第158回 (2016年5月)「セレブ達への誘惑」

  

こんにちは! 柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。やっと春らしい気候になりましたね。皆様お花見には行かれましたか? 私はと言えば・・・この春は久しぶりに海外の学会に行く計画を立てました。去年は母が亡くなったり父が入院したり、いろいろあって海外には行けなかったし・・・。また以前このクリニック通信にも書きましたが、2013年にモナコの学会に同行した韓流B君が徴兵で2年間帰国してたんですが、兵役が終わったらまた神戸に戻って来てクリニックにバイトに来ると約束してくれたので、私も戻って来てくれたら海外の学会にまた行こうと約束しました。それからあっという間に月日が流れて早2年。韓流B君は兵役を終えて約束通りクリニックに戻って来てくれました。そこで私も約束を果たさねば・・・と、海外の学会計画を立て始めたのであります。2013年はモナコの学会は初めてだったので、いろいろ失敗もしました。2014年は大学の後輩Y君を連れて行ってリベンジしたので、今回はちょっと趣向を変えようかなと思い、モナコに行く途中にスイスにあるアンチエイジングの最高峰と言われるクリニック・ラ・プレリーに寄ってみようかなと思いつきました。去年東京のクリニックに潜入調査に行った時に、ラ・プレリーで開発されたという治療法を見つけて試してみたので、今度は本場で試してみようと考えた次第です。



クリニック・ラ・プレリーというのは、スイスのレマン湖畔にあるアンチエイジングのクリニックで、黒羊の胎児の肝臓の細胞抽出液を使った治療で有名です。簡単に言うと、オーベルジュが最高の食事をするために宿泊施設を兼ね備えた郊外型レストランとすれば、このラ・プレリーは最高のアンチエイジング治療を受けてもらうために宿泊施設を兼ね備えた郊外型クリニックというところです。実は私もオーベルジュのような、ゆったり宿泊してもらってアンチエイジング治療を体験していただけるようなブティックホテルスタイルのクリニックを作る事に密かな憧れを持っているので、このような施設は気になっていました。ラ・プレリーは1953年に瀕死のローマ法王がその治療で元気になった事から、一気に人気が出たそうです。(ただそういう情報はマスコミ受けするものの、私には反って信憑性を欠いてしまいますが・・・。^^;)知る人ぞ知るって感じですが、なんと日本にもエージェントオフィスがあるようです。そこで早速問い合わせてみました。ネットではそのクリニックの見学ツアーに参加した人のブログがあったので、1泊か2泊で、見学と話を聞いて良さそうならお試し治療なんかができたらいいな・・・と思ってたんですが、その考えは甘かったようです。エージェントからの返信は「原則としては日曜日から土曜日の6泊7日がリバイタリゼーション(細胞活性化治療)プログラムになっています。お部屋が空いていればウイークエンドパケージ(金、土)もありますが、あくまで6泊滞在プログラムのお客様を優先にしております。予約状況を調べながらご希望の日の2泊が可能か問い合わせ中です。ただ、せっかくスイスに行かれるのなら1週間の滞在をお勧めします。滞在中はメディカルチェック・活性化療法、スパのトリートメントも含まれていますが、自由時間もあり、クリニックをベースにモントルー、ジュネーブなどの町を観光する時間もございます。また、リバイタリゼーション療法を唯一受ける事ができるのはクリニック・ラ・プレリーだけです。ご検討いただければ幸いです。」



