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第206回「コロナのその後は…」

こんにちは! 柴田エイジングケア・美容クリニックの柴田です。世界中がコロナウィルスで大変な事になり、日本でも緊急事態宣言が全国に広がってしまいましたね。三宮も人がまばらになり、毎週クリニックに飾るお花を買っていたお花屋さんもとうとう休業してしまいました。レストランも軒並み閉まってしまい、テイクアウトやデリバリーを始めたところも多いようです。医療がこんなに進んだ近年において、感染症がここまで広まるとは誰も思っていなかったでしょうね。この1ヶ月で世間を最も騒がせたニュースは、コロナウィルスで志村けんが亡くなった事ではないでしょうか。志村けんが新型肺炎で入院したというニュースが流れたのは3月中旬、世間ではまだ今ほどコロナウィルスに危機感がなかった頃でした。私は職業柄、絶対感染してはいけないと思ったので3月初めから出歩くのをやめましたが、ほとんど出歩かないという人はその頃はまだ少なかったと思います。しかし入院して1週間で志村けんが亡くなったというニュースで、日本中が震撼。日本中の人を楽しませてきた有名コメディアンがあっという間に亡くなってしまったという事実は、悲しみと共にコロナウィルスに対する警戒心を倍増させ、非常事態宣言を受け入れる土壌作りになった言えるのではないでしょうか。



志村けんと言えば、昭和時代の人で知らない人はいませんよね。ドリフターズ時代の「8時だよ! 全員集合」は、1971年から15年間も続いた人気お笑い番組。毎週土曜日の8時から、みんなで楽しみにしていたのを懐かしく思い出します。ドリフターズ解散後は「アイーン」や「変なおじさん」、「バカ殿様」や「ひとみ婆さん」などで独自のコントを築き上げた事は有名です。その頃は私は超忙しい勤務医時代でテレビを見る暇がなく、実際には志村コントをあまり楽しめなかったのが心残りですが…。追悼記事なんかを見てると、志村けんはとても努力家で、しかもいい人だったみたいですね。視聴者だけでなく、共演者にも愛されるキャラだったとか。家族で楽しんで欲しいからと言って、舞台のチケットの値段も安くしていたと聞きます。いい人ほど早く亡くなってしまうもんなんでしょうか…。さらにドラマの初出演や映画の主演も決まっていたと聞くと、本当に残念です。合掌。



まぁ、皆さんもコロナウイルス関連のニュースはもう嫌と言うほど見ていると思いますし、専門家の方々の意見を聞く機会も多いと思いますので、あまり暗くなる話ばかりでは気持ちも落ち込んでしまうので、あえてここではちょっと能天気なお話をさせていただきますね。私はと言えば緊急事態宣言で外食もままならなくなり、おうちご飯が定着してしまった昨今。コンビニの次に助かったのはふるさと納税の返礼品です。食いしん坊な私はもちろん返礼品には食材を選びましたが、この時期になってそれらが次々と送られてきたのです。殻を剥いてくれた毛ガニや小分けにしたイクラの醤油漬け、各部位が少しずつ詰め合わされた馬刺しなど、結構気の利いた美味しいものがいっぱいあって、コンビニ中心の食生活に彩を添えてくれました。それに反してレストランのデリバリーはいけてないところが多いように思います。行きつけだったイタリアンのお店なんかはパスタソースとパスタのデリバリーを始めて作り方を動画にアップしたりしてるんですが、お店のやり方そのままなので、家でそんな手間な事できる訳ないやんねぇ…って感じ。大きなお鍋にお湯を沸かすところから初めて、塩は何%だから何g入れて…麺を茹でながらレトルトパウチに入ったソースを温めて…うんぬん。ありゃ…もう面倒臭くてとても家でやりたいとは思いません。(正確に言えば、レストランで食べるのと同じ料金払うのに、こんな面倒な事させるのっておかしくない?…って感じです。え? せこい考えですかね? でも、もしこの料金だったらネットでいい食材買って、自分で調理した方がずっと満足度高いんじゃないかな…って思うんです。)



頑張って動画を撮ったシェフには申し訳ないんですが、お店での売上がなくなってしまった分をデリバリーで補填しようと思われてるんだと思います(勿論、そうしたい気持ちは滅茶苦茶分かります)が、お店に行って食べる時の気持ちとお家でデリバリーを頼む気持ちって明らかに消費者側からすると違うんですよね。最近のコンビニ弁当や食材がなんで人気かというと、たゆまぬ努力と消費者目線に立った研究開発の成果で、手間をかけずに美味しく食べられるように作られてるからだと思うんです。冷めても美味しいお弁当や洗わずに食べられるサラダ、電子レンジでチンするだけでレストランにも負けない味のハンバーグやチキンのトマト煮などのお惣菜がその代表作ですよね。デリバリーされてきたものをお家で食べる時にやたらと手間がかかっては面倒臭いし、レストランで出されている調理法のままデリバリーだけされても、到着した頃には冷めてしまって美味しくない…。その点、ピザのデリバリーなんか歴史が長いだけあって「冷めても美味しい」工夫がきちんとされてるし、コンビニで売られている食材なんか、ちょっとした手間だけで一番美味しくなるように最初から「設計」されていますよね。これでは残念ながら普通のレストランが急場しのぎでデリバリーを始めても勝負にならないように思います。レストランも今お店を開けられないから仕方なく間に合わせでデリバリーをするのではなく、今後を見据えておうちで簡単にレストランの味が再現できるよう「設計」からし直さないといけないんですよね。ただ、分かってますよ…他人事なので言うのは簡単だけど、実現させるのは棘の道だって事は…。これは自分への戒めでもあります。



