第191回「平成最後の挑戦」

  

こんにちは! 柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。寒い日が続きますが、皆様風邪などひかれていませんか? 年末年始はいかがお過ごしでしたか? 私はと言えば、今年は当たり年なのか新春早々当たり(ってか当てられ?)ました…(^_^;)。最近続けて東京に行く機会があったのですが(どうして東京に行っているかは後で書くとして…)、新神戸まで〇Kタクシーに乗ったのです。そうするとどうも新米の運転手さんだったようで、横断歩道を自転車が渡ってきているのを全然見てなくて急ブレーキ!! 物凄い衝撃だったのですが、自転車をひく事はなんとか逃れました。まぁそれは良かったのですが、あまりにも衝撃が強くて私の方がムチ打ちになってしまいました…。私は過去に2回大きな車の事故に遭い、酷いムチ打ちになって入院した事もあるので、どんな症状がまずいかも分かっています。(元整形外科医だし、ムチ打ちの患者さんもたくさん診てきましたからね。)すぐに首と腰が痛くなって、後で悪化するのも分かっていたのですが東京に行くのに急いでいたので、その旨運転手に説明して「上司にちゃんと報告するように」と言って車を降りたのです。でも若い運転手だったので「もしかしたら報告しないかも」と思って名前を控えました。その日は東京日帰りだったので、帰りに乗った〇Kのまじめそうな年配の運転手さんに「今朝こんな事があったんですけど、ちゃんと報告されてるかどうか確認してください」と伝えると確認してくれて、やはり朝の若い運転手は上司に報告していなかった事が発覚。所長から電話があったので「連日の不祥事ってどーゆー事!?」(実はこの前の日も〇Kを予約していたのにコールセンターが登録し忘れて車が来ないというトラブルがあったのです)と怒ると、「も、申し訳ございません!!!」さすがに本人を連れて謝罪に来ました。なんと、本人は報告するのを忘れてたと言うんです!「本当か?? 黙ってたら分かれへんと思てたんちゃうの??」「いえ、本当に失念しておりまして…申し訳ございません!」しかし黙ってたにしろ忘れてたにしろ、どっちもどっちやん。若い運転手さんの将来を考えてここはきちんと大人が躾けてあげないと、という事で「どっちにしてもあかんやろ!!」…とビシッと言うと、「申し訳ございません…」とうなだれていました。

 

 

まぁ、人間って完璧じゃないからトラブルを起こす事もあるけど、その後の対応で全くその人の評価が変わってしまいますもんね…。企業が不祥事を起こした時とかでも謝罪会見などをテレビで行っていますが、その後の対応で見事に収まるケースもあれば、謝罪したのがかえって炎上したという事もあるので対応って難しいんですが、やっぱり最後は誠意だと思います。話に聞くところによると、企業が不祥事を起こした時の記者会見には「危機管理対応コンサルタント」という専門職の人たちが、謝り方や記者会見の質疑応答のシナリオなど全部お膳立てをして、責任者の人はそれに従って黙々と進めるのが一般的なんだとか。でもその後に炎上しているケースって、大抵が社長とかトップの人が出てきている会見にもかかわらず「原稿棒読み」って場合に起こる事が多いような気がします。人間って不思議なもので、顔の本当に微妙な筋肉の動きを読み取ってしまえるんですよね。緊張した時や嘘をついた時、申し訳ないと思っている時などに動く筋肉は大体決まっているので、相手はその微妙な違いを感じ取ってしまい「あ…すいませんって言ってるけど本心じゃないな…」なんて分かってしまう訳です。一流の俳優などは自分の顔の筋肉を自由に操れて表情を作れる訳ですが、それでも大物女優があるインタビューで「演技って本当に自分が心から楽しいとか悲しいとか思う事で、それが自然に顔に現れる事が一番大事なんです」って言ってました。そう言えば昭和の懐かしいCMで「うまいコーヒーを飲むCMって簡単なんだよ。だって本当にうまいコーヒーを飲めばいんだから」というのが流行りましたね…。(え?古い?)謝罪会見はやっぱり下手な演技指導より、心から「申し訳ない」と思う方が大事なようです。こればっかりはボトックスを使っても、そこまで微妙な表情は作れませんしね…(^_^)。