・・・なんと、基本1週間も滞在しないといけないのか・・・。さ、さすがヨーロッパセレブの御用達だけあるな・・・。しかし後日、部屋が空いていて2日間の滞在が可能だという連絡が来たのですが、料金が1泊1530スイスフラン、同室者は700スイスフランだと。ええ!? 1スイスフランが約113円なので、1泊17万円、2人だと25万円以上するではないか! これではぼったくりの(!?)モナコの高級ホテルより高い! 食事は3食含まれているそうですが、治療しなくても2泊で50万円か~。妄想の中でスイスの郊外でゆったりアンチエイジングの気分になってたんですが、さすがにこれはにわかセレブの私にはびっくりの値段です。うむ・・・。こうなると学会のついでにちょっと、という感じではないなぁ・・・。今回は諦めて、資料を送ってもらうだけにするか。・・・といきなり学会に行く前にカウンターパンチで現実に引き戻されてしまいました。クリニック・ラ・プレリーの話は以前東京のK氏からも聞いた事があり、この問い合わせの前にも相談したので結果を報告すると、「それはやっぱり、もっと年とって金と暇ができてからの方が良さそうですねぇ。(年をとっただけではそんな金と暇の両方を手に入れる事ができる人は少ないと思うが・・・さらりと言ってのけるのがさすがK氏だな・・・)今年はプロヴァンスにでも行かれたらどうですか?」と提案されました。プ・・・プロヴァンスかぁ・・・。なんか良く分からないけどロンドンやパリと言ったミーハー志向でもなく、ロサンゼルスのようなありふれた感もない・・・あんまり周りの人が行った事がないというレア感といい、プロヴァンスという響きはイスタンブールほどのエキゾチック感はないものの、確実にセレブっぽいではないか・・・。小さい頃の記憶でクイズ・タイムショックで全問正解した回答者にハワイ旅行の目録とハワイアン・レイをパンナムのスチュワーデスさんがかけてたシーンがをよぎります・・・(って古い? 分からない人は無視してもらって結構です・・・^_^) ここでまた天使達が私をセレブへの世界へ誘惑すべく魔の手を差し延べてきました。



K氏は毎年1か月ほどプロヴァンスに滞在するという大のプロヴァンス好き。K氏からプロヴァンスの話を聞いたり雑誌で写真を見たりする度に、いつか行きたいなぁとは思ってたんですが、学会の開催されるモナコからはかなり遠そうだったので、なかなか行けないと思っていました。
K氏:「そんなの、すぐですよ。マルセイユから車だと1時間ぐらいじゃないかな」
柴田:「ええ?! そんなに近いんですか?」
地図ではもっと遠そうなんですが、毎年行ってるK氏がそう言うならそんなに遠くないのかも・・・。と、K氏に乗せられてプロヴァンス行を計画してしまいました。しかし今年はクリニックでいろいろ問題が起きたりスタッフも入れ替わったりしてバタバタしたので、学会準備になかなか時間が取れず、気が付いたら飛行機もいっぱいでマルセイユに着いてニースから帰る便が見つかりません。仕方なくニース発着便を取って、移動の方法を考えました。ニースと言えば2013年にモナコに行った時に世界最高峰のスパで知り合ったエステティシャンのTさんが住んでいます。Tさんの甥っ子の神大生M君がクリニックにバイトに来てくれた事は以前のクリニック通信でも書きましたが、2014年にモナコに行った際にもTさんにお世話になったり、Tさんが日本に帰国された時はM君と3人で食事に行ったりし、M君は大学院を卒業するこの3月までバイトに来てくれていたので、またTさんに連絡を取っていろいろ情報を教えてもらいました。すると、どうもやはりプロヴァンスはニースからはかなり遠そうで、K氏が言うほど移動は簡単ではなさそうです。ニースからプロヴァンスに案内してくれるツアー会社も少なくて高く、1日10万円近くかかってしまうし、2年前にお世話になったちょっと頼りないけど個人で安く案内してくれるEさんもちょうどその時期は日本に帰るとの事で不在。結局プロヴァンスの案内はK氏の知り合いでプロヴァンス在住のYさんに頼み、ニースからプロヴァンスには韓流B君に行き方を調べてもらったりYさんやTさんに聞いたりして自力で行く事にしました。



