第161回 (2016年8月)「人生のステージ」

  

こんにちは! 柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。今年の梅雨は暑かったですね〜。まるで梅雨が明けたのかと思うような日が何日もありましたが、皆様いかがお過ごしでしたか? 私はと言えば・・・この梅雨の時期が誕生日だったんですよね。私の誕生日はほぼ夏至と一緒なので、いつも「こんなに暑くてジメジメした時期に生まれて・・・」って言われます。好きでこんな時期に生まれてきた訳じゃないんですが・・・。さすがにもう誕生日がめでたい年でもなくなってきましたが、食いしん坊の私としては、誕生日は格好のグルメの口実です。誕生日にかこつけて、普段行けないレストランに行ったり、飲み会をしたり・・・。しかしこの年になると、フレンチやイタリアンのフルコースは量的にもしんどくなってきて、レストランに付き合ってくれる人が少なくなってきました。いまだにフレンチやイタリアンレストランに付き合ってくれるのは東京のK氏か、たまに会う整形外科時代の後輩や卓球部の後輩くらい。しかし、誕生日にかこつけて後輩におごってもらう訳にもいかないし、この時期は学会もあまりないので東京に行く機会もありません。昔に比べたら誕生日祝いも減ったな〜とちょっぴり寂しい気もしますが。(それでも何回かはしましたけど。何回したら気済むねん!?) ただ幸いこの時期には卓球部の新歓コンパがあるので、大抵現役の学生達がコンパの時にケーキやお花でお祝いしてくれます。クリニックのスタッフ達もいつもお祝いしてくれるので、若い人達に祝ってもらうのは嬉しいですね。(年とった証拠かな?)



まぁそろそろ、誕生日だからと言って、うかれていられない年になってきたのは事実です。当院は美容やアンチエイジングを専門としていますので、医者の不養生ならずとも私自身がこの歳で老けこんでいるようでは患者様への信頼も欠けてしまうので、グルメばかりに走らず自分自身の健康の事も、より良く年を重ねる方法も考えねば・・・と思うようになってきました。健康と言えば、先月のクリニック通信に書きましたが、6月の抗加齢医学会でGoひろみに影響されてから、筋トレとスロージョギングは続けていました。スロージョギングというのは笑顔で話せるぐらいのスピードでのジョギングですが、細切れでもいいというので通勤や休み時間、トイレの移動など、歩くところをできるだけ走るようにしたら少し筋力は付いたような気がして体調も良くなってきたんですが、今度は膝が痛くなってきました。去年も膝が痛くなって診てもらった整形の先生に再度診てもらうと、関節裂隙(大腿骨と脛骨(膝から下の骨)の間の隙間)が去年より少し狭くなってるかも・・・と言われて、がぁ~~~ん! 膝の関節裂隙には軟骨があって、その隙間が狭くなるって事は軟骨が擦り減ってるって事なんですよね。私の母が患っていて、私が整形外科医時代に人工関節置換術を執刀した「変形性膝関節症」の一歩手前という訳です。健康面では母を反面教師にしないといけないので、これはまずい! 先生にスロージョギングをしてるという話をすると、「健康を保つには歩く事が一番です。走るとエネルギーは消費しますが関節に負担がかかるので、速足で歩いてあとは大腿四頭筋(太腿の前面の筋肉)を鍛えた方がいいですねぇ」とアドバイスされました。整形外科も15年も離れるとちょっとカンが鈍ってくるんですね。うむ・・・やっぱりスロージョギングはダメだったか・・・。医者より健康オタクの友人Mに「スロージョギングより早歩きの方がいいよ」って言われてたんですが、また1本取られてしまった・・・。腹筋と背筋は基本なのでそれは続けるとして、スロージョギングは速歩に変更し、四頭筋訓練強化だ!(・・・これって明らかに医者の不養生ですねぇ・・・(^_^;)



そんな訳で自分の健康の事をあれこれ考えている時にちょうどタイミング良く営業に来られたのが「フィロルガBRM(Biological Raw Material)」でした。話は脱線するのですが、営業の仕事って本当にタイミングが命だなぁ・・・って思います。私のようなクリニックにも色々なメーカーさんや薬屋さんがあの手この手で売り込みを掛けてくるのですが、大抵は忙しいので電話で話もできないし、アポイントも取れないのできちんと説明を受ける機会もありません。ところが今回のように「ちょうどその事を考えていたタイミングで、たまたま時間のある時に」一本の電話がある・・・という事もあるんですよね。運というものか縁というべきものか分からないですが普段は取り合わない営業電話でも、そんな時は話を聞いてアポイントをお願いする事があります。今回はまさにそんな感じでした。



