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第101回  (2011年08月) 「美人って得するの??」




こんにちは。柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。急に暑くなりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか? 夏バテ気味の方はいらっしゃいませんか? そんな時は「夏バテ対策点滴」で元気をつけましょう・・・っていきなり宣伝っぽくなっちゃいましたが、夏って本当にバテちゃいますよね。意外にも夏バテ解消には入浴がいいって知ってました? 私はと言えば・・・あまりに暑いので露天風呂はしばらくお休みしていましたが、先日夜中になると少し涼しい日があったので、久しぶりに入ってみました。夜風に吹かれながら楽しむ夏の露天風呂もいいもんです・・・あー、極楽、極楽。(完全にオヤジ入ってる・・・。)前にも書きましたが、露天風呂に入って神戸の夜景を眺めていると色々な事を考えてしまいます。普段は当たり前と思っている事でも「なんで?」って改めて考えてみると自分なりの発見ってありますよね。今日はぬるめのお湯に浸かりながら「なんで夏バテするんだろう?」って考え出したんですが、例によって散漫な思考はどんどん横道にそれて、最終的にタイトルのような事を考える事になりました。



そもそも人間って進化の歴史の中で寒さにはかなり強くなっているけど、暑さへの対応はあまりできなかったようです。勿論、赤道直下の常夏の地で暮らす人達は暑さに対してそれなりの適応能力を身につけているとは思いますが、私たち日本人はやはり寒さには一定の強さを持っているものの暑さにはまだまだ適応能力は低い・・・と言えると思います。「私は冷え性で寒さには弱くて・・・。夏は夏で暑さには弱いんだけど、今度は冷房を入れると又冷えてしまうので冬も夏もダメなんです・・・」っていう人も最近は多いですよね。でも人間って本当にそんなに弱いんでしょうか? 確かに現代人がタイムスリップして石器時代に行っちゃうと、殆どの人が自然に適応できずにすぐに死んじゃうのかもしれません。私見ですけど、殆どの日本人はDNAレベルでは日本の自然の中で生きていくくらいの適応能力は持っていると思います。ただ現代の女性の殆どは一種の「痩せすぎ」(筋肉も脂肪も少なすぎ)状態に陥っています。(間違ったダイエットが流行しているからだという人もいますが、私は単純に寿命が長くなった事と室内で生活する人が大半になり、肉体労働の機会が減ってきたというだけのように思っています。)筋肉が少ないために体の中で熱を作る事ができずに冷え性になる人が大半です。だから冷え症を克服するには「筋肉をつける」のが一番いい方法です。筋肉をつけると言ってもボディビルのように筋肉繊維をわざと切ってその再生過程で筋肉を盛り上げるというような事をする必要は全くなく、細くてもしなやかな筋肉をつける軽い運動を比較的長い時間すれば十分だと思います。



こんな事を言うと「先生は普段からダイエットが必要だ・・・って言ってるじゃないですか!」って言われちゃいそうですね。それについて少し補足させてもらうと、「現代人は筋肉量に比べてあまりにも皮下脂肪が多すぎるのでダイエットが必要な人が多い」って事になります。スポーツ選手を見れば分かる通り、しなやかな筋肉を持っている人は脂肪が多少多くても健康には全く障害はありません。ちょっと極端な例ですが、シンクロナイズドスイミングの選手の体脂肪率は通常25%位で、多い人は30%にもなると言われています。あれだけハードな運動をするので普通であれば体脂肪率はグンと下がってしまいますが、しなやかな体のラインを作る事と水に浮きやすい状態にするために、彼女らは体脂肪率は落とさないように厳しく指導されているのだとか。よって、彼女らの平均的な1日の摂取カロリーは5000Kcalだそうです。5000Kcalって大概ですよねぇ。当クリニックのダイエット指導の患者さんだったら、間違いなく食欲抑制剤を処方するところです。あるシンクロの選手が引退した時の記者会見で「引退して何がしたいですか?」と聞かれた際に「少しゆっくりしたいですね。何よりもこれ以上、無理に食事をつめ込まなくてもいいと思うと気持が楽になります」って答えていました。



