第16回 (2004年07月) 「ジャズと鰹の夕べ」

  

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こんにちは! 異人館通クリニックの柴田です。
いよいよ夏がやって来ました。夏は薄着になってお肌を露出するので、素肌の美しさが気になりますね。水着になることもあったり、スタイルも気になるところ。今回は、綺麗なお肌とスタイルの一挙両得に役立つお話です。 その前に、皆様は音楽はお好きですか?私は音楽が大好きな友人Nの影響で、最近ジャズにはまっています。先日その友人と近くのライブハウスに行った時、若手のジャズピアニスト(ちょっとイケ面で年上キラーらしい…)と音楽談義で盛り上がりました。

ピアニスト 「どこでも弾きに行きますので呼んで下さいね」
柴田 「ほんと?どこでも弾いてくれるの?」
ピアニスト 「もちろんですよ!」
友人N 「じゃあ、せっちゃんの家に来てもらおうよ!ちょうどピアノもあるしもうすぐお誕生日でしょ?
    YさんやTちゃんとバースディーパーティーしようかって言ってたところだから…
    料理はケータリングか何か頼んであげるからさ」
ピアニスト 「家にピアノがあるんですか? よかったら、ベースの友達も呼びますよ」
柴田 「わーい!!」

 

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…というわけで、贅沢にも自宅にジャズメンを招いてパーティーをすることに。
ちょうど知人の釣り好きなK先生が「高知に鰹のすごく美味しい店があるから、取り寄せてたたきを料理してあげる」と言って下さっていたので、ジャズパーティーと合体することになりました。鰹とジャズというコラボレーションも、最近京都の格式高いお寺でバレエをやったりしているみたいで素敵、ということに…(なんだか、かなりこじつけなんですけど…(^o^))

しかしちょっと問題がありました。K先生の奥様はダイエット中で、当院で痩身指導中だったのです。「宴会はなるべく避けましょう」と言っている主治医の立場上、パーティーに招いて良いものか?旦那様が料理に来て下さるのに奥様を招かないわけにもいかないのですが、せっかくビタフォルテでうまく減量できかけているのに、元の木阿弥になってもいけないし…。悩んだ主治医はいいことを思いつきました。
「そうだ、鰹以外は野菜料理にしよう!」

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実は最近私は野菜料理に凝っていたのです。きっかけは2ヶ月前、グルメ友達でもある友人Nが ダイエットを始めたこと。彼女はもともと痩せていたのですが、私の影響で ワイン好きになり、イタリアンやフレンチを食べ過ぎたのか、ここ2年程で 4kgも太ってしまったのだとか。
元が細いのでそう目立たないのですが、 服のウエストがきつくなったのが自分で許せないらしく、ダイエット宣言して 「野菜しか食べない」と言い出しました。なんでも全米で1400万部も 売れたと言う「ナチュラルダイエット」 (ハーヴィー・ダイヤモンド著)に影響 されたようです(最近日本の書店でも邦訳版を見かけますよね)。

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おかげで私は、彼女とよく行っていたクリニックの近くのイタリアンレストランにも、一人で行くはめに…。そこのレストランはなかなかマニアックなお店で、私の大のお気に入り。
「モーツアルト」という喫茶店のような名前ですが、本格的な南イタリア料理を食べさせてくれます。それもそのはず、「麗子さん」と呼ばれるオーナーは、イタリアに60回も行ったという方なのです。麗子さんはとても上品な奥様で、お店の雰囲気もいかにも上流階級の方が集まるハイソな感じ。アンティーク家具とピアノが置いてあり、ランプや壁にかかったお皿、小物などは麗子さんがイタリアに行くたびに買ってきた物だそうで、趣味の良い物ばかりです。
そうのように書くといかにもスノッブでお高くとまったように聞こえますが、実際のお店や麗子さんはとっても気さくで面白い方です。

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私はカウンターでワインを飲みながら、麗子さんにぐちりました。

柴田 「Nちゃんがダイエットを始めて、『野菜しか食べない』って言うので、
   一緒に来れなくなっちゃったんですよー」
麗子さん 「まあ、そうなんですの。お野菜だけのお料理も作ってさし上げます
     のに…」
柴田 「えっ、そんなのもできるんですか?」
麗子さん 「おっしゃって下さいましたら、何でもお作りいたしますわよ。もともと
     新鮮なお野菜と魚介類しか使いませんけれど、サラダでも温野菜でも、
     魚介類なしでも美味しく作れますから…。そうそう、うちのお野菜を少し
     お分けいたしますわ」

 

