こんにちは! 柴田エイジングケア・美容クリニックの柴田です。世の中はコロナウイルスの件で大騒ぎですが、皆様は大丈夫でしょうか? 私はと言えば…さすがに自分が感染してはシャレにならないので、3月初めに神戸で感染が出てからはほとんどどこへも行かず自宅とクリニックの往復で、たまにコンビニに行くくらいの研修医時代さながらの生活になってしまいました。その上、マスクだけでなく消毒用アルコールも欠品状態になり、周囲のコンビニやスーパーからはハンドソープだけでなくティッシュやトイレットペーパーまで姿を消してしまって大変な事に。ティッシュやトイレットペーパーは在庫があるので買いだめはしないでくださいとあれだけ言われているのに、みんな不安になって買いだめしてしまうんですねぇ…。大阪に住む姉に電話してみると、そちらではまだなくなってなくて予備があると言うので送ってもらおうとしたところ、気の利くお掃除君(10年前から週1回来てもらっていたハウスキーパーさん)が朝からスーパーに並んで買って来てくれて一安心。持つべきものは優秀なお掃除君です…感謝。

しかし食いしん坊の私にとって、飲みに行ったりグルメができないというのは超つらいんですよねぇ。こういう時こそ本を読んだり勉強したりするいい機会なんですが、最近は学会の時のように勉強にもグルメが原動力になっているもので…。もう皆様いろんな情報を得られているとは思いますが、新型コロナウィルスは咳やくしゃみなどによる飛沫感染(ひまつかんせん)と接触感染の2種類の感染経路があると言われています。飛沫は会話で1m、咳で3m、くしゃみで5m飛ぶと言われており、日本環境感染学会が出した新型コロナウィルス対応ガイドでは、感染者の2m以内で数分以上過ごすと濃厚接触とみなされるとの事。また、食品から感染する可能性は低いが一般にウィルスは熱に弱いため、加熱するとさらにリスクを減らす事ができるとか。むむ…。私の好きなお鮨やお刺身はリスクが低くないという事ではないか…。しかも私の好きな店は狭いカウンターのお店が多いので、大将やシェフが万が一不顕性感染(症状が出ていない感染)やったら一発アウトやん! ショック大きい~。当分行かれへんがな。(大将疑ってごめんなさい…。でも知らないうちに感染して、発症せずに治るって事もありますからね。)当院は幸いにして一度に複数の患者様が来られる事はなく、スタッフが出勤した時に手洗いやうがいなど外部からウイルスを持ち込まない対策を行うのは勿論の事、患者様が帰られた時にもベットやテーブル、その他の備品を毎回アルコール消毒するなど衛生管理の徹底に努めております。自分にとっても1日の大半を過ごす空間ですから、衛生管理は神経質なくらい徹底しておりますので、ご来院いただく皆様はご安心いただければと存じます。お鮨屋さんもこのくらい徹底してくれれば安心して行けるんですけどね。まぁ飲食店では流石に無理だと思うので、予防のためにも行くのを少し控えるしかないですね…。

そんな訳で、私にとって大部分を占める楽しみを奪われてしまったので、気分転換にお花でも買おう…と、いつもクリニックのテーブルに飾るブーケを頼んでいるお花屋さんに行ってみました。すると暗いコロナの話題とは裏腹に、季節は春! お花屋さんにはピンクのガーベラやチューリップ、バラやスイートピーといった春のお花があふれているではありませんか! 嬉しくなっていつもよりちょっと多めの春のお花でブーケを作ってもらいました。「ねぇ、春のお花はかわいいでしょう~?」そこのお花屋さんの店長さんは男性なんですが、うちにバイトに来てたジェンダーレスT君に似た話し方で、素敵な春らしいブーケを器用に作ってくれます。ちょっとルンルン気分になってブーケを持ち帰り、クリニックのテーブルに飾って写真を友人Mに送ってみました。「外食もできないし楽しくないので、春のお花を飾ってみました。これって良くない?」ってコメントしたら、「まぁそこまで神経質にならなくてもいいとは思うけどねぇ。ほんとどの人は感染って言っても知らない間に治るんだし。まぁ行かないのに越した事はないけど、それで心の状態が不安定になるくらいだったら気分転換に外食した方がいいんじゃない?(どんだけ食いしん坊なんや…て感じだけど)」って返されてしまいました。