世の中には「100%Yesと言わせる営業のテクニック」みたいな営業マン向けの本が多数あるのですが、必要のない人にどれだけ話術巧みに言っても効果はなく、必要としている人に必要なタイミングで提案するしか本質的に成功する方法はないと思うんですよね。私の知り合いに保険の営業の方がいます。彼は今は独立して自分の保険代理店を営んでいますが、以前大手外資系保険会社に勤務していた時は何度も関西地区でトップセールスマンとして表彰されていたので、社内では営業のカリスマ的存在だったそうです。そんな事は全く知らず、ある知り合いを通じてこの方を紹介していただいたのですが、最初にお会いした時は雑談ばかりで(またその雑談が面白いのですが・・・)逆に私のクリニックに患者様を何名もご紹介いただきました。彼は一切保険の話をしないので、逆にこちらから「保険はどうすればいいですか?」とお聞きしたところ「今のところ柴田さんには保険は必要ないと思います。必要な時は保険は非常に役に立つのですが、必要ない人には必要ありませんから・・・」と言って一切保険を売ろうとはしませんでした。その後、何度か萬事を相談する中で本当に必要な時にはきちんと説明をしていただき、私も納得して彼から保険を購入しましたが、後からカリスマ営業マンだった・・・と聞いて妙に納得しました。「必要な時に必要な方へ販売する」というのは営業の基本ですが、「必要でない方には販売しない」という事を実行できる人は少ないように思います。実はそれこそが「縁」を大切にする・・・という事なのではないかな・・・と思いました。



さて話は戻るのですが、フィロルガというのはフランスの大手化粧品メーカーで、フィロルガBRM(細胞再生療法)というのはフィロルガ社が開発、生産している胎児臓器療法による活力再生、若返りを目的とした注射です。幼羊の胎児から抽出、精製した成分を注射する事によって皮膚を含む臓器を若返らせる治療方法で、先日の通信で取り上げたスイスのクリニック・ラ・プレリーでの治療法とよく似た方法です。フィロルガBRMは羊の胎児の臓器別に、抽出液が単品では28種類あり、そのうち3種類を組み合わせたものが7パターン、4種類を組み合わせたものが2パターンあります。羊の胎児の臓器から抽出した細胞はヒトでも同じ臓器に集まり、その臓器を若返らせると言われています。そのアンチエイジング効果は絶大だそうで、元気になったとか目が良く見えるようになったとか、更年期障害や精力減退・アレルギーの改善、肌の弾力の回復などに目を見張る効果があるという声をよく聞くのだとか。最近は海外では勿論、日本でも取り入れているクリニックも増えてきて、筋肉注射10回が1クールなんですが、お値段は30万から50万円。かなりお高いですが、クリニック・ラ・プレリーに比べると約1/10のお値段ですよね。それで世界中からセレブが集まるクリニックの治療と同じ効果が得られればお安いかも・・・。しかし、気になるのはその安全性です。クリニック・ラ・プレリーでは、羊も独自の牧場で育て、海綿状脳症や感染症の心配は一切なく、滅菌や品質管理も完璧だと言い切っていましたが、こちらはどうなのか? 営業マンに突っ込むと残念ながら彼自身はほとんど答えられず、メーカーに確認するとの事。安全性に問題がなければ試してみようと思っていますので、皆様乞うご期待です!




もう一つ、この営業マンに提案してもらったものではないのですが、気になるアイテムをもう一つご紹介。その名もラシャス・リップス。1回塗るだけで唇がぷっくりして若々しくなり、乾燥もなくなってプルプルになるので、女医が買い占めて患者様まで行き渡らない・・・という噂のリップ。色付と透明があり、透明のものを広めに塗ると、唇の上のシワまで伸びるのだとか。ペプチドやコラーゲン、ヒアルロン酸、ビタミンや植物エキスが入っていて、「使用後数分で、唇をふっくらさせる効果が最大で80%増加し、その効果が最長4時間持続します。保湿効果は最長24時間持続し、極度に乾燥し荒れた唇でも、和らいだ心地よい感覚が続きます」という謳い文句。最初は学会のブースで見つけて塗ってみたんですが、「低刺激性・唇をボリュームアップさせる製品の中で唯一、刺激や刺すような感覚がありません」という謳い文句はウソでした。めっちゃピリピリするやん!「ほんまにふっくらするんかな?」半信半疑でしたが、翌日は確かに唇の乾燥がなくなっていたので、みんなで試してみようと取り寄せてみました。



