第45回 (2006年12月) 「浜オヤジの若さの秘訣は??」

  

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こんにちは! 異人館通クリニックの柴田です。急に寒くなりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか? 私はこの秋、一年半ぶりの小旅行で箱根の芦ノ湖の湖畔にあるオーベルジュに行ってきました。オーベルジュとはフランス語でレストラン付きの小さな宿屋という意味です。フランスの地方にはこういったオーベルジュが数多くあり、中にはあの有名なガイドブック「ミシュラン」でその評価の高さを表す星付きのオーベルジュもあります。(ヨーロッパでは郊外のオーベルジュで週末を過ごすのはかなりポピュラーな余暇のようで、日本でいえば週末温泉旅行・・ってところでしょうか。)ミシュランはもともと自動車のタイヤメーカーです。フランスではバカンスにはほとんどの人が車で出かけて美味しいものを食べ歩くので、ドライブルートに従ってレストランとホテルを紹介したのがガイドブック「ミシュラン」の始まりだそうです。美味しいものを食べ、ワインをたっぷりと飲んだあとはそのままゆっくりと泊まりたい、というのは休日を十分に楽しもうとするフランス人らしい過ごし方です。そんなお洒落な感覚を都会から離れた地で味わって欲しいとの願いから、芦ノ湖の湖畔に日本初のオーベルジュが開かれたということです。

 

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芦ノ湖を望む高台に建つ、南仏のシャトーを思わせる瀟洒なオーベルジュ。白壁のエントランスを入ると噴水や飾り井戸を配したフランス風の庭園が広がり、テラスからは芦ノ湖が一望できるとか。そして何と言っても期待は食事です。ここのシェフは「自然の中で育った美しい食材は、人々に健康と美を与える」という信念に基づいて徹底的な素材第一主義を貫いていて、野菜とハーブは自家農園で無農薬で育てたものを毎日直送し、魚介は季節感あふれる地物を使用しているそうです。美味しいものを食べて綺麗になれるなんて願ってもないこと。でも、本当に美味しいのかな? 日本を代表するオーベルジュとも言われる「O」はそうでもなかったし・・・と、期待と不安に胸を膨らませながら久々の小旅行に出かけました。

オーベルジュに向かう山道はカーブの連続で、「箱根の山は天下の険」とはよく言ったものです。「本当にこんな山奥にそんなお洒落なオーベルジュがあるの?」と疑うくらい。ドライブに出たのが夕方の5時を回ってしまい、急カーブの連続する道は真っ暗な上に、どこを通っているのかわからない・・・カーナビゲーションだけが頼りです。ちょうど裏六甲をもっと暗くしたような道が延々とつづき、殆ど他に車は走っていません。

 

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しかし、本当にありました・・・噴水のある庭園の奥に、瀟洒な白い建物が。(と言ってもその全貌を見たのは翌日でした。着いた日はあたりは真っ暗で照明に照らされたお洒落なメインの建物が見えただけでしたが・・)庭園も建物も、お部屋の雰囲気もなかなかいい感じ。ほっと一息ついて、お風呂に入った後、待望の食事です。庭園の中のガラス張りのレストランで、まずはグラスシャンパンを。なみなみと注がれたシャンパンがとても美味しくてびっくり!これは幸先がいい感じです。周りを見てみると、若いカップルは1組だけで、私の隣の席には老夫婦と中年のカップル、女性2人連れが二組。とても上品で高貴な感じの老婦人もおられ、年齢層の高さに驚きました。一昔前(二昔かな?)に流行った信州などのペンションは若者向けでしたが、ここのオーベルジュはどうやらかなり違うようです。

 

