩が大阪に戻って阪大の内科に入局し、その後尼崎で開業されたと同級生に聞いて、一度連絡したいなぁと思いつつこちらもバタバタしていてなかなか連絡が取れませんでした。開業された頃にホームページを見た事もあるんですが、その頃は普通の内科という感じだったと思います。ところが久しぶりに先輩のクリニックのホームページを見てみると、めちゃくちゃパワーアップしてたんです! ドクターは10人以上、スタッフも100人くらいいる大きな病院になっていて、予防医療から在宅医療や往診もしてるし、その上年中無休で診療し、365日24時間活動してるんやって!? す、凄い!

その上オフィシャルサイトを見ると本もいっぱい書かれてるし、今度はその本が「痛くない死に方」という映画になり、本人を追ったドキュメンタリー映画「けったいな町医者」というのまで放映されているらしい! GoogleやYahoo!に「長尾」と入れただけで「長尾和宏」って出てくるし、「日本の男性医師・作家である」ってWikipediaにまで出てるやん! いつの間にこんな有名になったん?? (全く知らなかった私が世間知らずとも言えるが…。)でもなんか、知ってる人が活躍して有名になってると嬉しいですよね。(決して自分が有名になってる訳ではないのだが…。)ドキュメンタリーの予告編を見てみると、昔と同じ大阪弁丸出しの懐かしい先輩が登場! これは見に行かなと思っていたところに、クリニックの近くの国際会館の映画館に、上映後の舞台挨拶に先輩が来られるという事が分かって「こら行かなあかん!!」と思い立ち、慌てて花束を作ってもらって駆けつけました。ドキュメンタリーでは、365日24時間いつでも患者さんのところに駆けつける熱心な先輩の活動や、大阪弁で患者さんと友達みたいに対話する温かみのある診察風景、患者さんを集めてのクリスマス会や先輩だけが歌う「一人紅白歌合戦」などの催し、看取りの瞬間まで放映され、今では少なくなってしまったと思われる「病気ではなく人を診る」という医師本来の姿が映し出されていました。「臓器や検査データだけ見て大量の薬出すのは医療と違う、人とその人の生活見て改善のアドバイスするんが町医者の仕事や」という先輩の言葉にも同感しましたし、こんなに一生懸命医者をやってる人って最近少ないんじゃないかと思いました。

翌日、先輩の本が原作の映画「痛くない死に方」も観に行きました。自宅で平穏に最期を迎えたいという希望の患者さんの病状を診誤り、しかも往診に駆けつけずに電話で指示だけして苦しみの最期を迎えさせてしまった「痛い在宅医」だった主人公が、先輩がモデルの医師のクリニックで修業し直し「臓器ではなく人の物語を診る」事を学んで、患者さんと心の繋がりを築ける在宅医になる…という映画です。なかなかじ~んと来させる映画でした。終末医療についても考えさせられる映画ですが、「在宅医にとって一番大切な事は何なんでしょうか」と聞く主人公に先輩が「人間を好きになれ」と言う場面があり、在宅医だけでなくすべての医師に必要な事ではないかと思いました。
ただ、この映画を見ていてちょっと不思議に思う事があったんです。それは「なんで人は年を取ると体のあちこちにガタがきて、病院に入り浸りの生活になってしまうんだろう?」って事です。「そんなん当たり前やん! それが老化っちゅうやつや!」と一蹴されそうな気がしますが…じゃぁ、たまにテレビとかで紹介される、80歳になっても元気バリバリで農作業をやってるお爺ちゃんとかはどうなってんの? 何が違うんだろう?…って思いませんか? 矛盾した言い方なんですが「良い医者」がいる世界より、「医者が要らない」世界の方がずっと素敵なんですよね。今日は少し真面目に、人間は年を取るとなぜ病院に入り浸りになってしまうのか…という事について考えてみたいと思います。