大人気で欠品続出という話で届くのに随分かかりましたが、届いた時はちょうど唇がガサガサだったので、写真を撮ってから塗ってみると、翌日には唇のガサガサがいっぺんに治ってしまったではないか!! しかもホントにぷるぷるです。叶姉妹のお姉さんで叶恭子さんっていますよね。彼女の唇ってやり過ぎじゃないかな・・・って言うほどふっくらしてますが、そこまではいかなくても結構近いものがあります。そういう意味では効果テキメン! う・・・ん、でもこれちょっと効き過ぎちゃう?? ステロイド塗ってもなかなか治れへんかったガサガサがいっぺんに治るなんて、なんかややこしいもん入ってるんちゃうん?? 疑い深い私はまたもや営業君を突っ込んでしまいました。全成分を見ると、訳の分からん成分がいくつか入っています。それも聞いたけど営業君に分かるはずもなく、メーカーに確認します、と・・・。これも安全性を確認しないとね。大丈夫そうならしばらく使ってみて、また結果をご報告しますね。



「必要としている人に必要としているタイミングで」提案する事って、「縁」が関係するのでなかなか難しいですよね。先にご紹介したフィロルガBRMというのも幼羊の胎児から抽出する生物製剤なのですが、当院ではプラセンタという人気ナンバーワンの生物製剤があります。お値段もプラセンタの方がずっとお安くなっていますので、おそらく私の一番のお勧めはこれからもプラセンタだとは思います。しかし、どのような薬剤でも「人によって合う合わない」という問題がありますし、「料金は高くても更に効果の高いもの」を望まれる方もおられます。そして生物製剤のまだ科学的に解明されていない不思議な点として「ある人がある人生のステージで使用すると劇的な効果を出す事がある」という事です。巷の漢方製剤薬局に行くと「スッポンパワー」とか「まむしドリンク」などを見かける事があると思いますが、これもある種の生物製剤なんですよね。科学的にまだ証明はされてないのですが、ある種の人がある年齢になってこの手のドリンクを飲むと明らかに効果があるのだが、そのステージにない人には全く効かない・・・という事があります。一般的な傾向としてはある年齢に達するとか、加齢と共にある身体の機能が不全になる事によって、ちょうどその機能不全を補う事ができる場合に「劇的に効く」と感じるようです。つまり健康で若々しい人には生物製剤は効きにくいとも言えます。(あくまでも一般的な傾向ではありますが・・・ただ、普通は高校生がまむしドリンク飲んだりしないですよね・・・)そういう意味ではこの手の薬剤が「効く」のは人生のステージにおいて「縁」が必要だとも言えると思います。



私感ですが、これってある種、「超高級ワイン」に近いものではないかとも思うのです。一本何万円、何十万円もするワインってその値段を払っても満足する為には、そのワインそのものが美味しいというだけでなく、それを一緒に飲む仲間、一緒に味わう料理、そしてその時のシチュエーションなど、すべての要素が揃わないと「価値」を見いだせないのではないかと思うんです。貧乏性の私は何十万円もするワインなどはまだ自分で開けて飲んだ事はないんですが、もしかすると人生のどこかのステージで「本当に頑張った自分へのご褒美」として一生に一度は味わう機会に恵まれるかもしれません。通常の生活で何十万円もするワインが必要だとは思わないのですが、本当にそれを必要とする時にそれが無いというのもなんだか寂しい気もします。人の人生には色々なステージがありますので、「それを必要とするタイミングで、その価値を味わうに見合う人」がその種の高級品を入手する事ができないのも人生としてはある種寂しいものではないかと思ってしまいます。そういう意味では、広い年齢層の皆様に広く効果をもたらすという意味でプラセンタは非常に良いのですが、一定の年齢に達してそのステージに来た人には「フィロルガBRM」のようなものが必要になるかもしれず、こればかりは「縁」としか言いようがないと思います。人生を一生懸命頑張って来て、一定のステージに立った方が自分へのご褒美にちょっと高価ではありますが、本当に必要とするものを消費する・・・っていう事もあってもいいと思うのです。今の時代、平和な日本でのアンチエイジングの一つのあり方かな・・・とも思います。より健康に、より美しく・・・年齢に負けないように頑張りつつ、皆様のお役に立てて支持されるように頑張って、より良く年は取りたいものだと思う今日この頃です。