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第130回 (2014年1月)「2014年 再会 」



あけましておめでとうございます! 昨年は大変お世話になり、誠にありがとうございました。皆様のお陰で移転5周年を迎える事ができ、感謝に堪えません。これからも皆様のお役に立てる治療を開発するため研究に励みますので、今年も何卒宜しくお願い致します。 この通信をお届けできるのは2014年が開けてからだと思いますが、この原稿を書いているのは2013年の年の瀬です。年の瀬となると否が応でもその一年を振り返る事になりますね。ニュースなどでもそろそろ「2013年の10大事件を振り返る」なんてやっている頃です。そんな訳で自分なりに2013年を振り返ってみました。題して「キーワードで綴る2013年」。ちょっと大げさかなぁ・・・(^^)。



■研究成果


2013年も又、いろいろな実験をしては失敗を繰り返しました・・・。なんとか成功した研究結果として、腫れや効果を調節できるオーダーメイドエセリスカクテル、リフトアップカクテルのアップバージョンである新リフトアップカクテル、涙毛穴を改善する毛穴レスカクテル、腫れにくい顔用メソセラピー、ボディメイクセラピーをメニュー化できました。お試し企画としては新リフトアップカクテルの他、ボトックスリフト・口周りボトックス・脇汗スッキリボトックスを行い、新しいボトックス療法のうちいくつかはメニュー化できる予定です。


■学会


2013年の学会は国内の美容外科関連の学会と、モナコであった世界抗加齢医学会に参加。 モナコで入手したローズオイルと24金を使って、オリジナル化粧品やマスクパックも作りました。学会では今流行のレーザートーニング・男性&女性更年期・白髪やハゲに関する話が多かった気がします。レーザートーニングはまだまだ技術的に難しく、安易に取り入れられるものではなさそうです。ハゲ注射は目下実験中。モニター試験では少し発毛が認められました。まだフサフサとまではいきませんが・・・。パントガールも導入し、好評を得ています。


■更年期?


2013年に私自ら「微小血管狭心症」という形で経験。その後豆乳ローション・夢美人・プラセンタ点滴・内服を駆使し、今は落ち着いています。更年期にはやはりそれらが効くんだなあと実感。ストレスが緩和されたのも大きいのかもしれませんが・・・。しかし狭心症のために唯一の運動だった卓球をしばらく休んだため、11月のOB戦では体力の低下も実感しました。今年は少しでも筋トレしてまた卓球を楽しめるようになりたいですなぁ。



■別れ


2013年春には2年間アルバイトとして頑張ってくれた留学生のHちゃんが卒業、秋には4年半頑張ってくれた韓流B君が帰国。若い人が巣立っていくとは言え、ちょっぴり寂しいですね。


■出会い


2013年に地球の裏側で出会った人々、その縁でバイトに来てくれるようになったジャニーズ系のM君。イケメンパワーで現在コロコロS君の大のお気に入り。皆様もかわいがってあげてください。


・・・などなど。書き出せばとても紙面が足りなくなるくらい沢山の思い出や失敗、そして患者様からの励ましやお叱りなどがあり、瞬く間に過ぎた1年です。そして栄えある(?)2013のキーワード大賞は「再会」です。



■再会


再会は私が異人館通クリニック(当院が三宮に移転する前に北野の異人館通にあった時の名前)を開業した年によく来てくださっていた患者様のO様と十年ぶりにお会いした事です。O様は初めての常連さん(?)でしたが、ご主人の転勤で東京に引っ越されてしまいました。それから10年経った2013年、久しぶりに神戸に来られて当院を訪ねてくださったのです。とても嬉しく、せっかくなので治療はそこそこに切り上げ・・・^^;)・・・懐かしの北野町でご飯をご一緒する事になりました。当時私はクリニックと同じマンションに住んでいた為、仕事が終わればそのまま上の階に上がるだけの気楽な生活でしたし、クリニックも今よりもずっとノドカ?な時期だったので、仕事が終わった後に北野にお住まいだったO様と一緒に深夜まで近所で飲んだ事もありました。・・・あれから10年。私も最近は殆ど北野界隈に行くことはなくなったので、本当に久しぶりです。少し歩いただけでも知っているお店が殆ど無くなっていたのには正直ビックリしました。


ただ、ここはディープな人しか絶対集まらないだろうな・・・というようなコアな店は健在のようです。やっぱり何事も極めなきゃいけないな・・・と思いつつ、食事の後は昔よく通ったバーLに。食事の時はお互いの生活の事とかそれなりに大人な会話をしていた二人ですが、2件目のバーで2杯目が空いた頃には完全なタメ口でタチの悪い女子会状態です・・・(^^)。