私が小さい頃も病院に行くとお年寄りが多いのは普通でしたが、今みたいに高齢者の医療費で医療保険行政がパンクするというような危機感はなかったと思います。これは、言葉に語弊がありますが「病院に入り浸りの生活が続く前に亡くなる人が多かったので、大きな問題にならなかった」という事だと思います。ところが現代は医療技術が進み、簡単に死ぬ事がなくなりました。特に感染症に対する薬の開発が寿命を大きく伸ばした事に異論がある人はいないと思います。現代人の死因のトップはずっと「癌」で一番恐れられている病気ですが、昔は癌になる前に寿命が来ていたので、癌は恐れられるものではなかったのです。(1940年代までは癌より結核で亡くなる人の方が何倍も多かったんです。しかしその後抗生物質によって結核での死亡者が急激に減ったのは皆様もご存知だと思います。)…って事は早い話「昔だったら早く死んでいたのに医療技術の進歩でなかなか死ななくなったので、長生きにはなったものの、老化が進む自分の体と長い時間付き合って行かなければならない時代になった」って事になりますね。実は長寿社会を手放しで喜べない風潮があるのは、この「体が老化してあちこちにガタが来るのに、そんな状態に何十年も向き合わないといけない…。下手すると、寝たきりで人に迷惑をかける状態が何年も続くかもしれない」という事実があるからだと思います。ここで先に言ってしまいますが、今日のクリニック通信は必ず最後まで読んでください。皆様に決して損はしない情報をお届けしたいと思います。このクリニック通信は、私が開業した翌年の2003年4月から、毎月一回も欠かさず書いていますので、今回で217回目になります。パチパチ!! 我ながら凄い!…と自画自賛したいところですが、まぁ…内容は日常生活のあれこれを散漫に書き綴っている事が多く、正直言って読んで得する情報があったのは、過去数回だったかも…(^_^;) 。しかし今回お届けする情報にはかなり自信を持っていますので、絶対最後までお読みくださいね。(その代わり少し難しい話になるかもしれませんが、あしからず…m(__)m)

話は戻って、老化の話ですね。簡単に言えば老化しなければ寿命が長くなった分丸儲けなわけです。分かってます…そんなうまい話はないって事ですね。勿論そんな単純な話ではないんですが、誰もが老化って当たり前と思っていますが、実は生物学的に「なぜ老化するのか」という事に明確な答えを出せた人は未だにいません。遺伝子を後世に残す為の新陳代謝では、老化は必ずしも必要ではなく「一定の年齢を過ぎれば突然死」で十分なのです(いわゆるピンコロってやつですね)。生物は何億年もかけて進化してきたので、遺伝子を後世に残すために最適化を重ねたはずなのですが、そうであれば「老化というプロセス」は必要なく、成長して子供を残し、一定の期間が過ぎれば寿命が来る…で十分なのです。当たり前と思っていた老化ですが「一体何のために老化が必要なのか?」と言われると答えに困るでしょ? 実は老化やアンチエイジングを研究している世界中の研究者も、同じ疑問を持つようになってきました。そんな中で、先月号のクリニック通信で推薦した書籍「LIFESPAN(ライフスパン):老いなき世界」の著者であり、世界的な加齢研究の権威であるシンクレア博士に至っては「老化は年を取ると起こる自然な現象ではなく、病気なのだ!」と断言しています。この発言だけを取り出せば「よくあるトンデモ学説」と捉えられてしまうかもしれませんので、興味のある方はこの著書を読まれる事をお勧めします。ただ非常に分厚い本で学術的内容も多く、正直に言いますと誰もが簡単に読める本とは思えません。そこで私なりに、もの凄く単純化して博士の出している結論を紹介しますと、「老化とは、細胞が新しく生まれ変わる代謝がなんらかの原因によって非常に遅くなる現象である。なので、その原因を取り除いて細胞がきちんと生まれ変わるようにすれば、老化は防ぐ事ができる」という事です。な~んだ。そりゃそうだよね…って感じでしょ?(繰り返しますが、もの凄く単純化した話ですからね…。本書では研究によって多くのエビデンスを出して、詳細の説明をきちんとしています。)