つまりシンクロナイズドスイミングの選手は、相撲取りと同じように強制的に食事を詰め込んでいる訳です。そうしないとあれだけハードな運動をしつつ体脂肪を維持する事はできないんですね。逆に言うと、どんなにハードな運動をしても食べる量が多ければ皮下脂肪はついてしまうという事です。しかし皮下脂肪が多少多くても適切な量の筋肉があれば、自分の体重を支えて運動をする事には支障がないので、関節や骨などへの過度な負担はかかりませんし、運動量が多いと筋肉の収縮でリンパ液を初めとした体液の流れが活発化するため、循環器(血管)の病気になりにくく、免疫力も高まるので健康的な体になります。それに反して、一定の年齢を超えると筋肉の量はどんどん減っていくにも関わらず、皮下脂肪はどんどん増えていってそのバランスが極端に悪くなってくるのですが、年を取ってから筋肉を取り戻すことは非常に困難なので、バランスを取るために皮下脂肪を落とすように指導している・・・っていうのがダイエットの本来の考え方だと思います。その意味では若い人で本当にダイエットが必要なケースはそんなに多くありません。若い人は皮下脂肪が多少多くても通常筋肉の量が多いので、先に記載した理由で健康には何ら障害は起きないからです



かく言う私も本来は筋肉をつけたいと思っているのですが、やっぱりこの年になるとなかなかつかないものです。(筋肉がつかないというのは結果論であって、筋肉をつけるためのトレーニングをするのが億劫である・・・というのが本音ですね。それに美食の誘惑を断ち切るのも大変だし・・・。)しかし、若い人は全然違いますね。先日も大学の卓球部で新入生歓迎コンパがありました。以前のクリニック通信にも書きましたが、私は今でも性懲りもなく大学の卓球部の新入生歓迎コンパと卒業生の追い出しコンパには必ず出席しています。両方のコンパの前にはOB戦なるものがあり、それも大抵出るのですが最近はOB戦やその前に練習などをするとその後疲れがどっと出て年を感じてしまい、もっと体力をつけねば・・・と毎回反省する事になります。しかしそれとは逆に、若い部員のエネルギーは本当に凄いです。そして彼らは相当食べていますが、太りすぎという人はまずいません。それだけでなくコンパの時の騒ぎ方も尋常ではなく、もうエコの必要性をこれだけ叫ばれている現代にあって、無駄にエネルギーを浪費しているとしか思えないくらいです。昨今は節電という事でエネルギーを省く事ばかり叫ばれていますが、実は無駄なエネルギーの有効活用っていうのも合わせて考えなければ片手落ちでしょうね。若い人のやる気とかエネルギーが上手く活用できない社会って、歴史の中でも衰退してきた訳ですし・・・。



そんな訳で普通であれば若い人にはダイエットを勧めないところなんですが、当クリニックで働いてもらっている一部若者達にはダイエットを自主的に(・・・殆ど強制的という話もあるが)してもらっています。それは現代の価値観で言うところの「美しさ」を手に入れて欲しいからです。勿論、健康に障害をきたすようなダイエットを勧めることはありませんが、やはり人間として「美しい体」と感じる体型があります。以前の通信にも書きましたので詳細は省略しますが、人間が感じる魅力的だという体型は世界的に共通であり、文化の壁を超えていると言われています。先に書いたシンクロナイズドスイミングの選手なんてメチャ「ナイスバディ」でしょ? 痩せてればいいってもんじゃなくて、適度な脂肪で女性らしさを感じさせながら、しなやかな筋肉で均整の取れたプロポーションを維持するってのがいいのよねぇ。(なんだかやっぱり私ってオヤジ化している?)皆様もお気づきだと思いますが、実際に当院のHチャンもYチャンも素地はとっても美人なんですよ。後は多少のダイエットでナイスバディを手に入れて、軟弱な草食系男子をビシビシと手玉に取って転がしてやって欲しいと思うのです。(う・・・ん。これ又オヤジ的発言。これは撤回で、私のように「行き遅れないように・・・」っていうのが本心です。親心って奴ですね。)ま・・・異性を魅惑するという直接的な効能については置いておいたとしても、「美しい状態で生きる」というのは社会生活に基盤を置く人間としては計り知れないメリットがあります。