出発前はさらに忙しく、2年前の学会前よりもひどい風邪が2ヵ月近く治らないまま、またもや熱と咳に悩まされつつプラセンタ注射を持参で出発する事に。そして今回は移動距離が長くて大変でした。K氏は15年以上毎年1ヵ月もプロヴァンスに滞在されてるので、地元のようにレンタカーで楽々移動されるらしく「B君にレンタカーを運転してもらえばいいんですよ」と軽く言われていましたが、B君は何年も運転してないので危険だと・・・。そこでニース空港から電車の駅までバスで行って電車でプロヴァンスに向かおうとしたら、バスが出たとこで20分待ち。仕方ないので駅までタクシーで行こうという事になり、バスの切符を払い戻してもらおうとしたらできないと言われ、そうこうしてるうちにバスが来て、駅まで行ったら自動販売機での切符の買い方が分からない。仕方なく緑の窓口(のようなところ)に行ってやっと切符を買い、どのホームかも分からないので人に聞きまくってやっと電車に乗りましたが、そこから電車で2時間半。1泊目のホテルは写真ではすごく素敵だったんですがめちゃ田舎らしく、駅にタクシー乗り場がなくてホテルからタクシーを呼ばないといけないらしい。ホテルに電話してタクシーを呼んでもらい、駅に着いたら本当に田舎の駅でタクシーはおろか、駅員もいない・・・。タクシーがちゃんと待ってくれてたので良かったんですが、ホテルまでがまた遠い。うまく電話が繋がらなかったりしてたら、野宿しないといけないところでした。




ホテルに着いたら夜更けでスパも終わってるし、お目当てのレストランはその日は休み・・・(:;)。仕方なくビストロで食事をしようとしたら田舎なので英語のメニューがないのです。さすがにフランス語オンリーだと解読困難・・・。英語が達者なウェイターもいなくて、B君も3年前は少しフランス語ができたんですが忘れてしまったとの事。仕方ない、こう見えても日本では結構フレンチレストラン行ってるんだから、メニューの一つや二つ私が見てあげよう・・・って事でいくつかのうろ覚えフレンチメニュー単語を頼りにセットメニューをオーダー。すると何が起きたのかすごい量の料理がどんどん来てしまうではないか。あぁ・・・。すごく美味しい訳でもないが、もったいないので無理して食べれるだけ食べて退散。この上なく疲れ果てた1日でした。こういう体験も何年かすると「あれはあれで楽しい旅の思い出だったな・・・」って思う日がくるのでしょうか? なんだかトホホ・・・という文字が頭から離れません。私をセレブな生活に誘惑した天使達が遠くに飛んで行ってしまったようでした。

翌日は日本人のYさんとご主人でシェフでもあるDさんがプロヴァンスの小さな村を車で案内してくれて、それぞれ景色も良く美味しい食事にもありつけたんですが、村と村の間も結構遠く、移動距離が長くて疲れました。そしてプロヴァンスからニースまでがまた長距離バスで3時間。学会会場に着く頃にはもうヘトヘト。



学会そのものは、新しい電動注射器を見つけたり、顔面の解剖と照らし合わせながらの注射のライブサージェリーなどが面白く、糖化(糖と蛋白が結びついて老化を引き起こす現象)やビタミンD、血液オゾン療法などの最新の話題などが聴けて有意義でしたが・・・。(今回もB君は通訳大活躍でした。)学会後はM君の叔母さんであるTさんと、可愛い混血の御嬢さんたちとも会えて、地元の人がいないと分からないお店でプロヴァンスのロゼワインやお土産を買えたり、美味しい塩やオリーブオイル・バルサミコなどをいただいたりして楽しく過ごせたんですが、今回の学会旅行で残念だったのは食事の半分が外れた事。(この事を友人Mに話すと「それって、旅行のほとんどの目的が達成でけへんかったって事やん」って言われました・・・。)2年前に行った時にめちゃくちゃ美味しいお店があったので、製薬会社の人たちに誘われた食事を断ってそこに行ったのに、味もサービスも落ちてて全然美味しくなかったんです(:;)。翌日その話を製薬会社の人にして嘆いてたら、「先生、本当に食べる事に賭けてますねぇ」と言われましたが・・・。2年も味やサービスを保つ事ってやっぱり難しいんですかね。でも2年前と同じ味やサービスを保っているホテルやレストランもあり、2回目の訪問だからか、さらにサービスが良くなっていたところもありました。そういうところはやはり常に改善を目指す意気込みが違うように思いました。クリニックも常に研究を怠らず、衰退しないようにしなくちゃいけないなぁと改めて思った次第です。



