
こんにちは! 柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。月日が経つのは早いもので、この前まで年末とかお正月と思っていたのに、もう梅雨の季節です。2016年も半分が過ぎてしまうんですね。こりゃ・・・年を取るのも早くなるもんだ・・・(^_^)。皆様はいかがお過ごしでしょうか? 寄る年波には勝てぬものの、少しでも良い年の取り方をしたいものだと個人的に思うところもあり、先日横浜で開催された抗加齢医学会に参加してきました。春から秋までは毎月のように学会があるので、皆様にはご迷惑をおかけしてしまいますが、最先端の情報収集のためですのでお許しくださいませ。抗加齢医学会というのは美容だけではなく健康長寿を追求する学会なので、各科の医師から管理栄養士や企業の研究者などが集まってすごい人数になります。寿命が長くなった分だけ、生きている間は若々しくいたいと思う人が増えたという事でしょうか・・・。会場も広く、講演も展示もいろいろな分野のものがあるので、あちこち回るのは疲れますが、とても面白い学会です。

今回の講演の中で最初に興味を引かれたのは「水素水」。ちょっと前に大流行したのでご存知の方も多いと思います。実はうちの姉が母の入院中からはまっていて、「すごく体にいいから水素水を飲んだり、それを使ってマッサージしたらいいよ!」と必死で勧めていました。(うちの姉は私と真逆で論理派から縁遠い正真正銘の感覚派なので、そういう民間療法のようなものに感化されやすく、すぐにはまってしまうのです。過去においても何度その手の怪しげなものにはまっていた事か・・・。)一方で私の方は理論的な根拠がないと信じられないタイプなので、いくら調べても体に良い理由や作用機序が不明な水素水については「も~、また訳の分からん民間療法にはまって・・・」と半分呆れていました。そのような絶対に眉唾だと思っていた水素水が、なんと今回の学会のシンポジウムのテーマになっているではないですか・・・。これはどんな発表がされるのか興味津々でした。

水素ガスや水素水についてのシンポジウムやセミナーを聞くと、最近では水素水の効果や作用機序も少しずつ科学的に解明されてきているようです。水素には抗酸化作用や抗炎症・抗アレルギー作用、代謝促進作用などがあり、活性酸素の連鎖反応が起こっている時のみに作用するため、病的な部位のみに反応するので副作用がないのだとか。動物実験で効果が確認されただけでなく、実際に慶応大学では心筋梗塞の患者さんに水素ガスを吸入させる臨床試験が開始されたそうです。順天堂大学でもパーキンソン病の患者さんに1年間水素水を飲ませる臨床試験をしたところ、水素水を飲ませたグループでは症状が改善し、通常の水を飲ませたグループでは症状が悪化して両者の間に有意差(統計学的に客観的な差=偶然とは考えにくい差)が出たそうな。講演されていた順天堂大学の先生までも「最初は眉唾だと思ってたんで、有意差が出るとは思ってませんでした」と言われていましたが・・・。ただ、科学的な研究はまだ始まったばかりって感じなので、これからの行方を見守らないといけませんね。
昔確か「アルカリイオン水」と呼ばれて水道の蛇口につけて水をイオン化させる器械がテレビ通販なんかで大流行した事があったのですが、その効果には疑問を持つ医師や学者も多かったようで廃れてしまいました。しかしアルカリイオン水と同じ製法なのに「水素水」という名称で売っているものもあるらしいので、注意が必要という事です。同じ頃に流行った「ぶら下がり健康器」とか「ルームランナー」「スタイリースタイリー」なんかも、そりゃきちんと毎日続ければ一定の効果はあるはずなんだけど、これだけ流行り廃りに影響されるって事は「効果」よりも「継続」できるかどうかの方が大切なんでしょうね。

