第18回 (2004年09月) 「恋の季節??」

  

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こんにちは。異人館通クリニックの柴田です。
とうとうやってきますね。何がって?
じゃーん!「食欲の秋!!」です・・・ (^o^) またその話か、って思わないでください。今回はいわゆるグルメの話ではありませんので。(う~ん。でも秋の味覚の登場に浮き足立つ毎日ではあるが…)

当クリニックはご存じのとおり、痩身指導や生活習慣病の改善などの治療も行っています。そのような中でかなり頻繁に聞かれる質問があります。「先生、この前ビタミンCが体にいいって言われたからビタミンCのサプリメントをいっぱい買ったら、別の人がビタミンCの大量投与はムダだ、って言うし、雑誌にはエライ先生が、ビタミンはサプリメントの形で飲んでも効果は薄いので自然の食品の中からとりなさい、って書いているんです。一体どれを信じていいのかわからないんですよ…」
ビタミンじゃなくても、鉄分とかカルシウムとか何でもいいのですが、大体において色々な人が色々な事を言っているので、何を信じたらいいかわからない、って事ですね。

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骨粗鬆症にカルシウムが必要って言うから無理して牛乳を飲んだり小魚を食べたりしていたら、「牛乳を飲んでも骨密度の改善には関係ないんですよ」って言われた、というような話はよく聞きます。確かにこれだけ情報が氾濫すれば一体何を食べたらいいのかわからなくなりますよね。私たちが読む学会雑誌などにも次々に研究結果などが発表されますが、時には正反対の事が書かれている事も珍しくないのです。恐らく専門家といっても完全にこの事に答を出す事ができる人はいないのではないか、と思ってしまいます。

この問題に自信をもって答える専門家はいくつかのパターンがあるようです。
例えば、自然絶対主義派。この派の人は 「人間は自然のものを食べるのが一番です。人間が加工を行ったものは必ずなんらかの悪影響があります。そもそも太古の人類は…」という論点で始まります。自然のものを自然な形で食するのが一番ということです。なるほど私も基本的には賛成ですが、一方で「毒キノコとか覚醒効果のある植物なんかもあるから、自然であれば何でもいいって訳ではないよね、」と頭をひねります。

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そのような意見には動物選択本能信仰派の方が答えます。
「だいたいね、動物は体に悪いもんなんか食べないんですよ。生物は自分の体にいいものと悪いものは本能的に区別がつくんです。人間だけがおかしな生き方をしているんです。狂牛病なんかも、本来牛は草しか食べないのにお乳が濃くなるとか言って肉骨粉なんか草に混ぜて食べさせるからおかしな事になったんです。あれは神への冒涜です。」って具合。 ただ、神様には申し訳ないのですが、人間の作った工業製品(薬)などで多くの人が病気から回復したのを臨床医として観察した事がある私としては、次の食品機能論派の人の意見も一理あるように思います。

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「食品は分析していくといくつかの機能をもった栄養素に分類できるんです。確かに昔は自然の食事ですべてうまくいっていたように思えますが、現代の生活は100年前と比べて大きく変化してしまったのです。必要としている栄養素も大きく変わってしまうのは仕方がない事なんです。ビタミン類なども通常の生活をしていると不足してしまいがちで、それが原因で引き起こされる病気も多いんです」…と。

私も一応は西洋医学を学んだ人間なので、最後の食品機能派に近い考え方を持ってしまうのは事実です。ただ、実際に患者様の治療にあたると論理では割り切れない現実が多いですね。 どちらかといえば論理信仰型で大量のサプリメントを飲む人に病気の人が多く、そんな事は気にもかけずに自然な生活をしている人が元気いっぱいという例は沢山見てきました。ところが今度はサプリメント過剰摂取の病気オタクの人が案外長生きをして、健康バリバリだった人がある時にぱたん、と逝ってしまわれるのも沢山、目にしました。

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そこで最初に戻って患者様の質問になります。
「結局、私はどうしたらいいのですか?」
その答えは
「一人一人の体が違いますので、全員に良いという方法はありません。その人に合ったやり方で進めていくしかないです」 
って事になります。「なぁんだ」とガッカリされちゃいましたか?あまりにも当たり前の結論にそう思われるでしょうね。