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さて期待のお料理が運ばれてきました。カクテルグラスが逆さにお皿の上に乗っていて、それに盛られた小さな付きだし。付きだしを食べた後、そのカクテルグラスにスープを注いでくれるという演出です。懲りすぎてお味はいまいちなんじゃ・・という心配ははずれ、なかなか小粋なお味。だいたい付きだしが美味しいところはお料理も美味しいですよね。オードブルは近海マグロのカルパッチョと野菜のゼリー寄せ。これもなかなか美味しい。自家農園があるだけあってお野菜の味が濃い! 続いて鴨とフォアグラのテリーヌ、伊勢海老のスープ。このスープの濃厚な味わいには驚きました。お魚は鱸とひらめ、これも良かったけど添えられた海老のぷりぷりさにはびっくり! お肉は鹿と牛頬肉でしたが、そのソースも絶品。久々に美味しいところめっけ・・・! ボトルシャンパンのロゼを頼み、大満足のディナーでした。

 

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翌朝、小鳥のさえずりと共に目を覚ますとテラスからは本当に芦ノ湖が一望!林の中を散策し、少し離れた別館のレストランで朝食です。私はいつも朝食を食べないので何年かぶりの朝食でした。にじますの卵の乗ったかわいいスクランブルエッグと岩塩をつけて食べる温泉卵は絶品! 北野の某ホテルの「世界一の朝食」というのを何年か前に食べに行き、「どこが世界一やねん」と思ったことがありますが、その世界一の朝食よりよっぽど美味しい。サラダは野菜の味が濃すぎてちょっと苦かったけど、自家製のパンや新鮮なミルクとカフェオレはとても美味しく、満足でした。 朝食後、フランス風の庭園を散歩していると私たちの車の隣に横浜ナンバーの目のさめるような黄色いセリカが停まっていました。典型的な遊び人の車です。「ああ、昨日いた唯一の若いカップルの車だろうな」と思っていたのですが・・・。ブティックで野菜のマリネや鴨のコンフィなどを買い込んでチェックアウトを済ませ、車に乗ろうとすると・・何と隣のセリカは70歳は悠に過ぎていると思われる隣にいた老夫婦の車だったのです! 颯爽と車に乗り込むと「ゴォ・・・ン!!」と言う爆音でエンジンスタート。クルリ、とUターンをしたかと思うとエンジンの音だけを残して芦ノ湖畔のドライブウエイを森の中に消えていきました。一瞬のことに呆然と立ちすくむ私達。「やっぱし、浜のオヤジは違うなぁ・・そういえば、アルマーニのセーター着てたよなぁ・・」

 

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最近の流行語で「チョい悪オヤジ」と言うのがあるそうで、男性雑誌なんかでも「もてるチョい悪オヤジになるには・・」なんて特集をしているようです。 新幹線の中で雑誌を読んでいると「丸の内で働くOL、100人に聞いたチョい悪オヤジ像」と言うような記事がありました。
1)容姿端麗、イタリアブランドの服などを颯爽と着こなしてお洒落にうるさい
2)レストランやバーなど最新スポットだけではなく、隠れ家的スポットにも詳しくエスコート慣れしている
3)英語を始めとした外国語に堪能で、仕事での海外出張も多い(当然お土産も海外の珍しいもの)
4)ゴルフは接待でなく、プライベートでもっぱら楽しんでいる(お父様から受け継いだ名門コース会員権所有)
5)車や時計などはさりげなく、こだわりをもった一級品である。
などなど・・・。 「はぁ? オイオイ、そんなオヤジがこの世の中にいるわけないでょ・・」 と思って読んでいるとやはり、インタビューを受けたOLの人たちに最後の質問で「そんな人は上司や知り合いでいますか?」についての回答は98%の人が「一人も知らない」。やっぱりなぁ・・・。そんな人がいたら紹介して欲しいわ・・ブツブツ・・。と幻想だと思っていた「チョい悪オヤジ」ですが、3)4)はともかく他の面ではクリアーしている人を初めて発見!! 浜ナンバーなんで3)4)もなんか期待できるかも。ああ、、、でもちょっとお年が召しすぎているような・・ もうちょっとお若いオヤジ様はいないものかしら。