「ルームランナー」を思い出したからという訳ではありませんが、その次に興味を引かれたのはいろいろな運動療法の講演。「楽しく痩せる、楽して痩せるを科学する」と題されると興味が湧きますよね。笑顔で話せるスピードでのスロージョギングやストレッチ、加圧トレーニングなど効率よく筋力をつける運動療法が紹介されていたので、加圧バンドを巻いてストレッチやスロージョギングをしたら一番効率的かも?なんて考えてしまいました。歩く速度が速い人は寿命が長く、腹筋よりも背筋が重要だというのはよく知られた事実です。その他には、やはりサプリメントの話題が盛りだくさん。レスベラトロールがコラーゲンを増やすとか、メロンから抽出した新しいサプリメントなど・・・。腸内細菌が健康と美容にも関わるという事で新しいサプリメントも出ていました。(今年こそ新しいサプリメントを導入するぞ!)全体としては健康長寿には栄養と運動、幸せ気分と見た目の若さは欠かせない・・・という事でした。

最近は腸内細菌の活動と「心の病気」の関係が深い事が証明されてきています。ある研究ではうつ病になる人の7割から8割に腸内細菌のバランス異常が見られると言われています。腸内細菌のバランスが崩れるとなぜうつ病になりやすいかと言うと、心の問題は近年では体の中で分泌されるホルモンや科学的な物質に影響されているという事が分かってきたからです。昔私達が子供の頃って「うつ病」なんて聞いたことなかったと思いませんか? その頃は今で言う「うつ病っぽい子」は単純に「根性なし」とか「怠け癖のある奴」と言われていて、「病気」とは認定されませんでした。ところがこのような人達に欠落している化学物質を体内に入れる事で(いわゆる投薬ですね)症状が改善される事が分かり、「性格」とか「怠け癖」ましては「根性なし」などではなく、一種のホルモン分泌障害であるという事が証明されてきました。そしてこれらのホルモンの多くは腸内細菌の助けを借りて腸内で生成されている事から、腸内細菌のバランスが崩れると深刻な時は「うつ病」などを引き起こすという訳なのです。サプリメントと言うと何か足りない物質を補うというイメージが強いのですが、飽食と言われている現代の日本で、本当に栄養が足りないという人はほとんどいないと思われます。むしろ腸内細菌のバランスが崩れる事で体に変調をきたし、必要なホルモンの分泌に影響が及び、更には心にまで問題が派生すると言われているので、腸内細菌のバランスを整える事はこれから大きな関心事となると思います。

ただ偉そうな事を言っていますが、私も毎年この学会に参加すると、運動と栄養も大事だなと思って運動してみたりサプリメントを試してみたりするんですが、なかなか長続きしないんですよね~。去年もビタミンDとカルシウムの講演を聴いてしばらく青汁牛乳にはまってたんですが、いつの間にか飲まなくなりましたし、忙しくなると運動もおろそかになってしまいました。「言うは易く行うは難し」ですよねぇ。
でも今年の学会では、ちょっと頑張ってそういう事を続けようと思わせるような企画がありました。それは・・・会長特別企画、「Goひろみアンチエイジングコンサート」! 皆様おなじみの「Go~ひろみです」が登場!(・・・って言っても70年代のアイドルなんでお若い方には馴染みないんでしょうけどねぇ・・・(^_^;)実は8年前の美容外科学会でも、懇親会でGoひろみのコンサートがあったんですよね。(詳しくは2008年12月号のクリニック通信をご覧ください。)Goひろみと言えばご存知、高須クリニックのイメージキャラクターを務められており、高須院長とは懇意のようです。前回の美容外科学会は高須クリニックの院長が事実上のボスを務めている学会なんで、恐らくですが彼の鶴の一声でGoひろみが会場に呼ばれたのだと思います。ただその時は今回の学会に比べて参加人数も少なかったのでわりと近くで見れたのですが、今回は何倍もの参加者で会場も広く、前の席を取ろうと1時間前から長蛇の列だったので並ぶのを諦めてしまったため、遠くの方からしか見る事ができませんでした。(・・・って結局、かなり私もミーハーだったりするのですが・・・(^_^;)。何しに学会に行ってるのやら。)