O様:「だってさぁ・・・先生。あの頃いたスタッフのPさんってちょっとすごくなかった? なんでこんな人雇ってるの?って正直思ったのよねぇ。先生慈悲深いなぁ・・・って」

柴田:「あ・・・Pちゃんね。う・・・。返す言葉がない・・・」

O様:「それからKさんってまだ来られてる?・・・毎回私の顔の皮は厚いから濃い目のピーリング剤でお願いします!・・・って言ってた人・・・」

柴田:「あ・・・Kさんね。面白い人だったよね。残念ながらこの数年は見かけてないなぁ。」

O様:「あの人って若い彼氏が迎えに来てたでしょ。その彼って実はさぁ・・・」

もう出るわ出るわ・・・まさに歩く三面記事ですな。聞けば聞くほど「ええ! そんな事あったんですか?」ともう可笑しいやら驚くやら。当時のクリニックは今のように個室ではなく、診察室だけが独立していて、待合室では大きなテーブルで患者様に治療後お茶をお出ししてくつろいでいただくというスタイルでした。私は殆ど診察室にいるのでその待合でどのようなドラマが展開されているのかは分からなかったのですが、その大テーブルはサロンのような状態になってたんですよね。今思えば治療が終わってもなかなか帰らない人が結構いたのはその為だったのかぁ・・・。でもどちらかと言うと患者様同士が顔を合わせるよりはライバシーが守られる方が良いと思い、今の場所に移転した時は個室診療に切り替えたのですが、中にはO様のようにサロン談義を楽しみに来ている人もいた訳ですね。



あまりに話が尽きないので場所を変えて老舗のバーMに。カウンターに座ると何か違和感が・・・。「あ・・・やっぱりマスターだ・・・」昔は自分がカクテル作る姿を毎日鏡で見つめてうっとりしているんじゃないかと思うくらいのナルシストだった(そう言えばゲイ疑惑もあったな・・・)マスターが、なんだかすっかり普通のオジサンになってるじゃないですか。O様もそれには気づいたようで、「わぁ・・・ふ・ふけたねぇ」と大声で言った後に「ここのマスター・・・」のところでようやく口に手を当てて小声になったんですが、勿論、時既に遅し。「はぁ・・・老けましたかぁ? お蔭様で・・・苦労してますから・・・」と苦笑のマスター。O様も慌てて、「いえいえ。そんな事ないですよ。男の魅力が増したって感じじゃないですか!」とフォローするも、マスターが後ろを向いた時にはすっかり薄くなった頭を見て「ありゃ! 髪の毛が・・・」と大声で言った後に「残念な状態になってる・・・」と後半だけ小声にしたけどやっぱり効果なし。「聞こえてますよ」とマスターがぼそっと一言。さすがにシュンと反省したO様を横目にマスター自身が話を切り出します。なんでも最近、男性更年期障害になってしまったんだとか。更年期障害って女性だけのものだと思っていたら、男性にもある事が最近の研究で分かり、専門のクリニックもあるみたいですね。「ある時を境に急に自分が衰えてくるのを感じて、それからもうあれよあれよといううちにこんなに老けこんじゃったんですよ・・・」と語るマスター。



確かにねぇ・・・。10年ぶりとは言え、こんなになっちゃうものなのか…と思いつつ、マスターの作ってくれたキリリと冷えたほのかにライムの香りがするニューヨークをショートカクテルで飲むと、10年前の記憶が一気に蘇ります。「あ、この香り・・・この味・・・」何にも変わってないじゃない・・・目をつぶれば光沢のある黒のベストを着たナルシストのマスターの姿がくっきり浮かんできます。アイロンがビッシっとあたった白のシャツに、襟元にはウイスキーの樽をかたどった金のブローチしてたよね・・・昔は・・・。以前何かの本で、人間の記憶を呼び戻すのに最も効果が高いのは、その時に嗅いだ匂いをもう一度嗅ぐことだと読んだ事がありますが、まさにそれですね。O様:「マスターもそれだったら、先生のところでバイアグラ打ったらいいのよ~」柴田:「バイアグラ? うちはその手のクリニックじゃないけど」O様:「あ・・・バイアグラじゃなくて・・・なんだっけ。あ・・・プラセンタ!」柴田:「全然似てないし。一音も同じじゃないし・・・ギャグにもならない」O様:「そんな細かい事気にしちゃダメダメ! 今日は飲もう!イエィ!」と全く疲れる様子もなくはしゃぎまくるO様。結局そのまま朝方まで。う~ん。Oさん・・・あなたには更年期障害は無縁ですな・・・。世の中には色々な再会があるもんだ、と感心した一日でした。(翌日はちょっと辛かったけど・・・^^;)



