第58回 (2008年01月) 「本物の追求」

  

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明けましておめでとうございます。異人館通クリニックの柴田です。 旧年中は皆様には大変お世話になり、ありがとうございました。 おかげさまで5周年も無事過ぎ、クリニックは更なる発展を遂げようとしております。
今年はシミ・シワ治療に重点を置き、「本物」の治療を提供できるよう頑張りたいと思っています。本年もよろしくお願い申し上げます。

さて、年末は研究、研究で珍しくグルメに浸る暇もなく、あわただしく過ごした私ですが・・・年末にはいつも京都の高名なお坊さんが一年を象徴する文字を書く、という習しがありますよね。テレビでご覧になった方も多いと思うのですが、昨年を象徴する一文字は「偽」でした。赤福からミートホープ、不二家、吉兆・・・と、昨年は数え切れないくらい偽装事件がありました。こんな状態なので、本当に何を信じていいのかわからない・・・というのが正直な気持ちではないでしょうか? やはり、今の時代に多くの人が求めているものは「真実」であり「本物」だと思うのです。私どものクリニックも初心にかえり、「真実」と「本物」に基づいた治療を実施しなくてはならないと思います。

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私が提供できる治療の中では、一番この時流に沿ったものは現在モニター試験中のPRP注入法と言えるでしょう。PRP(多血小板血漿)はもう何回もこのクリニック通信に登場していますが、自分の血液から血小板濃度の高いPRPを作製してシワやたるみに注入し、血小板が放出する成長因子の働きを利用してシワやたるみを改善しようという治療法です。けがをして出血した際に止血をして傷を治そうとする血小板の力を利用するもので、自己治癒力を利用する治療法ですからまさに「本物」。人工的に加工された薬を使う訳でもなく、自分の血液から作る血小板を使うのですからこんな安全な治療法はありません。(論理的にも拒絶反応は発生しません。自分自身の血液から抽出するので当たり前ですが・・・ )注入後2-3日は腫れや痛みがありますが、それも体の正常な反応で副作用ではありませんから安心です。今まで安全と言われていたヒアルロン酸でも、最近ではではごく一部の人ではありますが、異物反応を起こして時間が経ってから注入部位が盛り上がったりする報告がされるようになって使いにくくなってきたのも事実です。しかしPRPは何回してもアレルギーの心配もなく、異物ではないのでもちろん異物反応など起こすことはありません。(残念ながらケロイド体質=傷が盛り上がる体質の方だけは無理ですが・・・ 。)注入する側としては研究も治療も非常に労力がかかり、血液を扱うのでいろいろ注意は必要ですが、注入される方にとってはこれ以上いい方法はないというくらいのものですから、いくら手間がかかっても社会に要求されているものであり、そういう治療を提供できるという事は幸せな事だと思うのです。

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去年の夏から研究に取り組み、青タンができず濃度の高いPRPの作製方法を開発するのに相当な時間を費やし、何百本もの試験管を実験に使いましたが、ついに「柴田式PRP」の作製に成功!ワクワクしながらモニター試験を開始しました。モニターにはメソセラピーでもモニターになってもらった事務長の知り合いのYさんとHさんにも声をかけました。(YさんとHさんについてはクリニック通信第32回をご覧ください。)この二人のシワとたるみを治せたら本物だ!と思ったので・・・ 。自由奔放なYさんに久しぶりに電話をすると・・・「ええなあ、そのシワ治療! そやけど私、来週から1ヶ月、家族放ってイタリアと紅海に行くねんやんかあ。旅行から帰ったら行くわ!」
さすがYさん・・・本当に奔放な人です。

そうして旅行後、2年ぶりにクリニックに現れたYさんは、例の調子で「なあなあ、めっちゃ男前連れてくるから待っときや!」とスタッフに前振りし、最近運転手として連れまわしているというジャニーズ系の甥っ子を連れてきました。「めっちゃ男前やろ!こんな男前やのに、彼女いない暦2年やねんで!」(うん。確かに男前だ・・・しかし彼女でけへんのはYさんがついてるからちゃう?)しかしYさんは残念ながらPRPのモニターには向いていませんでした。PRPのモニター試験の時は、注入する際に作製したPRPの血小板濃度を測らないと、どれくらいの濃度のPRPで効果が出るかを正確に把握する事ができないため、注入時にPRPを検査に出すことにしていました。血小板は時間が経つとどんどん壊れていくので、できるだけ早く検査に出す必要があり、採血時間と測定時間も計算して出すので、検査会社の人に頼んで待機してもらっていたのです。そのためモニターの方には予約時間にきちんと来ていただかなければ正確な測定ができません。しかしYさんは遅刻の王者。約束をぶっちすることもしばしばです。「今回は血小板を時間を測って検査に出さないといけないから、絶対に遅れないで来てくださいよ!」と念を押していたのですが・・・ 「わかった、わかった。30分前に行くわ!」
・・・結果はご想像の通り、予定時刻に現れることなく、モニター1号としての職務は果たせず・・・でした。
 