最初は暖かくなれば風邪と同じように収束するだろう…と楽観視されていたコロナウィルスですが、もう全くそんなレベルではなく、明らかに現代人の生活スタイルを変えるような大きな影響を与えてしまいましたね。語弊があるかもしれませんが、今まで大きな災害が発生する度にいろいろなインフラや経済構造などが見直されてきましたが、災害の場合は影響が被災地という一部の地域に偏っていました。ところが今回はもう本当に世界規模で一気に影響が来ている訳で、第二次世界大戦以来の世界的災いと言ってもいいと思います。ただ、戦争と違って生産設備が破壊された訳でもないですし、人と人とがいがみ合っている訳でもありません。どちらかと言うと人類の共通の敵と戦うべく世界中が団結している感さえあります。



そんな中で一番感じる事は、「リモートワーク」や「巣ごもり消費」と言われるような生活スタイルの変化はこのコロナが収束した後にも完全に戻る事はないのではないか…という事です。(旦那が家にいる時間が長くなりすぎて離婚に発展するという「コロナ離婚」みたいな別の社会問題も発生していますが、それはおいておくとして…。)一旦リモートワークでいろいろな仕事が進むと分かってしまうと、働く人は「あれ? 満員電車で通勤する必要って本当にあったんだろうか?」と思うでしょうし、企業も「駅前の一等地の高層ビルで超高い家賃払ってオフィスを借りる意味ってあったんだろうか?」と思うところも多くなると思います。何より、これは私の個人的感想だと言われるかもしれませんが、「優秀な人」ほどリモートワークで力を発揮しているようですし、彼らの思考が元に戻る事がないように思えるのです。つまり、このコロナが収束して会社から以前のように出勤を指示された場合に、その会社に留まらずにリモートワークで働く事ができる会社に転職するという動きが加速する気がします。そうなると今度は企業は競争にさらされる訳ですから、優秀な人材確保のためにリモートワーク市場において人材獲得競争をしていく事になり、リモートワークを提供できない企業は競争から落ちていくのではないかと思います。勿論、世の中にはリモートワークではやっていけない業種は沢山ありますので、それらの業種は今まで通りに出勤が必要ですが、よく考えてみると相当多くの仕事が実は出勤なんて必要なかったんじゃないか?と世界的に気づかせたのがこのコロナの与えた最も大きな影響のように思うんです。



友人から聞いた話によると、コロナ騒動の発祥の地であった中国は、逆に世界で一番早く危機を脱する可能性があると言われているそうです。(第二、第三の波があるので、安心できる訳ではありませんが…。)中国ではもう学校なども始まってきているようですが、驚く事に多くの都市では小中学校の授業が、今回のコロナをきっかけに全てオンライン授業になったそうです。(勿論、地域によって格差はあるようですが。)こんなに短期間でオンライン授業のインフラや教材を一気に作り上げて、生徒が利用するスマホアプリも作ってしまった上に、先生達の意識改革もやってしまうなんて…いやもう、驚きじゃないですか? 日本で行われているオンライン化の議論が恥ずかしいレベルのように思います。賛否両論ありますが、武漢では10日の突貫工事でコロナ専用の病院を作ったり、中国は一度中央政府が決めてしまうと実行のスピード感って半端ないですよね。



それに反して日本のニュースを見ると、「ハンコを押すために出社しなければならない状況を改善すべき…」といった議論に対して「ハンコは日本の文化だ」と主張する人がいたり、もう志村けんさんもビックリな、コントのような展開です。上記の友人の話はまだ続いていて、「この前、コロナ関連の助成金を申請するためにオンライン申請を使おうとしたんだけど、そのオンライン申請の登録のために会社の印鑑証明を取りに行かないといけなかったんだよね。それは絶対に法務局に行かないといけないという事だったので仕方なく行ったら、そこはもう三密の巣窟みたないな状態で…酷いもんだったのよ。印鑑証明取りに行ってコロナに罹ったら、コロナ関連の助成金って倍もらえるのかなぁ…^^;)。大体、印鑑証明みたいな紙を発行するから偽装とか詐欺が起こるんであって、証明そのものを電子化すれば全部一気に解決するのになぁ…」と嘆いていました。そりゃそうなんですよね…ホントに。



ただ、これを機にこれから世の中は変わっていくんでしょうね。企業でもテレワークやテレビ会議が主流になっていくと思います。当院でも、今からでもいろいろと世の中の変化に対応できるような研究をしつつ、試行錯誤しながらそれらを実行していきたいと思っています。そこでまず、オンライン診療と出張治療を開始する事にしました。ただレストランと一緒で、お客さんがお店に来なくなったのでその売上を補いたいというような、こちらの都合であったり間に合わせではいけないと思うんです。そもそもよく考えると当院の治療は、メニューにはよるのですが、オンライン診療で遠隔地であっても可能なものや、ダウンタイムとそのケアの問題を考えると本来自宅で行った方が良い治療もあります。例えば目の周りの注射はどうしても内出血しやすいので、特に帰り道の事なども気にされる方の場合、前回内出血したところは避ける事があります。そうすると一番打つべきところに注射を打てない事があり、若干効果が落ちてしまう事もあるので、そういう場合は自宅で行った方が良い結果を出せる事になります。また術後に腫れを伴う注射を行う場合、「術後外に出たくないので、ホテルにこもれるようにホテルと提携して欲しい」と言われた事もありますが、自宅で行えばそういう心配もありません。勿論設備の関係でクリニックでしか行えないものもありますので、それは自宅ではできません。そのように今までは「治療はクリニックで行うべきもの」という概念にとらわれていたのですが、よく考えると必ずしもそうではないな…と思えるようになってきました。今後を見据えて、まだ試行錯誤の段階ではありますが、自宅で快適に最高の治療を受けられるような治療方法を研究開発していこうと思っていますので、今後とも宜しくお願い致します。




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