しかしそのうちに引きこもり生活にも慣れてきて、引きこもりの中でも楽しみが見つけられるようになってきました。これって強制的に生活のスタイルを変えられるからこそ発生する「世の中の変化」に対する発見なんですよね。まずは最近のコンビニの進化に驚きです。コンビニ弁当と言えば、20年ほど前吹田の病院に勤めていた頃、周りのお店は早く閉まってしまうので、忙しくて帰りが遅くなった時はいつもコンビニ弁当でした。当時麻酔科にいた研修医に「先生もコンビニ弁当ですか!?」と嬉しそうに言われたのを覚えています。その頃のコンビニ弁当と言えばまずいと相場が決まってたんですが、最近のコンビニの優秀な事。お弁当が美味しいだけではなく、サラダやお惣菜などもすごく充実しています。中にはデパ地下やレストランのより美味しいんちゃうん?っていうものまであるし、野菜も売ってるしお酒もあるし、24時間開いてるので超便利。コンビニ通いをしていろいろ食べ比べているうちに、どこの何が美味しいかが分かってきました。(こんな時まで食べ物の話ばかりで恐縮ですが…。)

コンビニの次はお取り寄せの食材です。今回はまったのはドレッシング。コンビニで売ってるカット野菜も、美味しいドレッシングがあればもっと美味しく食べられるのでは…とネットで美味しいドレッシングを探してみると、あるんですねぇ、こだわりのドレッシングが…。「淡路島島村兄弟の黒酢玉ねぎドレッシング」とか「洋食屋生まれの生ドレ:フォㇿのドレッシング」とか「オクトパスキッチンの手作り葱ドレッシング」とか、美味しそうなドレッシングが出てくる出てくる…。早速いろいろ取り寄せて食べ比べてみると、正直言ってその辺のレストランを遥かに超えています。そして日本の何がすごいかと言うと、野菜を洗わずにそのまま袋から出して食べられる事。コンビニやスーパーに行くとそのまま洗わずに食べられるサラダが袋詰されているじゃないですか。私の友人でしょっちゅう海外に行く人がいるんですが、その人も「あんなの海外じゃ見た事ないよね。大体ヨーロッパの国なんて野菜は土がついているのを買ってきて、家で洗って下ごしらえするところから始めないといけないから、家事が大変なのよ。日本と違って残業がなくて定時に帰れるって言ったって、家事に時間かかるから同じなんだよね…」って言ってました。確かにその点は日本は便利ですよね。コンビニで袋詰のサラダを買ってきて今回取り寄せたグルメドレッシングをかけるだけで、レストランのサラダに変身!! 今度クリニックに来ていただいたら、超お勧めのコンビニグルメとドレッシングをご紹介いたしますね! あとは以前のクリニック通信でも紹介したウーバーイーツ。加工前の食材なんかは勿論今まで通りネットで注文したら翌日には届けてくれるし、なんか世の中ニートが多いと問題になる中、こんなにニート生活を充実させるサービスがあったら駄目じゃないですか…。こりゃ快適すぎる。そりゃニートが増える訳です。

そして、今回のコロナウイルス騒動で患者様から予約のキャンセルが増えたので、普段はバタバタするだけで1日が終わってしまうような生活が続いていたんですが、少し時間的なゆとりができました。それを利用して今までできなかった事を色々やってみる事に。部屋の片付け(断捨離?)をしたりFacebookで友人の近況を見たり、冒頭に書いたように部屋に飾った花の写真を撮って友人に送ったり…なんてもう何年もした事がなかったように思います。2年ほど前に色々な人から勧められてインスタグラムのアカウントを取ったんですが、実際に自分が写真を投稿したのは教えてもらった時だけで、その後放置していました。でも今回時間ができた事で、インスタグラムではないけど友人に部屋に飾った花の写真を送るという「気持ち」が湧いてきて実際にそれを「実行」したら、あぁ…みんながインスタ使って友人に「この一瞬をシェアしたい」ってこういう事なのかぁ…と初めて実感しました。(遅すぎ? 分かってます…昭和世代なので…^^;)なるほどねぇ…。ニートってどちらかと言うとあまりいい意味ではない使い方してるけど、実は彼らってあまりガツガツお金を追わずに、日常の小さな変化や気付きを気の合う友人とシェアして喜びを共感しているとすれば(勿論多くのインスタのファンの皆さんはニートじゃないんだけど…気の合う友人とシェアするという感覚は同じですよね)なんかかえって幸せを追求するのが上手な人達なのかな?って思ったりもします。