 

 

さて、なんで東京に行っていたかという話ですが、スレッドリフト(顔のたるみの部分に糸を入れて引き上げる治療)の研究のためなんです。このクリニック通信でも何度か書いたようにスレッドリフトも最近は進化してきたので、注射では限界のあるたるみに対しては取り入れようかと思い、セミナーに参加したり知り合いの先生に教えてもらったりして研究していました。そのような活動をしていると、スレッドリフトが上手いと定評のある先生が指導してくれるというような話がきたのです。薬品メーカーのMさんに紹介してもらったH先生は、形成外科で20年勤務し大学の助教授などを経て開業された正統派の、学会でも講演などをされている結構有名な先生で、手術も上手くいろいろな手技を教えてもらいに行くDrも多いのだとか。そんな偉い先生なのに気さくで、人物的にも素晴らしいとの評判です。Mさんから、私が親しいモニターの人を連れて行ってまずH先生に施術の見本を見せていただき、次に私が施術して指導を受けたいという大胆なお願いをしてもらったんですが、すんなりOKしていただけたとの事。しかも指導料は不要で、実際の施術料金だけでいいと言われたそうなんです。「ほんとにいいの? 申し訳ない気がするけど…」と何度も聞いたんですが、大丈夫ですとの事。なんて良心的な先生なんでしょう! しかも、東京でも人気のクリニックで予約はいっぱいのはずなのに、急いでいると言うと比較的早く予定を入れてくださったんです!

 

 

 

H先生とは面識がなかったので、事前に挨拶の電話を入れたところ、受付の方が「あ、Mさんの紹介の先生ですね? モニターさんを連れて来られるんですよね?」「はい! お世話になります。宜しくお願いします! H先生に一言ご挨拶をと思いまして…」「今日は長いOPでまだまだ終わりそうにありませんので、伝えておきますね。当日はモニターさんにH先生が施術をして、先生は見学されるという事でよろしいですか?」あれ? 話ちゃうやん。私も施術させてもらえるという話だったはずだけど…。その旨伝えると「ええ、そのお話も先生には伝えたんですが、半顔ずつ施術すると左右差が出るよ、と言われまして…。一応希望は伝えておきますね」でもせっかくモニター連れて行くのに実際に施術はさせて欲しいし…なんとか左右差の出ない方法はないかなど考えながら、当日モニターのKさんと東京で待ち合わせしてH先生のクリニックへ。少し早く着いたので受付で名刺を渡して挨拶し、「早すぎましたか?」と聞くと、「ちょうど先生の前にH先生が知り合いの方をモニターに呼んでいるので、その施術を見学されますか?」なんと、私が実際に施術をしたいと言ったので、その前にH先生の施術を見学できるようにわざわざ別のモニターさんを呼んでくださったという事だったんです! なんて親切な先生なんでしょう! 受付の方もとても優しくて、私たちが緊張した面持ちでいると「先生、神戸ですよね。私、神戸の出身なんですのよ~」などと話しかけてくださいます。神戸のお土産をお渡しすると「まぁ! フロインドリーブ、懐かしい~!」と喜んでくださいました。待合で待っている間周りを見渡すと、あちこちに学会の賞や盾などが飾られています。クリニックの内装はラグジュアリーではなくどちらかというと簡素な感じ。そして先生が自分で患者さんを診察室に呼び入れられています。こんなに偉い先生なのに、とびっくり。真面目で誠実なお人柄がうかがわれます。

 

 