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麗子さんの得意料理は「タコとルッコラのバルサミコソース」や「トマトとアサリのパスタ」「白身魚のサラダ」など…。確かに魚介類だけでなく、野菜も美味しいお店だなあ、と思っていたのですが、分けていただいた野菜を食べてみて改めて感心しました。
地植えのルッコラは味が濃く香りも良くて、ルッコラだけのサラダが驚くほど美味しいのです。これは知り合いの農家から直接届けてもらうのだとか。紫蘇やセリなどもサラダでバリバリ食べられるほど美味しく、トマトもそのままでもすごく甘いし、カブや大根、たまねぎなども電子レンジでチンして、イタリアの塩をかけるだけで絶品の美味しさ。こんな野菜はスーパーでは手に入らないものばかり…さすがにプロの使う食材は違うな、としばし感心しました。
麗子さんの「イタリアンの基本は素材の良さを活かす事で、素材が8割だと思いますの…」という言葉通りです。

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「野菜ってこんなに美味しかったの?」
さっそく友人Nにも分けてあげました。「これは美味しい!」
麗子さんから野菜を分けてもらうようになったおかげで、友人Nは野菜中心の美味しい食事をし、1ヶ月で苦もなく4kg痩せてしまいました。おまけにお肌もつるつるに!その訳は野菜に含まれるビタミンやミネラル、繊維にあります。
「葉もの野菜(葉っぱの多い野菜)が好きな人はお肌がきれい」とよく言われますが、葉もの野菜には「葉酸」という、皮膚の細胞の成長に欠かせない ビタミンが多く含まれています。葉酸は皮膚の細胞分裂を促し、みずみずしい お肌を作るのです。

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ほうれん草や紫蘇・かぼちゃなどの野菜に多く含まれる ビタミンA・C・Eもお肌を若返らせる働きがあります。 (彼女はお肌のためには 野菜を食べるのと同時に、皮膚からもビタミンA・C・Eを補給することが大切ということを知っていたので、そういう努力もしていましたが…。)
さらに野菜に多く含まれる食物繊維には、便秘を改善して肌荒れを防ぐ働きがありますし、紫蘇などに含まれるEPA(青魚にも多く含まれる脂肪)は血液をさらさらにし、つやつやの美肌を作ります。そういう訳で彼女はきれいなお肌とスタイルを同時に手に入れることができたのです。
でも、野菜料理も美味しくなくては続きませんから、彼女が痩せられたのは、美味しい野菜を分けてくれた麗子さんのおかげですよね。それから私も野菜料理に興味を持ち、いろいろ研究したのです

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最近も淡路島のリゾートホテルのフレンチレストランで、「野菜だけのコース料理」を見つけました。野菜のゼリー寄せ、トマトの冷製カッペリーニ、温野菜など…。乾燥トマトやたまねぎも甘くて美味しく、野菜料理も奥が深いなあ、と思ったものです。 そういう訳で今度のパーティーは、「ジャズと鰹と野菜の夕べ」となりました (ニューヨーク・ミラノ・神戸を生きる三都物語…とサブタイトルをつけて友人達を招待したのですが、みんなは「何?それ?なんか怪しげなパーティじゃないでしょうね?」とちょっと引いていました)。

メニューは鰹のたたきにたっぷりの野菜サラダ、一口サイズの赤ピーマンのムースにアスパラのババロア、きのこと野菜のオードブルなどなど。これならダイエット中の奥様もお誘いできるだろうということで…。お酒と食べる量は少し減らしていただきましたが、鰹もEPAがたっぷりだから美容と健康にもいいし。そうそう、この鰹は土佐佐賀の明神丸というお店から取り寄せられたそうなのですが、絶品でした。

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初めは?マークが一杯だった友人達もこのパーティの趣旨を理解してくれ、多いに盛り上がりました。自宅での生演奏は私も初めてだったのですが、本当に贅沢で充実した時間ですね。「ハッピーバースデートゥユー♪」をジャズピアノで演奏されてみんなに歌ってもらった時は、私の目もうるうる状態に…。ジャズメン達の演奏も、とっても素敵でした。(さすがに酔っぱらった友人が『釜山港へ帰れ』をリクエストした時は却下しましたが (^_^;)) 
そうして素敵な音楽と鰹のたたき、野菜のオードブルと美味しいワインに酔いしれながら、幸せな時間が深夜まで続きました。

クリニックをやっていながらこんな事を言うのは矛盾するんですけど、素敵な音楽と美味しくて健康的な食事、そして笑顔一杯で人生を楽しむことこそ一番健康にいいことで、本当はこれこそが医者いらずなんですよね。