「分かったから、じゃぁどうしたら細胞が生まれ変わるようになるのよ?」って話ですよね。本質的には何らかの原因で傷ついた遺伝子が修復されるような事を行えばいいのですが、正直言ってこれはまだ研究途中であるので、人に対して特効薬みたいなものがある訳ではありません。あくまで研究室の中で培養細胞とかマウスの実験で成果が認められつつある…という段階です。なぁんだ…と思った貴方! もうちょっとお待ちください。ここからが、本日の私がお届けしたい本題なんです。遺伝子修復は「根本的な解決方法」なのですが、もっと手前の段階で十分に若返る事ができる方法もいくつかあります。例えば、「食事の量を十分に減らす」事です。これは最近話題になっているので、知っている方も多いと思いますが、体に栄養素が一時的に欠乏すると「オートファジー」という、細胞の中で古くなった細胞を分解して再利用する現象が起こる(外から細胞を作る為の材料であるアミノ酸が供給されなくなるので、自分自身の細胞を分解して利用するというとってもエコな仕組みで、今で言うリサイクルです。ちなみにこのオートファジーの仕組みの解明に貢献したという事で、2016年に日本人の大隅先生がノーベル賞を受賞されたのは記憶に新しいと思います)ので、1日3食を食べずに2食にして1日16時間程度食べない時間を作る事で、意図的にオートファジーを活性化してダイエットと若返りの一挙両得を実施しましょう…というアンチエイジング方法も話題になってますね。(ただしオートファジーは、一時的に飢餓状態になった場合に生物が体を守る仕組みと思われ、長期間飢餓状態を続けると弊害の方が多くなるとも言われていますのでご注意ください。)

そして私が近年自分自身で試してみて大きな効果があったのは、「メトホルミン」という薬の服用です。今日はこのお話をしたくて、ここまで引っ張ってしまいました。「メトホルミン」っていうのは、本来糖尿病の治療薬です。遺伝的な原因以外で糖尿病になった方であれば、ほぼ100%この「メトホルミン」を処方された事があると思います。それくらいこの業界?では有名な薬で、「頭痛にバファリン」「コーヒーにはクリープ」と言うくらい「糖尿病にはメトホルミン」なんです。でも「一体なんで糖尿病の薬が若返りに関係あるの?」と言われると思います。実はこの「メトホルミン」がアンチエイジングに非常に良くて副作用もないというのは医者の間では良く知られている話でして、私の周りでも服用している医者は多くいます。インターネットで「メトホルミン アンチエイジング」などのキーワードで検索すると、そのような医者のブログなどが山のように出てきますし、勿論前述のシンクレア博士も服用していると著書の中で書いています。しかしこの薬は残念ながら薬局で買えるものではなく、一般の病院では糖尿病と診断されなければ処方はしてくれません。一般的にアンチエイジング目的では手に入らないので、ネットで出てくる記事の多くは、医者が自分で服用した結果を紹介しているものが多いのです。実は私もこの数ヶ月間服用し、友人の何人かにもボランティアで服用してもらいました。まず驚いたのが、全員数キロ体重が減少した事です。筋肉ではなく脂肪が落ちたので皆さん大喜び。私も少し体重が落ちすぎてしまい、もう少し食べなきゃ…と思ったくらいです。そして体調が良くなり、皮膚なども艷やかになって、表情が明らかに若返っています。20年程前にプラセンタに出会った時はアンチエイジング効果に驚いてそれからずっと使っていますが、これほど効果を目に見える形で実感したのはプラセンタ以来だと思います。プラセンタも元々は肝硬変の薬だったので、アンチエイジング目的で使うのは当時は限られた医者か医者の知り合いだったんですが、口コミが口コミを呼び、今では自費治療であれば多くのクリニックで投与されているのはご存知の通りです。一昔前は「そんな肝硬変みたいな大病の為の薬を普通の人が打っていいの?」と随分怖がられたもんですが、実際に投与してみると副作用はほぼゼロで、効果は目に見えて高いので、口コミだけでどんどん広まっていきました。私自身が使ってみた感じで言うと、この「メトホルミン」は当時のプラセンタを上回るものではないかと思います。