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逆にHさんはYさんと姉妹と思えないくらい真面目で、ご本人には申し訳ないのですがこれほどモニター向きの人はいません。 実際にクリニックにこられる患者様は「美容に興味がある」方が多いのですが、大きく分けて二つのタイプに分類されます。一つはいわゆるところの美人タイプでそのままでも十分に綺麗・・・しかし綺麗なだけに「この部分がどうしても気になって・・・」という方。 もう一方は殆ど美容には興味がなかったが、これ以上放置すると手遅れになる・・・と周りからも言われ、奮起して来院された方です。前者の方は非常に熱心に治療に取り組まれるので、効果も出やすいのですが、もともとが大した事がない部位なので、本人の満足度はあるのですが、写真などでは微妙すぎて効果がよくわからないというケースがあります。 逆に後者の方はそもそもが放置しているタイプなので初回は奮起するのですが、確実な効果が現れるまで治療を継続できないケースがあります。(わずか数回の治療なのに・・・もったいない話ですが。)その意味で両方のタイプともモニターには向きません。モニターには「普段はあまりお肌のケアなどに興味がなくて放置しているので深いシワや濃いシミがあるのだが、モニター期間中は根気強くきちんと治療に取り組んでくれる人」が理想です。普通はそんな矛盾した人はいないのですが、その非常に貴重な人の一人がHさんなのです。

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普段は畑仕事が趣味という(もしかすると本業ではないかと思うのですが・・・)Hさんは日焼け肌で普段はお手入れもされておらず、当クリニックで実施しているすべての治療を行うことができるのではないかと思うようなやりがいのあるお肌をお持ちです。(Hさん、ごめんなさい・・)
柴田: 「普段は洗顔の後はどんなスキンケアしています?」
Hさん:「へぇ? スキンケアですか? 何にも・・・」
柴田: 「特別なスキンケアではなくて、どんな化粧水をつけているかと言う意味
    ですが」
Hさん:「化粧水? つけてません」
柴田: 「え? 何にもつけないのですか? お肌乾燥しませんか?」
Hさん:「いっつもガサガサなんで、特に気にしたことないですわ」
・・・てな感じなのですが、モニター試験にはきちんと協力してくれます。
柴田: 「この治療は数日間かなり腫れますが大丈夫ですか?」
Hさん:「全然かまいませんよ。 第一私の顔なんか腫れても誰も気にしてないし。何でもじゃんじゃん
    やってください」
おぉ・・なんと頼もしいモニターなのでしょう。

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こんな人なので本当に「面白いほど結果がでる」のです。これが一般的にすべての人に当てはまる訳ではないと思いますが、写真でみてもその違いは誰の目にも明らかですし、治療前と治療後はまさに「驚く」と言うレベルの結果になりました。(クリニックに来院された皆様にはHさんの写真をお見せする事ができます。)写真よりもっと驚いたのは、Hさんに「触った感じが全然ちゃうねん。触ってみて!」と言われて「柴田式PRP」を注入した方の頬を触ると、つるつる、ふっくらして赤ちゃんの肌のよう! 反対側と全然違います。手もすべすべになって、「畑仕事してへんみたい」と本人も驚いていました。

Hさんを含め、「柴田式PRP」を試した方は顔・首・手を合わせて述べ13名。一般に出回っている高い試験管で作るPRPと半々で試したり、作製方法を少し変えて試したりしてみました。まだ注入後1-4週と経過観察期間は短いですが、「柴田式」では全員に効果が認められ、かなりの効果を自他共に認める方が13名中11名! それも1-3週間と、予想よりずっと早く効果が出ています。これに対して高い試験管では10名中約半数が変化なし、残りも3-4週で少し変化が出てきた、という程度。私も高い試験管のPRPを注入した顔の右半分は3ヵ月半でほんのわずか法令線が浅くなったかな・・・という程度でしたが、「柴田式PRP」を自分で顔の左半分に注入すると、10日くらいでシワが浅くなって、お肌もつるつるしてきました。元々血小板が多い人はPRPの血小板濃度も高くなるので効果が早く現れるようで、1週間からかなり効果が出た方も約半数おられました。元々血小板が少ない人はPRPの濃度も低くなるので、高い試験管のPRPでは効果が出にくいようです。しかし「柴田式」ではそんな人のPRPの血小板濃度もかなり上げることができるので効果が望めます。今後の経過をみるのが楽しみで、これを糧に今年も頑張ろう!という活力が沸いてきます。
 