この話を先の友人Mに話したところ、「そうなのよ。うちの娘なんか、一応フリーランスで独立して仕事してるからニートじゃないんだけど、完全なオタク…普通に引きこもりだね。一人暮らししてるんだけど、机のパソコンにはモニターが3台つながってて、1台はツイッターとかインスタの投稿がダラダラ流れてくる専用モニター。もう一台はYoutubeとか動画を見たり、自分がビデオチャットする時に使うモニター。そして最後の1台は仕事したり趣味の絵を書いたりするモニターで、1日のほとんどをその空間で過ごしてるみたいなのよね。勿論、掃除はロボット掃除機のルンバ君に任せっきりだし、外食と取り寄せで料理は自分ではしないし、洗濯はドラム式自動洗濯機…さらに服を畳む人って時間の無駄遣いに気づいてない残念な人だと言って、乾燥機から取り出した服は畳まず全てハンガーにかけて収納するという徹底ぶり。もう30歳になるのにお嫁に行く予定もなし…どうなってるんだかねぇ。この前なんか『7時から飲み会』って言うからてっきり店に行くんだと思ってたら、コンビニでビールとかおつまみ買ってきて、モニターの前に座ってオンラインで友達と喋りながら自分で買ってきたビール飲んでる訳よ。お互いに好きなもの買ってきて割り勘だし気使わなくていいから、オンライン飲み会の方楽じゃん…だって。勿論、その時も全然関係ない人達のチャットとかツイッターはもう一つのモニターに流れっぱなし…ビデオチャットで喋っているかと思うと、流れてきたツイッターにパチパチ文字打って返事したり…なのあれ? もう、どう思う?」って嘆いてました。

そうなんですね…これは時代が本当に変わってきたんだなぁ…。もう私達はついていけないおばさんに成り果ててしまったのか…と思いきや、愚痴っぽく話していた友人Mが、意外にも次のように続けます。「本当に娘の状態見てると羨ましい限りなんだよね。自分の好きな事を好きなスタイルで貫いて誰にも媚びたりしなくて自由なのよ。僕らみたいに昭和の価値観の人とは全然違うし、逆に自分も本当はそんな生き方したかったな…って思う。僕らも若い頃、深夜放送聞きながら受験勉強してると怒られなかった? そんな事してたら集中できないって言われて…。あの頃は余計なお世話だ…と思ってたけど、結局今の若い人も同じで、エネルギーが余ってて複数の事を同時に処理する力があるってだけなんだよね。力が弱ってきた大人が「集中しないと頭に入る訳ない」なんて理屈つけても「それってあんたがそうなだけでしょ?」って思ってる訳で、結局は僕らの頃と同じなんだと思う。それに「飲みニケーションが大切」とか「顔見ないと本当に相手の事分かるはずがない」なんて言うおっさんいるけど、それも本当は感受性が鈍ってるだけなんだと思うね。僕らの頃はビデオチャットなんて当然なかったけど、僕はアマチュア無線やっていたのよね。当時はモールス信号って今では世界遺産に登録できそうな方法で通信してたけど、あのツーとトンという単純な組み合わせのコミュニケーションですら、慣れてくると相手の打ち方で「あ…今日はいい事があってルンルン気分だな…」とか「今日は落ち込んでるねぇ…」って分かるんだよね。それに比べれば、今の高画質ビデオチャットなんですごいじゃない…若い人が実際に会わなくたって相手の気持ちは十分通じるって言うのも本当なんだと思う。逆に対面で相手を感じなくても相手の事が分かるように自分の感性を訓練する事の方が、今は我々昭和の人達に求められてるんだと思うな。大昔なんか短歌を交換するだけで恋愛できてた訳だしね…」

確かに一理ありますね。まぁ短歌を交換していた時代となると行き過ぎだけど、昭和の時代は交通手段が急激に発達したので「簡単に人と会う事ができる」ようになってしまったので、逆に「制約がある状態や一部しかない情報をもって事実を判断する」という感性が鈍くなったのかもしれませんね。そういえば私も小学生の時文通してたけど、手紙のやりとりだけで十分に楽しかったな…。そうだ、コロナで飲み会ができないって愚痴ってる同級生たちに、オンライン飲み会を提案してみよう(^^)。 そんな訳で、今何かができない分、逆に普段考えられなかった事を考えるようになりました。また、不便な分だけ普段の便利な状態のありがたみを実感できるようになりました。新型コロナが落ち着いてきて何か少しでもできるようになれば、冬を耐えてきた植物が一斉に開花するように、春の日差しを浴びて外に出て、自由に行動ができて…喜びもひとしおだと思います。その時を心待ちにしながら、前向きに頑張りましょう!
