第171回「美の雫」

  

 

こんにちは! 柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。爽やかな新緑の季節になりましたね。1年で一番いい季節じゃないでしょうか。皆様ゴールデンウィークはどう過ごされましたか?


私はと言えば…連休前にクリニックの予約帳システムに不具合が起き、その復旧に半分くらい時間を費やしてしまいました。例年は連休に大学の卓球部の試合があるので大抵応援に行くのですが、今年は大会の日程がずれたので応援に行けず、普段バタバタしていてできない雑用と予約帳の復旧で連休が終わってしまってちょっと寂しいゴールデンウィークでした。(予約帳の復旧には先月のクリニック通信に登場した、大学卒業後東京で就職した韓流B君がパソコンの遠隔操作で活躍してくれました。物理的に遠くに行ってもインターネットがあればどこにいても捕まってしまうので、彼もなかなかクリニックとの縁は切れなさそうです…^^;)

連休中は一日だけ友人とカフェのテラス席で春のそよ風の中、冷えた生ビールを楽しめたのがせめてもの救い。日本において、テラスで気持ち良く過ごせる時期なんて限られてますからねぇ。また、卓球の試合は見に行けませんでしたが後輩がスマホで実況中継してくれ、男女Aチーム・男子Bチームが準優勝、個人戦ダブルスも女子1組が準優勝、男子1組が3位という好成績を一緒に喜ぶ事ができました。(スマホの普及によって本当に生活が変わりましたよねぇ…。)去年は幹部の不手際などがあって祝勝会を中止しましたが、今年はまた祝勝会でもしようかな。

 

 

さて、スマホと言えばクリニックでは5月からスマホ対応になったホームページにリニューアルしました。その際に、人気の治療ではあるが種類が多すぎて分かりにくいと言われていたカクテル注射を一つにまとめました。基本のカクテル注射の成分を決め、追加の成分はオプションとして診察時に相談して決める事にしたので、分かりやすくなったとご好評をいただいています。今までと大体同じような価格になるようには設定したのですが、成分の量によって多少は価格が変わりますのでご了承くださいね。

カクテル注射の主要成分で、皮膚のコラーゲンを増やしてシワやたるみを改善するFGF(線維芽細胞増殖因子)の量は、今までは増減しても同じ種類のカクテル注射なら同じ価格だったので、症状の軽い方には割高に、重い方には割安になっていたのですが、今後は量によって価格が変わるので、今までより適正な価格になったと思います。でもFGFの追加は5μg以上は少し安くなるように設定したので、シワが深くてFGFが大量に必要な方には少し優しい料金体系になっています。そうは言ってもアンチエイジング治療やメンテナンスは早めにされる方が効果も出やすくお金もかかりませんから、あまり放置せずに早めのお手入れがお勧めです。(なんだか宣伝になってしまってすいません。)

 

 

さらに新しい治療も導入しようと、スタッフと一緒にミルクピールも実験中。痛がりのNちゃんは「めちゃくちゃ痛い!!」と言っていましたが、他のスタッフはヒリヒリするけど我慢できる程度という人が多く、私はあまりヒリヒリしませんでした。(面の皮が厚いのかな?)最初は輸入業者の営業担当の人が説明しながらデモをしてくれたんですが、その時営業の人が何か説明してくれる毎に私が「なんで?」「なんで?」と「なんで攻撃」を浴びせて営業の人が答えられず汗をかいていたと、後で博士ことKさんが大笑い。「先生のなんで?攻撃が面白かった~!」って、さすが博士と呼ばれるだけあって、Kさんは見てるところが違いますね。

 

さて実験の結果ですが、ニキビが酷かったK君は翌日からかなり綺麗になって大喜び。Nちゃんも施術中は「痛い、痛い!!」と大騒ぎなのに、研究日になるとミルクピールをしたがるので訳を聞くと、「ツルツル感が1週間くらいは続くのでやめられない」のだそうです。ミルクピールは4-5回するといいと言われていて、Nちゃんは潜入調査を含めてもう4回したので「そろそろ卒業やね」というと「卒業したくない!」との事。あんなに痛い、痛いと騒いでいるのに卒業したくないなんて、よっぽどミルクピールに魅力があるんですね。これは人気メニューになりそうです。

塗布時間や量、肌の強さなどによって、術後しばらくは赤かったりかさついたり、多少のダウンタイムが出る事もありますが、全くない事もあるので、シワやたるみには注射程の即効性はありませんが、注射後の腫れや内出血などのダウンタイムが心配な方や、注射後のお肌のハリの維持などにはいいかもしれませんね。

 

 