しかし一口に「再会」と言っても昨今は何も嬉しいばかりの再会とは限らないんですよね。これも実際に2013年に私の知り合いに聞いた話なんですが、彼女の娘さんが短期間だけ学生時代に付き合っていた男性と偶然に街中で出会い、色々と昔話で盛り上がっている内に何度か会って食事などをするようになったそうです。しかし、その後はその男性が夜中に電話してきたり、家の前で勝手に待っているなど変化してきたので「もう会わないで欲しい」ときっぱり断って、電話番号も変えたそうな。そうすると今度は完全にストーカーに変身してあらゆるところに出没してはつきまとうようになり、警察に相談する事になったらしいんです。相手には何メートル以内に近寄らないという約束を警察がさせているそうですが、それでも怖いので今では転職と引っ越しもして、ひたすら目立たない生活をしているそうです。そんな訳でお母さんである彼女もできれば目立たないようにしたいという事で、親子共にFacebookなんかもしていません。最近では警察にもストーカー専門の相談員がいるそうで、かなり多忙を極めているようです。なんでもストーカーになる人っていうのは「相手が自分の事を嫌いになる訳がない。何か良くない考えに固執して自分の殻の中に閉じこもってしまっているはずだから、自分がなんとかして目を覚まさせてあげなきゃ・・・」って思い込んで、ストーカーになってしまう人が多いんですって。一体どうなっちゃってるんでしょうねぇ・・・。あら・・・新年早々なんだかあんまり縁起の良くない話に流れていったようで・・・すみません。



そんなこんなで私の2013年のキーワード大賞が「再会」であれば、2014年の抱負もやはり「再会」にしてみたいと思っています。目指すのは「過去の輝いていた時の自分への再会」です。う~ん。なんかやり過ぎ? ちょっとカッコつけ過ぎてるかなぁ・・・^^;)。まぁ、自分が一番輝いていた頃の「一部」を取り戻したいって事なんです。私はこの歳になって若い頃に戻りたいなんて思ったことはありません。寧ろようやく若い頃を卒業できたのに、あんなに苦痛が多くて将来に不安を持った、迷路のような時代に戻りたいなんて少しも思いません。「青春時代が夢なんて後からほのぼの思うもの・・・青春時代の真ん中は道に迷っているばかり・・・♪」という素敵な歌がありますもんね。(これまた例によって古いなぁ・・・。)なので若い頃に戻るのではなく、今の自分のまんまほんの一部、若かりし頃の良さを取り戻したいと思う訳です。例えば少し体力を付けて卓球のOB戦に出たい・・・とか、外国語の勉強をもう一度やり直して海外に行きたい・・・とか、そんな事です。早い話、これがアンチエイジングなんだとも言えると思います。若い頃にすっかり戻りたい訳ではないけど、今のまま一定の若さは維持したい・・・。いつの時代にでも、そんなワガママな思いを持ち続ける事は許されてもいいんじゃないかと思うんです。



バーMではマスターに、「先生は若いなあ~! 全然変わりませんね。いや、逆に綺麗になったんじゃないですか??」って言われました。お世辞も入ってるかもしれませんが、密かに(やったぁ・・・!)って感じです。最近大学の後輩たちにも久しぶりに会うとよく言われるんですが、これってホントに小さな喜びですよね。誰が何と言ってもこれは日常生活の中で純粋に嬉しい・・・って思える瞬間です。(ま・・・彼らがストーカーになる危険性はまずないし・・・^^;)「え、先生、iPhoneのそんな小さい字、普通に見えるんですか!? 僕なんかこんな離して見ないと見えないんですよ~」マスターはいつの間にか頭が薄くなってたり、お腹が出てたり、ひどい老眼になってたり。余計なお世話なんですが、彼のためにも一肌脱がなきゃ・・・って思ってしまいます。あのカクテルの味は全く変わってないんですから・・・。キリリと冷えてほのかなライムの香り。彼には昔通り、ナルシストでゲイ疑惑のままでいて欲しいですもん。そして私はと言えば、改めてプラセンタ点滴や夢美人・カクテル注射に感謝しました。そして今年もアンチエイジングを広め、皆様のお役に立てるよう頑張りたいと決意を新たにしたのでした。 2014年。「過去の輝いていた時の自分への再会」に、乞うご期待!



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