 

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そんなこんなで感心しながら芦ノ湖に向かい、湖畔のホテルで一休み・・・と思っていると今度は湘南ナンバーの赤のセリカが。乗っていたのはこれもかなり年配の夫婦・・・。なんか服装もかっこいい。さっそうと背筋伸びている!(以前に勤めていた吹田の整形外科病院では絶対に出会うことのないオヤジ達が多数ここにはいるのだ・・)「おお・・やっぱし湘南のオヤジは違うなぁ・・・」 他にも多数お爺様と言ってもいいくらいの方が運転するスポーツカーを見かけました。こちらでは「浜オヤジ」が若者顔負けの様子です。そしてたいていお洒落な奥様同伴。やはりいくつになってもお洒落してオーベルジュや芦ノ湖に行こうという気持ちが若さの秘訣なんだろうなあ、と思います。
芦ノ湖の湖畔を散歩していると温泉を見つけて露天風呂を楽しむことができ、「これぞ箱根の正しい使い方・・」と友人と共に悦に入ってしまいました。そしてオーベルジュでランチを取るとグラスの白ワインが絶品! ランチでこんなに美味しいグラスワインがのめるなんて・・・と感激。しかしそのオーベルジュの庭でのランチでも、お洒落な浜オヤジに会ったのは言うまでもありません。浜オヤジの若さとお洒落さに感心しながら帰路につきましたが、帰ってからはネットでこの白ワインを取り寄せ、またまた白ワインブームが巻き起こったのです。

 

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ちょうどワイン好きのK氏が念願の新居を建てられたので、お祝いにこのワインを持って行こうという話をすると「何本か持って来て下さいね」と言われました。何せK氏はワインは10本単位で買う人なので・・。(そう言えばK氏も「チョい悪オヤジ」の条件をかなり満たしているなあ。「容姿端麗」かどうかは別として・・・。聞くところによるとK氏も芦ノ湖は好きでたまに行かれるとか。)最後に「チョい悪オヤジ」の主な生息地は芦ノ湖周辺である・・・。と勝手な結論に達しました。(今回見かけた方々は「チョい悪オヤジ」というよりは「チョい悪おじいさん」に近いのですが。) ただ、正確に書くと芦ノ湖周辺には「チョい悪オヤジ」も多いのですが、「チョい太おばさん」はそれを上回る数でいます。大型バスに乗って集団でお土産もの売り場に降り立つ風景はどこの観光地に行っても同じですね。なぜか必ず通常の陳列棚ではなく「ワゴン」の方に向かって集団を作るようで、こちらは必ず「旦那抜きの女同士」のようです。「チョい悪オヤジ」は夫婦同伴で、しかも奥様も「おしゃれ熟女」なのはなぜなのでしょう? なにか不思議な世界の交差する「芦ノ湖」へ皆様も機会があればお出かけください。皆様はもちろん「チョい太おばさん」ではなく「おしゃれ熟女」で行ってくださいね。冒頭のオーベルジュも名前は書きませんが、インターネットで調べるとすぐにわかると思います。 こちらもかなり「お奨め!」です。

 

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さて、話は変わりますが、もうすぐクリスマスなので、クリニック恒例となったワインサービスを今年はこの美味しい白ワインでしちゃいましょう。合言葉は「浜オヤジの若さの秘訣は?」です。 その若さの秘訣は、いつまでもお洒落して出かけようという気持ちが一番大切だとは思いますが、そんな若さを保つお手伝いを少しでもできたらなあ、と研究に励む今日この頃です。若返りの秘術としては今のところメソリフトが一番ですが、痛みに弱い人にはちょっと難関でした。その痛さも研究の成果でだいぶ軽減しましたので、クリスマス前に一度試してみて下さいね。そしてクリスマスは、浜オヤジ達に負けないようにお洒落して出かけちゃいましょう!