 

 

さて、連休明けには東京で美容外科学会があり、休み過ぎかな…と思いつつも情報収集のためにクリニックを休診にして参加しました。(皆様にはご不便をおかけして申し訳ありません。これも新しい治療の開発のため、大目に見てくださいね。)

 

しかし東京で学会と言えば、K氏とのグルメなしでは語れません。かねてから、韓流B君が東京で研修する際にはK氏を紹介するという約束をしていたので、3人で食事に行く事になりました。K氏と食事に行く時は大抵フレンチなんですが、最近はさすがに寄る年波のせいかK氏もフレンチは重くなってきたようで、何度か和食屋さんに誘われていました。しかし東京はやっぱり神戸よりフレンチやイタリアンが美味しいお店が多いので、「やっぱりフレンチかイタリアンがいいな~」といつも我儘を聞いてもらってたんですが、今回は2人なので我儘も言えずお任せしてたら、K氏は有名な割烹の大将が離れを作ってそこで自ら包丁をふるってくれる…という常連感満載のお店を予約してくれました。しかし韓流B君は完全な肉派で、魚は赤身と白身の違いしか分からないらしい。そんな高級割烹に連れて行くのはもったいない…と言うとK氏は一旦肉料理のお店も探してくれたんですが、やはりK氏はそこが良かったようで「肉料理も入れてもらうように頼みましたので」と、結局その高級割烹の離れに行くことになりました。

 

 

K氏とB君は初対面だったんですが、2人には私がお互いの話をいやほどしてたので、前から知ってるような気になってたようで、初対面とは思えないほど話が弾みました。ワイン通のK氏は和食でもシャンパーニュから始め、いきなりシャンパーニュを2本空けてしまってその後日本酒へ。お料理はウニやぼたんエビ・キャビア・アワビやカニなど高級食材のオンパレードです。手作りの生湯葉やうなぎの粽など凝った料理も盛りだくさんで、さすがの肉好きB君も「こ、これは美味しい…!」(それだけ素材が良ければ、美味しくないはずがないけど。)日本酒もいろいろな種類を大将が味見させてくれたのでつい飲み過ぎ、最後はみんなで写真を撮ったのも覚えてませんでした。(何しに東京まで行ったのやら…。)

 

でも素材が高級なだけではこんな満足を提供できるとは思えません。出汁にしろ、素材の下ごしらえ、そして器やお漬けものまでのこだわりがあっての事なので、日本料理の奥深さには改めて敬意を表しました。そんな話を大将にすると「ありがとうございます。でも本音を申し上げると最近はお客様の方がいろいろ料理や食材の事をご存知の事が多く、レベルが高い方が多いのでこちらも勉強に必死なんです…」との事。まぁ、たしかに当院でも非常に知識レベルの高い患者様が来られて驚く事もありますね。どこの業界も安泰はなくなり、常に勉強し続けなければならないって事でしょうか。

 

 

そんな訳で翌日は二日酔い気味で学会に出席する事に。当院ではシワやたるみ・クマにはカクテル注射、脂肪によるたるみには新輪郭注射が圧倒的人気ですが、シミや毛穴・美肌に効果的な注射が少ないので、何かいいものがないかなぁと探していたところ、ありました、ありました! 鮭から抽出したポリヌクレオチド(核酸)が主成分の「リジュラン」という注射です。


2009年に韓国の美容クリニックを見学に行った時に「これからはDNA注射だよ」と言われた事がありました。その後鮭のDNAから抽出した核酸を配合した注射が「サーモン注射」として日本にも上陸しましたが、何がいいのかよく分からなかったんですが…。今回の講演では、ポリヌクレオチドは表皮の基底膜や真皮の線維芽細胞に作用していろいろな成長因子の産生を促し、皮膚のキメやハリを回復するだけではなく、傷んだ基底膜を修復して炎症や赤み・シミ・毛穴も改善するという事でした。


写真では劇的な変化は分かりにくいが、患者様の満足度は非常に高く、かなり痛い注射だという事が難点であるにもかかわらず、リピート率は非常に高いそうです。Nちゃんが痛くてもミルクピールをしたがるのと同じですね。ヒアルロン酸やボトックスを混ぜて注射してもいいとの事。表皮基底膜と真皮に作用するため、皮内注射で浅く細かく打つので余計痛いらしいのですが、皮下注射で同じ効果が出れば痛みは軽減するはずです(一般的に注射は皮膚に浅く打つほど痛いので)。
仲良しの担当者がいる輸入業者が輸入している注射だったので、早速半顔試験をして結果を提供するからサンプル頂戴…って交渉してみました。シミや美肌に効果的な注射ができそうでちょっと楽しみです。

 

 

 

話をグルメに戻しますが、グルメと言えば「美味しんぼ」だったり「クッキングパパ」なんかの漫画が有名だし、ワインなら「神の雫」だったり、小説やテレビ番組より圧倒的に漫画の方がこだわりのある作品が多いと思いませんか?