まぁ食べ物の恨み節はこの辺にして・・・。旅行中プロヴァンスのYさんが、「クリニック・ラ・プレリーに通っている人を見た事があるけど、70代とは思えないくらい元気で若々しく、実際に目の当たりにするとやはり凄い!!って思う」と話していました。今回の学会旅行は年甲斐もなくハードにしてしまったからか体力の衰えをめちゃ感じたので、その話を聞いて来年はやっぱりラ・プレリーに行ってみようかなと思って帰国後に送られてきた詳しい資料を見てみました。治療法はティースプーン2さじの薬を飲むだけで、効果は約2年持続するとの事。・・・ホントに? もしホントだったらそれこそ奇跡の治療ですよねぇ。事前検査を含めて1週間の滞在が必要だという事ですが、まぁそれは良いとしてですよ。皆さんもお値段気になりませんか? なりますよねぇ。ヨーロッパのセレブ達は若返りのためにどんだけお金使ってるん? 早よ教えて!(どうしてもこの辺から大阪のおばちゃんになってしまう・・・)な・・・なななんと1週間の滞在費が1名325万円! しかも「若返る」のではなく「老化を遅らせる」のだとか。最終的に患者が健全なライフスタイルを取り戻すのが目的とされ、実際には施術が終わった2~3ヵ月後に「何だか体調がいい」「周りの人から『元気になったね』と言われる」と言ったふうに効果を感じる事が多いらしい。投薬を受けながら、エステやフィットネスをするらしく、「投薬だけでフィットネスなどをしないのは、ここでの施術費を溝に捨てているようなもの」という説明をされています・・・(^^;)・・・そりゃそうだろうけど・・・。まあ、薬だけでは限界があるって事は理解しますが、よう考えたら内服やったら宿泊までせんでもええやんねぇ。2さじの薬飲むために、なんで1週間も滞在せなあかんの?(もう完全に大阪のおばちゃんモード。)



そう言えば、「ラ・プレリー」と言うとデパートで売っている高級化粧品と思う方も多いと思いますが、もともとはこのクリニックが開発した化粧品で、病院内で扱っていたものを病院がブランドごと某社に売却したものが化粧品の「ラ・プレリー」だそうです。クリニック・ラ・プレリーでは今は別の化粧品「SWISS PERFECTIONシリーズ」を開発し、販売しているらしい。う・・・ん。ちょっとこのクリニック・・・やり手と見たぞ(^^;)! つまり、薬だけでなくてエステやスパ、フィットネス、美容治療、豪華なスイートルームやレストランを備え、プログラムを組んで1週間の滞在が必要と謳い、セレブ御用達にする・・・というのは高級ブランド商売そのもの。やっぱり貧乏性な私はもうしばらくプラセンタ点滴と筋トレで頑張るしかないのか? 私のブティックホテル併設のアンチエイジングクリニックの夢は当分叶いそうにありません。いや・・・待てよ・・・。プラセンタ点滴とエセリスカクテルを投与しながら、神戸レディーススパと提携して(確かあそこにはフィットネスもあったし・・・)ホテルオークラに泊まってもらい、神戸の高級鮨「栄美古」で夕食というプランでどうだ! え? 高そう? だったらスパはクアハウス、宿泊はクアハウス自慢の個室カプセル、夕食は神戸きってのB級グルメお好み焼き「アイドル」って組み合わせもオプションで用意しよう!・・・と色々考えてたら完全に大阪安い買い物自慢のような発想ばかりでさすがに自分でも「こりゃダメだ・・・」と思う事しばし・・・。私には高級ブランド志向は全然向いてなさそうです。いつの間にか私の中であのセレブの世界へ誘惑した天使達は消えて、大阪のおばちゃん達が元気に毎日集うバザールのイメージが浮かびます。(市場だとあまりにも日常感出すぎなので、ちょっとはエキゾチックな雰囲気を出す為にバザールって感じがぴったり!)まぁ無理をせず、当院はセレブ御用達と言うよりは、地味にコスパのいい治療を追求していこうと思いますので、これからも宜しくお願い致します!