そもそも論として「美しい人が魅力的だと思う」のではなく、「全体に健康的で免疫力もあり、精神状態も良好な人が自然と美しくなる」という事なんです。だから、「美しい人」を見ると勝手に「健康的で精神状態も良好な人なんだろう」と思ってその人に魅力を感じるようになるという人間の本能が働くんですね。だから、「美しさ」は世界共通でユニバーサルである訳です。これは人間が生物として異性に求めるものが健康的で丈夫なDNAのコピーを生み出す事にあるとすれば納得のいく理屈です。太古の時代に男性が「健康的な女性=美しい女性」を好むようになった事から、女性は化粧をして美しさを演出するようになったと言われています。つまりお化粧をして美しさをアピールするというのは健康的で丈夫なDNAを残せると思わせる一種の「騙し」でもある訳です。普通は「騙し」というのは一時的にしか通用しないので、「お化粧」という行為は見破られてしまって衰退してもおかしくないのですが、それが数千年経た現代でも十分に通用しているというのは、当初は「騙し」であったとしても「騙している間に本当にそうなっていく・・・」という効能があるからだと言われています。つまり綺麗なフリをしたり演出している最中に本当にその人は綺麗になっていく・・・という事なんです。女優さんがデビューしたての頃はパッとしなくても、数年もすると見違えるほど美人になるケースがありますよね。これは恐らくそういう事だと思います。



私は「美しさ」とは「健康的である」という事と殆ど同じだと思っているので、「美しさを維持する」事は「健康を維持する」事と同じだと思います。健康には肉体だけでなく社会性や精神状態が大きく影響しますので、基本的に美しい人は健康である事が多いと思います。美人薄命というのは結核などの病気が流行り若い人が簡単に命を落とす事があった時代の話で、現代の医学ではどう考えても若い人よりお年寄りの死亡率が圧倒的に高い。そして一定の年齢に達した人の死亡原因の大半は癌を除けばいわゆる成人病なので、やっぱり「ブヨブヨの人」の死亡率が高いのは明白ですね。美人薄命って言葉はもはや過去の遺物だと宣言しても良く、現代は明らかに美人の方が長生きすると思います。 そして「美人でいる」事の最大のメリットは実は「美人である事を維持しようというモチベーションが高くなる」事だと思います。当クリニックに来院される患者様は平均的な同年代の女性より圧倒的に「美しい」方が多い。これはお世辞ではなく純然たる事実です。つまりある程度「美しい」人でなければ「美しさを維持したい」と思わないのでしょうね。もう手遅れ・・・って方は残念ながらお金をかけて美しくなりたいという意識が生まれず、ゴロゴロとメタボへの坂道を転がり落ちていく事が多いように思います。先日あるTVで心理学者も言っていましたが、部屋中に鏡を付けるとそれだけで15%程度のダイエットに成功するという実験結果が出ているそうです。それは自分で自分をずっと眺める事になるので、「美しくなりたい」という欲求が湧いてくるからだそうです。そうなんです。繰り返しますが「美しい」事の最大のメリットは「美しい状態で在り続けたい」という願いが強くなる結果、健康的な体を維持するモチベーションが自然と働き、結果として健康的に生活できる可能性が高くなるという事なんですね。そんな訳では女性は(勿論男性も・・・)いくつになっても「美しくいたい」という気持を持ち続ける事は絶対に必要なんだと思います。



ところで最近、柄にもなくセットとメイクをしてもらいに行きました。私は「素肌美人」というのを一番だと思うタイプなので、普段はメイクをほとんどしないのですが、シミ・シワ・たるみの治療と共にトータルに人を綺麗にするには、メイクやヘアスタイルの研究も必要だと思ってチャレンジしてみました。仕上がりは「やはりプロがすると違うなぁ・・・」って感心! そんな世界にもその道のプロがいるもんで、その人達がするとまるで違う人になったような気になります。当クリニックでもこれから少しずつそんな事も取り入れて、プロのメークアップアーティストの方に実際に治療の終わった皆様にメイクをしてもらうというようなコラボ企画も考えています。乞うご期待!


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