 

例えば海外だったらワインの評価はパーカーポイントのパーカーさんのように評論家とか権威をもった人(大体そういう人は業界雑誌などを主催しています。ファッション界であればヴォーグ編集長のアナ・ウィンターであったり…)の評価を前面に出すのですが、日本の高級食材店とかでは「美味しんぼで紹介された」というようなPOPをよく見ますし、ワインショップにおいてはどこかのワインは必ず「神の雫」に出ていたあの幻のワイン…みたいな事が書かれてますよね。それって考えてみれば凄い事だなと思います。

権威って「よく分からないけどあの凄い人が言ってるんだからそうなんだろう…」って思い込ませるのと同じだと思うのですが、日本の漫画は何かそのような権威があるように思いませんか? 漫画の作者は権威ではないのですが、尋常ならぬ情報収集と勉強をし、それを分かりやすく一般人の日常を舞台にしてその仕組みやロジックを解説し、(たまには「それはないでしょ!」って事もありますが…^^;)読者はそれをきちんと理解して消化した上で楽しんでいるのです。よく分からない権威を無条件に信じる人達より、日本の漫画読者ってかなりレベルが高いんじゃないかな…と思います。要するに漫画で解説された内容に納得した人たちが「神の雫」で紹介された…というPOPを見てワインを購入してるんですよね。逆に言えば自分が納得しなければ買わないとも言えると思います。

 

 

実は、これは日本において海外の美容業界メーカーが非常に苦労している点なんですよね。一言で言えば「権威」が通用しにくいのです。日本の美容業界では消費者が権威を無条件に信じるのではなく「自分で納得しないと受け入れない」という傾向が強いようなんです。

海外だと「誰々が効果があると紹介した」という事だけで新しい治療や薬品が普及するので、海外メーカーのマーケティング担当者はとにかくカリスマドクターやカリスマモデルを作る事に躍起になります。ところが日本ではこの手法があまり通用しないらしく、マーケティングの担当者は非常に困っているらしいのです。

本の美容医療業界で一番有名な人と言えば何といっても「イエス! Tクリニック!」の院長ですが、彼は権威と言うよりはタレントや芸人の方に分類されているし(ただ、私は個人的には彼は美容医療業界への貢献は非常に大きなものがあると思いますし、真面目な取り組みも多いので一定の尊敬に値するとは思っていますが…)カリスマとはちょっと違いますよね。

 

海外メーカーの担当者の言葉を借りると「日本の消費者はレベルが高いのでやりにくい」のだそうです。かと言って、先に私自身も学会に出席して仕入れた情報を少し記載しましたが、誰でも分かるように書くというのは非常に難しくて、資料から切り出した専門用語が並んだだけの解説になってしまいがちです。

 

 

 


…という事で、私は日本の健全な美容業界の発展の為には、美容業界のあれこれをきちんと勉強して正確なところをを描いてくれる漫画家の先生にご登場いただくのが一番ではないかと思うんです。美容業界の海外メーカーのマーケティングの皆さんもおかしなところに宣伝広告費を使うのではなく、皆さんで基金を作って漫画家の育成を行った方が良いのではないか思います。美容業界の健全な発展の為に宣伝広告費から一部基金を出してもらい、若くて新進気鋭な漫画家を発掘し、私とコラボして新しい漫画を発行する。題して「美の雫」プロジェクトです!(…どう考えても質の悪いパクリですが、私の能力ではこの程度が限界でして…^^;)。このプロジェクトが実現した暁には、漫画の題名は漫画家の先生に考えてもらう事としましょう。)


この通信を読んで興味を持ったメーカーさんやマーケティングの担当の方は是非ご連絡くださいね!! まぁ実現は非常に難しい企画ですけど、何事も夢を持って言い続けるといつの日か叶う日が来るかもしれませんし。せっかく当院のホームページもスマホ対応にリニューアルした事だし、良い漫画家の先生との出会いがあるまでは、自分で少しずつでも「分かりやすい美容情報」をお伝えできるようにネタを仕込んでおくとしよう。いつの日かこの「美の雫」プロジェクトが実現するように、皆様も応援してくださいね。勿論、新しい治療の開発は今まで通り取り組んで行きますので、乞うご期待!