メトホルミンは腸管からの糖吸収と肝臓における糖新生を抑制し、筋肉など末梢組織での糖利用を促進する事で、血糖降下作用を示します。また肝臓で酵素を活性化させる事で、エネルギーを作り出すATPを増加させて脂肪の燃焼も促進します。細胞内で細胞の癌化・老化を促進する酵素の活性を阻害する作用もあるため、癌の発生率を抑え、老化も抑制するという研究報告も示されています。米国立老化研究所では、メトホルミンを投与したマウスはそうでないマウスに比べて、摂取カロリーとコレステロール値・腎臓病や癌の発症が減って、寿命が5%延びたと報告されました。英国では、国立カーディフ大学の18万人以上にも及ぶ大規模研究で、メトホルミンで治療した糖尿病患者の生存率は、年齢や性別・生活習慣・治療状況などの基準が適合する糖尿病でない人の生存率よりも高かった事と、メトホルミンは糖尿病発症リスクの高い予備群にも効果があるという結果も示されました。米国でも、アルバートアインシュタイン医科大学の研究チームが15万人以上の糖尿病患者と糖尿病でない人を対象とした大規模研究で、メトホルミンによる治療を受けている糖尿病患者は糖尿病でない人よりも長生きする事が示され、メトホルミンを投与された70歳代の糖尿病患者は糖尿病でない人に比べ死亡率が15%減少したと報告されています。その研究チームは2016年に「メトホルミンによる加齢抑制」(TAME)研究を米国の15ヵ所の医療機関で開始しました。70~80歳の高齢者3,000人を対象に、メトホルミンを服用する群と服用しない群に分けて5~7年追跡調査し、寿命や心臓疾患・癌・認知症などの発症にどれだけ差が出るかを調べるというものです。メトホルミンを服用していた糖尿病患者は体重増加がなく、癌に罹患する例が少ないという研究結果も多く発表されており、同剤の癌や心血管疾患・認知症の抑制効果も注目されています。そして何より重要なのは、メトホルミンは60年以上の使用実績があり、目立った副作用がほとんど報告されていない事です。私の経験ではこのように60年以上に渡り既に何百万人にも投与された実績がある薬でこれだけ副作用報告が少ないものは、他に例がなのではないかと思うくらいですし、多くの医師がその副作用の少なさは認めています。健常者にアンチエイジング目的で投与してもプラセンタレベルで安全であろうと判断する所以です。

まぁ私も医者の端くれですし、昔の教育を受けてきたので「薬を使って痩せる」などという話は本能的に拒否反応があります。しかし「メトホルミン」を服用し始めてからの痩せ方は「非常に健康的な体重の減少」であり、明らかに脂肪が落ちて健康的な体になったと実感できるものです。私の友人達も同じで、非常に喜んでいます。しかもメトホルミンは安価なんです。そんな訳で、アンチエイジングを推進する私としましては、「メトホルミン」をもう少し多くの人に服用していただいて経過を診たいと思い、モニター募集を行う事と致しました。きちんと血液検査を行って経緯を診ますのでご安心ください。そして血液検査代の実費以外は、「メトホルミン」を含めすべて無料とさせていただきます。ご興味のある方は最新情報に詳細を掲載していますので、そちらをご参照くださいね。私もアンチエイジング界の「良き在宅医」となれる事、そして最終的には世の中が「その医者すら要らない」という世界になる事を切に願っています。