それでも遠くから見ても、Goひろみのスタイルと切れのいいダンスはすごい!! 8年前と変わらず・・・いや、8年前よりも磨きがかかって良くなってたかも。彼が登壇するや開口一番、「皆さぁん!! 言わなくてもお分かりかと思いますが・・・、Go~ひろみです・・・Go!!Go!!!」(紙面では伝えるのは難しいのですが、このGoGoのところの正確な発音はグォウ!グォウ!・・・です。・・・言わなくてもお分かりかと思いますが・・・。)会場はおじさま方の大歓声。8年前、Goひろみは観客がお医者さんばかりだと思っていたらしいのですが、高須クリニック院長主催の美容外科学会だけに同伴OKでドクターの奥様方が詰めかけ、更には看護師なのか女医なのか?どう見ても夜の職業としか見えない派手な医療関係の女性も多数詰めかけて、おばさま方の黄色い声援が飛んでヤンヤ、ヤンヤの大喝采でした。そんな状況になるとはつゆ知らずバラードを中心に選曲していたので、会場の雰囲気にちょっと合わないところもありました。彼もそこは学習したようで、今回は派手な照明にアップテンポの曲で初めからバンバン飛ばしまくりです。ただ、今回は同伴OKではなく学会会員ばかりだったので男性医師が多く、しかも年齢層が高い。それには彼もちょっと意外だったようで、「こんなに男性の多い客席を見るのは初めてです」「皆さんほんとにマナーがいいですよねぇ・・・」そう感心しつつ、次々と昔懐かしい曲をテンポ良く踊りながら披露してくれました。

しかし、Goひろみはどうしてそんなに若いままなの?と思っていると、トークによると61歳になった今でも週に3回はジムでトレーニングし、その合間に走っているそうです。(はぁ・・・あの「君たち女の子」を歌っていた美少年が今や61歳ですかぁ・・・。そりゃ誰だって年取るよねぇ。)まぁアンチエイジングには適切な運動は不可欠なんだな~って思いますね。そしてもう一つの若さの秘訣は、やはり気持ちを若く持ち、いつも前向きでいる事らしい。彼はいつもこれからが人生で一番いい時だと思っていて、そうするためには一番好きな事をやめたら他に何かできるんじゃないかと思って、ワインセラーを持ってるくらいワイン好きなのにお酒をやめたそうです。私の周りではお酒の飲み過ぎで肝硬変になって死にかけてからようやくやめた人なんかはいても、Goひろみのようなポジティブな考え方でお酒をやめた人なんて一人もいません。私の知り合いのお父さんは45歳という若さで亡くなったんですが、医者や周りの人が何度注意してもお酒をやめられず、最後は食道癌になりお酒を飲めなくなったので家族も安心していたら、ある時点滴をしているはずの本人が見当たらず、皆で手分けして探したところ近所の馴染みのスナックでウイスキーを点滴のバックに入れ、直接血管に注入して程よく酔っ払っていたのだとか・・・。勿論、力づくでそこから連れ戻されたのは言うまでもありませんが、そこのスナックのママも、匂いを嗅ぐだけだと言われて出したウイスキーをおもむろに点滴バックに慣れた手つきで入れ始めたのを見て、「へぇ・・・こういう飲み方もあるのねぇ・・・」って感心したんだとか。まぁ・・・どっちもどっちですが、世の中すごい人がいるもんです。勿論、皆様は真似しないでくださいね。そんな事したら本当に死ぬと思います・・・(^_^;)。

話が脱線しましたが、Goひろみは何かもっと自分の人生でやれる事があるんじゃないかと思って、自分の人生の時間配分を見直した結果、お酒をやめる事で必要な時間を確保できると思った・・・って事なんですね。こちらもすごい人がいるもんだ・・・と感心してしまいます。私はそこまでストイックにはなれないけど、せめて運動くらいは見習って少しはしないとなぁ・・・と思い、学会が終わってからは少しずつ運動を続けています。(今度こそ3日坊主にならないようにしないと・・・。)それと今回は近くで見れなかったけど、やっぱり見かけの若さは重要ですよね。それは高須クリニックのお蔭かもしれませんが・・・(^_^)。見た目が若い人は寿命も延びるそうです。私も皆様の寿命を延ばすお手伝いができるよう、さらに切磋琢磨しなければと心を新たにしたのでした。私達も彼を見習って、明日に向かってGo!Go!