
あけましておめでとうございます。異人館通クリニックの柴田です。旧年中はお世話になりました。当クリニックも2回目のお正月を無事迎える事ができました。これも一重に皆様のお陰と感謝にたえません。本当にありがとうございました。今年も、精一杯皆様のお役にたてるクリニックにしようと努力精進するつもりですので、変わらぬご支援を御願い申し上げます。
さて、2004年初めてのクリニック通信ですが、柄にもなく「クリニックの未来像」と言うものを考えてみました。皆様もおそらくお正月くらいは、(^_^;)、昨年を振り返り今年の目標を考えたりされると思います。 私も例にもれず今年の目標、みたいなものを考えてみました。

その前に皆様はどんなお正月をお過ごしですか?
私のお正月の過ごし方と言えば極めて地味でして、旅行などにはいかず、ひたすら自宅で休養です。 毎年、淡路島にあるホテルのおせち料理を注文するのですが、これは本当に美味しいんです。なんと大晦日に淡路島からわざわざ自宅まで、ホテルの社員が作りたてのおせちを届けてくれるのです。おせちも大量生産ではなく、ひとつずつ手作りされていて味わいがありますし、社員の方も丁寧に年末のご挨拶をされて行きます。宅急便で届く冷凍食品のようなものと違い、近頃にない人の温もりを感じることができ、サービス業の原点を見るようです。私は毎年お正月は、このおせちが届くのを楽しみにしています。このおせちと、お正月の為に仕込んだとっておきのワインで悦に入ります。

・・・とこんな事をかけば優雅なマダムのような感じですが、早い話が美味しいものを食べて、寝て、本を読んで、又食べて・・・と単なる「寝正月」なんですね。
私は自称、寝正月のプロですから、正しい寝正月をおくるための準備はしっかりします。まず、何はなくても美味しい食材の確保です。正月の数日間を過ごすための美味しい食材、ワインなどをしっかり仕込みます。それから読もうと思ってなかなか読めなかった本を取り寄せ、見たいと思って見られなかった映画のビデオを借り、好きな音楽のCDを購入。寒いといけないので膝掛けと最新式の加湿器も買って・・・。お正月は外に出ないから、年末くらいは最後の音楽コンサートに出かけたいのでチケットも手配して・・・。
自分の好きな事だったらてきぱきと準備ができる事が不思議です(^o^)。仕事もこれくらいてきぱきできればなぁ・・・(^_^;)

ところが、こんなぐうたらな正月の準備をしていて、昔と明らかに違うな、と思う事があります。それは、今年は見事に一歩も外に出ずに準備が終わった事です。今まではさすがにお正月準備の為に買い物くらいには出かけていましたが、見事に今年は一歩も外に出ず、すべてがインターネットで完結してしまいました。後で気付けば本当にこれは大変な事じゃないか、と思ったのです。美味しい食材、本、CD、家電製品、映画、コンサートチケットなど、何でもインターネットで注文してしまえるんですね。クレジットカードの番号を入力すれば後は自宅に届くのを待つだけ。

思えば子供の頃は1997年はノストラダムスの予言で世界は滅亡すると言う話に怯えていたし、1999年は世紀末、2000年はミレニアム、21世紀に突入したかと思うと2003年などは鉄腕アトムの誕生の年だったそうですね(ちょっと古いかな・・・)。
昔はそんな遠い将来が自分にやって来るなんて想像もできなかったのですが、あっと言う間に過ぎてしまいました。
私たちは変化の連続の中で生きているのですが、大きく変化しているようで、「寝正月」なんて素敵なコンセプトはこの何十年も変わっていない。おそらく50年後も「寝正月」って言葉はしっかりと使われているでしょう。
よくよく考えてみると、世の中の進歩って言うのは何十年も変わらないもの(おそらくこれは人間が本質的に求めるもの)を便利に早く届ける手段が進歩しただけなんだな・・・と思いました。

時代の流れは速いとか技術革新は凄い、十年一昔ではなく最近では三年一昔と言われる程変化の激しい時代だと言いますが、実際にはすべてが変化しているのではなく、変化するものと変化しないものがあって、人は変化しない本質的なものを、変化する便利な技術を使って手に入れるようになったんだなぁ・・・って思うんです。
そんな事をぼんやりと考えながら当クリニックで変化しないものと変化するものと考えてみました。変化しないものとは、やはりなんといっても「美しくなりたい」「元気に生きたい」などのニーズでしょうし、「ニキビが治った!」といった小さな喜びもその中に入るでしょう。一方で変化するもの、これは一般的に考えれば医療技術なのでしょうけど、当クリニックではCTスキャンを使う訳でもなく、ナノテクノロジーを活かした最先端医療を取り入れている訳でもありません。でも、強い味方はコンピューターやインターネットです。

寝正月プランを考えている中でふと、「便利になった技術を使って、わざわざクリニックに来て頂かなくても満足のいく結果の出せる医療を提供できないだろうか・・・」と思いました。手術などは物理的にクリニックに来て頂かなければできませんが、ピーリングやプラセンタ療法・イオン導入・処方化粧品など、実際にはクリニックに来て頂かなくても、もしくは初回に来て頂いただけで、後は自宅で行えるようにできる事は沢山あるような気がします。そんな事に思いをはせているとなんだかワクワクしてきました。

田舎の山奥に住んでいる人だって「美しくなりたい」と思っている人は沢山いるはずです。例えば最近の高画質カメラ付き携帯電話でお肌の様子を撮影して、定期的に送って頂くだけでも十分に安全な状態で治療を行うことはできるはずです。
そういえば、最近インターネットで「自宅でできる血液検査キット」と言うものを見つけました。早速取り寄せてみましたが、あなどるなかれ、結構本格的な検査ができるんですねぇ。医者の私が言うのも変なのですが「こんなのがあるんだったら病院に行かなくてもいいじゃない」って一瞬思った程です・・・(^_^;)

長い長い前ふりになってしまいましたが、やっとここで本題の「クリニックの未来像」につながります。(話の展開に無理があるかな?)今年は本質的に変化しないニーズを、変化する最新の技術でいかに便利に提供する事ができるか・・・と言う事に取り組んでいきたいと思います。もちろん医療業界には安全性や法律など諸処の問題があり、簡単にはクリアできない事が沢山ありますが、それでもなんとか一つずつ解決していけそうな気もします。又、このクリニック通信の中で具体的な取り組みについてはご紹介させて頂きますね。
それでは皆様、今年も何とぞよろしく御願い致します。
また、私と一緒の「寝正月」で体重が増えてしまった方には、七草粥ではなくダイエットビスケットをご用意して、御来院をお待ちしております!