しばらくするとH先生が来られました。慌てて名刺を出そうとすると、受付で名刺を渡したからか「あ、いいですよ、いただいてますから!」と言われます。「本日はお忙しいところ、無理なお願いを聞いていただきましてありがとうございます。宜しくお願い致します!」と挨拶すると、「いえいえ、遠方からわざわざお越しいただいて、ありがとうございます」…なんて丁寧な先生なんでしょう。そしてH先生はPCを使って「落ちてきた脂肪を元の位置に戻す」というスレッドリフトの理論から説明してくださって、実際に解説しながらモニターさんへの施術を見せてくださいました。その理論や手技は今まで見たセミナーや動画とは全然違い、理にかなった素晴らしいもので、なるほど、と感心しました。スレッドリフトのやり方は先生によって様々なようで、若い患者さんが多い先生はリフトアップより小顔重視なので、当院の患者様が求めるものとはちょっと違うなと感じていたんですが、H先生の方法はドンピシャでした。年齢と共に下がってきた頬やフェイスラインの脂肪を元の位置に近づける事によって、たるみだけではなく頬のコケやゴルゴラインまで改善するというものです。

 

 

そして次に私が連れて行ったモニターKさんに実際に施術。法令線付近は左をH先生に施術していただいて私が右を施術、マリオネットライン付近は左右逆にして左右差を少なくしようという事になり、H先生は糸を入れる深さや方向、麻酔の仕方など私の質問にも答えながら事細かに指導してくださいました。研修医時代でもこんなに丁寧に教えてもらった事はなかったので感激! そしてH先生に教えていただいた通りにしただけなんですが、付いていた看護師さんに「先生、お上手ですよ!」と言われました。「本当ですか??」もちろんお世辞も入ってるんでしょうけど、「先生本当にお上手ですよ。実は研修の先生よく来られるんですけど、中には見てられない先生もおられるんですよねぇ…」と裏話もポロリ。見てられなくなくてよかった…。こういう実技って3次元的なカンとかセンスが大事なんですよね。そしてKさんの仕上がりは…「わぁ~!! すごく若返った!! 全然違う~!!」と本人もビックリ。(すいません…なんかすごくできすぎた話だと思われるかもしれませんが、これは本当です。私から見ても「これは絶対良くなったよね…めっちゃ若返ったやん!!」って思いました。)Kさんは20代の頃から知ってるんですが、昔からすごく可愛くて顎のとがった美人でした。40歳になった今でも綺麗ですが、お手入れを全然していなかったそうで、フェイスラインや頬はちょっとたるんできたかな…という感じだったのが、なんと昔に戻ったみたいです! もちろん、落ちてきた脂肪の塊を重力に逆らって細い糸で釣り上げるのですから多少のくぼみやひきつれは出ますが、そんな事は全体の若返りに比べたら無視できるほどの効果です。H先生のお話では、糸はどうしても緩んでくるので、少し過矯正(引き上げ過ぎ)にした方が1~2日で少し緩んで丁度良くなるのだとか。どうしても気になる凹みは2日後くらいに戻して、それでも気になる時はヒアルロン酸を少量注入するという事でした。H先生は糸を保存する真空容器まで教えてくださり、私が緊張してると「神戸はこないだゴルフに行きましたよ」とか気さくに話してくださったり、本当に優しくて素敵な先生でした。

 

術後の注意を聞いてお薬をいただき、看護師さんも遅くまでお邪魔したのにとても親切にしてくださったので、Kさんと感激しながら御礼を言ってクリニックを後にし、いざ打ち上げのイタリアンへ。Kさんは大きな口は開けにくそうでしたが、「ワイン飲んだら痛くなくなってきた! ほんとにいい先生でしたよね~!! 受付の方も看護師さんも優しかったし。ほんと若返って嬉しい~!!」とご機嫌でした。翌日、H先生を紹介してくれたMさんに電話で御礼。「ほんと良かった~!! めちゃくちゃいい先生やね~!! わざわざ知り合いのモニターさんまで呼んでくれはって、めちゃ丁寧に教えてくれはってん!! すごい勉強になった~! やり方も理にかなってるし効果もすごいし、目から鱗やったわ~!!」Mさんも喜んで「それは良かったです! 私もよく糸や手術の上手い先生を教えてくださいって頼まれるんですけど、H先生は技術的にもお人柄的にも間違いないんで、よく紹介するんですよ!」と。そうか~、やっぱりね。…と感心しながら教えてもらった事を整理してると、聞き忘れた事や疑問点がいくつか出てきました。あれだけ丁寧に教えていただいたのにさらに質問するのは気が引けるし、MさんもH先生とはいつも電話で、メールのやり取りはした事がないと言っていたのでお手を煩わせるのも申し訳ないと思い、2日後にKさんが診察に行く事になっていたので、Kさんから質問事項を聞いてもらう事にしました。Kさんも若返った感激が落ち着いてくると所々のへこみが少し気になってきたとの事だったので、戻した時はその経過も教えてもらう事に。

