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第1回 (2003年04月)「BOTOXの新しい施術~全ての治療は自分で試してみること」



こんにちは!異人館通クリニック院長の柴田です。


クリニックもオープンしてはや8ヶ月。ここまでこれたのも皆様のお陰と感謝にたえません。皆様から、お肌の相談を毎日うけておりますが、美容医療の世界も日進月歩ですので世界のどこかで常に新しい発見があります。それらを取り入れながら、一人一人にあった治療法をみつけようと日々奮闘中です。


比較的若い方のにきびやしみは、ピーリングの工夫やレチノイン酸の活用でかなり満足して頂ける結果がでるのですが、やはり苦戦するのは年配の方の悩み。その中でも特にしわやたるみです。自分でもコラーゲンやヒアルロン酸を打っていますが、目立たなくなる程度の効果はあってもそんなに長くはもちません。


クリニックでも、コラ ーゲンやヒアルロン酸注入には、ピーリングやイオン導入・プラセンタ点滴の併用をお勧めしています。しかし、ピーリングでシワやたるみを改善するには、3ヶ月以上続けてもらうことが必要ですし、年齢がいくほど代謝や細胞活性が悪くなるため、効果が出るのに時間がかかります。我慢しきれずあきらめてしまう方もおられました。



他にいい方法はないか、と探していた時に学会で聞いたのが、BOTOXの新しい打ち方。BOTOXは、そのものは美容外科では比較的オーソドックスな治療方法です。これは表情筋を麻痺させてシワをなくす薬ですが、額に打った場合は目が開けにくくなったり、目の周囲に打った場合は目が閉じにくくなったり…という副作用もあるので、 当クリニックでは積極的に使うのをためらっていました。ところが、そのBOTOXを皮膚の浅いところに打つと、筋肉は麻痺せずに、1ヶ月ほどでシワ やたるみが改善されると言うではありませんか!これはさっそく試してみなければ…!と、すべての治療は自分で試してみることをモットーとしている私は、友人のいる某大学の研究室からBOTOXを取り寄せ、後輩の美容外科医に 打ってもらうことにしました。


「浅く打ってよ!」と言って、おでこのしわと、気になっていた目の下のシワの付近に打ってもらいました。

後輩 「皮下(皮膚の下の脂肪の部分)に打っても多少は麻痺しますよ。僕の経験 では目の下はあんまり効きませんけど…」

柴田 「いいから打って! この前の学会で、××先生が発表してたの。浅く打っ たら麻痺せずにシワやたるみが改善するって…」

後輩 「『この注射は一生で一番痛かった!』って言ってた患者さんがいましたよ」

柴田 「え、、!?」

ちょっと引いてしまったが我慢できないほどじゃない。


目の下は内出血しやすいと言われていますが、私もやはり内出血してしまいました。しかし自分が打てと言ったのだから文句は言えない。ともあれ結果を楽しみにして帰路に着きました。


ところが!2-3日すると額の筋肉が麻痺し始め、4-5日もすると眉はぴくりとも上がらなくなりま した。(う~ん、これは効きすぎ!浅く打つように言ったのに!)やっぱり皮下じゃなくて皮内(真皮まで)に打たなくてはいけないようだ。おまけに瞼が重くなり、二重が深くなってにらんでる様な顔になってしまいました。

「、、、こ、、怖い顔、、」


あわてて後輩に電話をする柴田 「麻痺を改善する方法あったでしょ。低出力レーザーだったかな…。」

後輩 「さぁ、知りませんねえ。おでこのしわがなくなって良かったじゃありませんか。ボトックスってホントに効果あるんですよね、、。速効でしょ」

柴田 「・・・・・」

かなり脳天気かつ無責任なやつだ。


このまま3ヶ月も怖い顔のままなんて、、。

(怖い者見たさで人の不幸が好きな方は是非来院してください。私の顔が怖いからと言っても決して機嫌が悪い訳ではないですから、、あしからず。)


これはダメだ、と他の方法を探す事にしました。

怖い顔なのはあきらめて、超吸収型のビタミンCやプラセンタ原液、ビタミンA、アルファリポ酸のクリームなどの新たな投薬を研究していた時のことです。

ふと鏡を見て、あれ!と驚きました。「目の下のたるみがきれいになくなってる!目の下の肌にハリが出て、しわもなくなってるではないか!」

BOTOXを打ってから10日ほどたった時のことです。あわててBOTOXを打った前後に撮っ た自分の 写真を見てみました。明らかに違う!しかも表情には関係ないので筋肉が麻痺したためではない。


これは使える!!私はワクワクしてきました。


少し改善の余地はあるものの、この研究を進めて当クリニックの治療に使えるように しよう、と思っている今日この頃です。

乞うご期待!


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