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さて、もう一つ期待している「本物」は「夢美人」です。「夢美人」はプエラリアミリフィカというタイ原産のイモの粉ですが、「和田山のおっさん」(おっさんについて詳しくはクリニック通信第51・53回をご覧ください)がタイから持ち帰った正真正銘のプエラリアミリフィカを兵庫県和田山町で栽培したイモから作っています。豊胸効果があるということで巷にはプエラリアミリフィカ入りを謳った安いサプリメントもたくさん出回っていますが、第18回バイオメディカル分析科学シンポジウムで発表された国立薬品・食品衛生研究所生薬部の報告によると、夢美人からはプエラリア・ミリフィカのDNAが検出されたが、全国から集められた市販のいわゆる「プエラリア・ミリフィカ商品」の検体の大半からは、プエラリアミリフィカの遺伝子は検出されなかったそうです。タイでは本当のプエラリアミリフィカは絶滅状態で、亜種の「キャンデロイ」というよく似た他のイモが間違えてプエラリアミリフィカとして出荷されているそうで、巷に出回っているプエラリアはこれらの雑種が混ざっているのではないか・・・ということです。本物のプエラリアミリフィカでないと効果がなかったり、頭痛や吐き気がすることもあるそうなので注意が必要ですね。さらに、神戸大学大学院農学研究科の分析結果では、夢美人にはプエラリアミリフィカ特有のミロエステロールが含まれていることが証明されており、これはおっさん自慢の「本物」と言えるでしょう。

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もちろん天然植物であれば何でもよいと言うものではありません。現実に天然毒というものは存在しますし、毒キノコなどを食べることにより死亡するなどの事例は存在します。 しかし一方で人間は自然と何万年と向き合ってきた動物です。自然界に存在する毒についてはかなり高い確率で浄化する機能を備えています。人間の食べるものにごく微量の毒素が混じっていても殆どの場合は人間の代謝によって体外に排出されます。そもそも人間の体は食べ物にある程度、人間に好ましくないものも含まれている事を前提に消化活動や代謝は行われています。むしろその代謝は人間にとってある程度運動のようなもので、代謝不足は運動不足と同じように体を怠けさせる元凶であると言っている学者も多いようです。天然植物由来の治療はその意味で、人間の本来もっている機能を利用するので、やはり安全性と言う意味では人工的な合成治療薬を使うより高いのは確実であると思います。(もちろん、その分効果が現れにくいケースもありますが。)

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夢美人は昨年モニター試験を行ったところ、更年期障害の改善に100%、美肌に90%、豊胸に80%の効果という驚異的な結果が出て、正直驚きました。モニター20名中半数以上の方が引き続き飲まれるという高いリピート率を示し、「どんどん若返る」「もう手放せない」という声も上がっています。シワが気にならなくなり、メソリフトやカクテル注射の回数がぐっと減ってしまったという方や「プラセンタ点滴の必要性を感じなくなってしまった」という方もおられて、こちらとしては商売あがったり(?)なのですが・・・。今年はその夢美人をホエイに溶かしたローションがシミ・シワ・くすみに抜群に効くとおっさんが言うので、内服だけでこれだけ効果があるのだからさらに塗るといいのでは・・・と思い、使ってみるとなかなか良さそうだったので、夢美人ローションのモニター試験を行うことにしました。興味のある方はお知らせをご覧くださいね。

 
そうそう、そのおっさんはクリニック通信第53回で予言したように神戸大学に入ったそうです。事務長に「約束どおり大宴会せえよ!」と迫っているらしいのですが、普通に受験した訳ではないらしいので事務長は無視しているようです。厳密に言うと過去の研究の成果が認められて大学院研究生となった訳ですから、「本物の学生」かどうかは微妙ですが、論文を提出しそれが認められれば修士号を取れる修士課程にいる事は間違いないようです。以前のクリニック通信に記載しているように非常に「変わり者」のようですが、「夢美人」に関しては本物を追求する姿勢を一貫して通してきた人で、そこは見習わないと、と思います。 
私も今年は偽物の多いこの時代に求められている本物を追求し、シミ・シワ治療を極めようと思っていますので、皆様宜しくお願いいたします。