ただ、美容医療の観点から言えば、もう一つ重要なアドバイスがあります。
栄養は不足していても過剰でもよくないので、「適正な」栄養がとれている事が必要です。ところが適正な栄養がとれているにもかかわらず、肌があれるとかニキビが治らないとか、シワが増えた、など悩みが解消されない人が多いのです。それは、ある種の「刺激」がないからだと言えます。例えばケミカルピーリングという人気の治療がありますが、これは多くの人がニキビやシミなどのある皮膚をヤスリのようなものではぎ取ってくれる、と勘違いしています。しかし皆様はご存じのとおり、ケミカルピーリングで剥離する皮膚はとても薄くてシミの細胞を削り取るような事はできません。

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それなのになぜシミが薄くなるかといえば、表面を薄くピールする事で肌のターンオーバーが活性化されて早まり、シミのある細胞を新たに生成してきた細胞が押し出そうとするからです。つまり、ピーリングは考え方によっては肌に刺激を与えただけなのです。
人間の体はある刺激がきっかけとなって劇的に変わっていくことがよくあります。もちろん、その前には変わる為の準備が十分にされている事が必要です。(例えば栄養を十分に摂取している、適切な運動をしている、ストレスを過剰に貯めていないなど)準備がいくら入念にされていても、最後に背中を押してくれるような刺激がないと変化が見られないという事はよくある事です。病気や怪我の人は外部から刺激を与えるまでもなく、すでに体の中で戦いが行われています。よって、できる限り安静にして体力を温存しておくべきです。ところが健常者の方は適切な刺激がないために変化が見られないという事が多い訳です。

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刺激は強すぎても弱すぎても良くないので、適切な刺激を与えるという事については、今後益々研究が盛んになっていく分野です。当クリニックで行っている治療の大半は、この「適切な刺激」をどのような形でどの程度与えると副作用が最小限で効果が最大になるか、の研究結果で
あると言っても良いと思います。私の個人的な見解を申し上げますと、現代の生活をしている人で、ましてや当クリニックに来られる皆様で栄養が不足している、という方は滅多にいらっしゃいません。むしろ、過剰摂取の方が心配な方が多いです。 …ということは殆どの皆様は「更なる美人予備軍」なのです。準備は整っているので、後は「刺激」をどう与えるか、という事です。 当クリニックではこの刺激として薬剤や電気パルスのようなものを使いますし、自然の生活ではあり得ない濃度の高い酸やビタミンを投与するなどして、人工的に刺激を作り出します。

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ところが、よく観察するとこの刺激は必ずしも人工的なものでなければならないということはなさそうなのです。「最近とっても綺麗になりましたね」という方の中には「実はおつき合いを始めた人がいて、」って事が実に多いようです。「恋」っていうのも立派な刺激になるんですね。
「恋をすると女性は美しくなる」ということを医学的根拠をあげて真面目に研究されている方も沢山いらっしゃいます。この部分は私も無条件で「同感」しちゃいます。
もうすぐ秋。美味しいものをいっぱい食べる季節。栄養を沢山とった後には、「恋」という刺激で益々美人になれる季節です。素敵なパートナーがいらっしゃる方は、恋という刺激とクリニックの治療で相乗効果が上がることでしょう。そして残念ながらすてきなパートナがいらっしゃらない方には、ちょっぴり酸の濃度を上げて、刺激のお手伝いをさせて頂きましょう…(^o^)

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毎日、うきうきするような気持ちで生活ができれば、一番いい事なんですよね。最近は書物でも「免疫革命」がベストセラーになるなど、病気の大半は免疫力低下が原因であると言う人が増えています。なぜ免疫力が低下するかというと、現代人の生活にはあまりにもストレスが多いため
です。病院というところは大抵の場合、「禁酒だ、禁煙だ、減量だ」と患者様にいやな事を勧める事が多いのですが、実際には日常生活が充実していればそんな事は考えなくてもいいのです。「美味しい物を沢山食べて、素敵な人とデートする事!」なんて病院で忠告されれば、誰でも実行したくなりますよね。 (ただ、どちらも「ほどほどに」が大切のようです。この二つの「過剰」は「不足」よりもたちが悪いみたいですから…。)
かく言う私も自分で開発したホームピーリング剤での人工刺激に頼っているのですが…(^_^;) う~む。早く抜け出さねば…(^o^)