 

 

ところがその日は診察が混んでいて聞けず、「質問事項については、追ってメールにてご回答頂けるとの事…とても熱心な先生ですね、と笑顔で快諾頂けました!」とKさんからメールが来ました。へこみは2か所戻して、H先生は戻し方も教えてくださいましたが、戻すとやはりせっかく引き上げた脂肪も戻るし、自然にしてても緩んでくるので、自分は見慣れないので気になっても人から見て気にならない程度なら戻さない方が良く、1週間以上たっても気になる場合はヒアルロン酸を少量注入するので来てください、と言われたそうです。質問事項をメールで送ると、H先生は丁寧な回答をくださいました! 早速H先生が使われている糸と真空パック容器を取り寄せ、スタッフと自分で試してみる事に。自分で入れるのは少し難しかったんですが、その結果は…「おお!」最近新輪郭注射でも限界を感じていたフェイスラインの脂肪によるたるみが綺麗に持ち上がり、片方だけ施術した後は左右の輪郭が全く変わったんです! 「これやこれ! ええ感じやん!」スタッフも「全然違いますね! いいんじゃないですか?!」なんだか嬉しくなってきました。フェイスラインのたるみは自分でも気になっていたので、鏡を見る度に笑みがこぼれてしまいます。そしてKさんのへこみもその後落ち着いてきたらしく、2週間後には「頬のたるみ、毛穴が抜群に目立たなくなってきて、スレッドリフト万歳です!」というメールが来ました。彼女の満面の笑みが目に浮かびました…。

 

 

謝罪会見では下手に表情を作ろうとするより「心から申し訳ない」と思った方が絶対に効果が高いと書きましたが、美しい顔も同じである気がします。美しい顔って、ここで紹介したスレットリフトのようなテクニックを使って若返らせるという事と共に、本人がその若返った自分を見て「嬉しい!!」と心の底から思うという相乗効果で本当に魅力的な顔になるんだと思います。長年美容クリニックをやっていると、私やスタッフのみんなが「あ…結構いい感じになったな」って思っても、本人がなかなか満足しないケースも時々あります。そのような時は、確かに効果はあるのですが「美しい顔」になったかと言われると疑問が残ります。美しい顔って、心が満足する事でそれが顔の筋肉に微妙な影響を与えて、本当に「美しい顔」になるんですよね。そういう意味でも「魅力的な笑顔の人」とか「年をとっても年相応の魅力があっていつまでも美しい人」は内面も元気でないとなかなかその魅力を引き出せません。体調がいつも優れず疲れてばかりいる人はそこも改善しなくてはなりませんし、シワが気になっている人はそこのシワだけでなく皮膚の状態も若返らせ、トータルで「若返った」と自分自身が思う事で初めて「本当の美しい顔」になる…というのが、私の長年やってきた仕事の結論です。そんな訳で、今後は研究を重ねてこのスレッドリフトをメニュー化すると共に、トータルに美しくなる事を目指した新しいコンセプトのクリニックの開院を、4月を目処に準備しております。今年は平成最後の年。この記念すべき年に新しいクリニックで再度挑戦しますので、皆様是非ご期待ください!