第154回 (2016年1月)「2016年が平和な年になりますように!」

  

こんにちは。柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。2016年の年明けの号となりますので、いつもなら新年のお祝いを申し上げるところですが、喪中につき年末年始のご挨拶は失礼させていただきます。平素のご芳情を厚く御礼申し上げますと共に、皆様に良い年が訪れますようお祈りいたします。
毎年1月号ではその年の抱負を語っているのですが、その前に2015年最後のイベントのご報告をさせていただきます。そのイベントとは・・・大好評企画クリニック潜入調査!!です。いくら大好評企画とは言え、これまで何度も行ってきたので結構マンネリ化してきたんじゃないの?って心配してたんですが、毎回掲載後は患者様からの受けが良く「また他のクリニックも調べてくださいね!」と激励をいただきます。それに気を良くして今回はあの(?!)クリニックに再潜入です。まぁ・・・ぶっちゃけ美容クリニックって、私が言うのもなんですが安い買い物じゃないですよね。私だってこの企画の度に自腹で他のクリニックで治療してもらってるので、コスパの悪い、いい加減なクリニックに当たった時は「もう!お金返してよ!」って思っちゃいます。(実際にはこの通信に書いてないクリニックも結構回っているんですよ・・・紹介できるのはほんの一部なんです(^_^))それに顔って一つしかない訳ですから、治療が失敗すると大変じゃないですか。右手で失敗すれば左手使えばいい・・・ってもんじゃないので、皆様もクリニックを選ぶ時は慎重に行われていると思います。実際に、「私、絶対に失敗は許されないんです!」って凄い意気込みで迫ってくる患者様もおられ、結構毎回タジタジです。ただし・・・! そうは言ってもこれまたぶっちゃけ、人の失敗談であれば面白い訳で「人のお金と顔で失敗する分には是非その話を聞かせて欲しい!」ってのが悲しき人間の性ではないでしょうか?(う・・・ん。本音を言うと私も誰かが行ってくれて話だけ聞かせてくれるのであれば、どれだけありがたいと思う事か・・・。)



そんな訳で、皆様の期待はどちらかと言うと「駄目なクリニック」に当たった時の話であるように思います。この企画も駄目クリニックに当たった時の反応は良いですし、患者様からも「もっと失敗談あるんじゃないんですか?」という期待のまなざしをよく感じます・・・(^_^)。それは分かってるんですが、私も持って生まれた顔は一つしかなく、大事な商売道具(?)ですし、笑いを取るだけのために顔を提供するのもはばかられます(それにやはり私の勉強も兼ねていますし・・・(^_^;))。そんな訳で今回は怪しげなクリニックではなく、それなりの評判があるが、癖のあるクリニックを訪問してきました。癖のあるクリニック・・・と言えばやはり、2014年のクリニック通信流行語大賞に輝いたTクリニックです。「・・・って・・・言いたいけど、言えないよねぇ・・・」のフレーズ、覚えてます? 田村正和の声でお笑い芸人狩野英孝が石原裕次郎の「銀座の恋の物語」を真似て歌っている声色で語る、自称ヒアルロン酸の魔術師T先生。そのクリニックを久しぶりに再訪する事にしました。きっかけは、ある雑誌でボトックスのメーカーA社が推奨している「ビスタシェイプ」という注入方法を宣伝するページにT先生が出ていた事でした。「ビスタシェイプ」というのは、頬骨の上と顎にヒアルロン酸、眉間にボトックスを注入して若く見せるという、A社お勧めの方法です。去年、「ボクは頬骨上に入れるやり方は好きじゃないんだよね・・・」と言っていたT先生が、なぜビスタシェイプの宣伝ページに載っているのか?? その真相を聞いてみたくて、東京まで出向く事にしました。「例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで」タリラララ~ン♪ いつものミッション・インポッシブルのテーマソングが、ここでカットイン! です。



もう一つの候補は、雑誌「美ST」に載っていた「40代を最も綺麗にしたドクター」ベスト3から。美魔女を目指す人の間では美STは大人気の雑誌ですから、その雑誌がそこまで言うのなら、行ってみないといけないじゃないですか! いざ、そのNo.1の先生の元に! 早速、その先生のいるクリニックに電話したんですが・・・なんとNo.1の先生はそのクリニックを突如辞めてしまったとの事。今はどこのクリニックにいるのかも分からないそうな・・・。あらら。いろいろあるんですかね、この業界も。美STにNo.1と掲載された事で先生の人生に何か大きな変化が起きたのかもしれません。美容業界には私のように個人で開業してるドクターもいますが、それ以上にオーナーと院長が分離しているクリニックも多数あります(大手チェーンは基本そうです) このようなケースでは広告やブランディングはオーナー企業が決めてしまい、院長は決まった役割をこなさねばならない事が多いのです。このNo.1ドクターがそうだったかどうかは分かりませんが、あまりにも急な展開があるって事はなんらかの裏事情がありそうですねぇ。まぁこれ以上の憶測はやめて、No.2の先生のSクリニックにターゲットを変更。そこはその先生がオーナーで、無事予約が取れました。Sクリニックはボトックスやレーザーなどのメンテナンスがしやすいようにと、価格がかなり良心的。それも人気の秘訣なんですかね。院長のカウンセリングでは、フェイスラインや瞼のたるみ・シミ・毛穴の治療や、スレッドリフトなど糸の治療について、糸の入ってる付近に注射をしない方がいいか、またヒアルロン酸が入ってる上からFGFやPRPなどの注射はしない方がいいのかなども聞いてみました。ここはレーザーや光・RF(高周波)など機器による治療がメインのようで、糸や手術で引っ張っても皮膚は綺麗にならないから、機器による治療で皮膚のコラーゲンを増やすのが良いと言われました。糸の付近にはやはり注射はしない方が良くて、ヒアルロン酸の入っているところには、他の注射はしない方がいいと。(この辺りの質問の答えによって、真面目で慎重な先生かどうかが大体分かります。)院長先生はまともで控えめな感じの人です。(昔と比べると美容業界でもそういう先生が増えてきて喜ばしい事です。昔は胡散臭い先生ばっかりでしたからねぇ。でもライバルが増えてきたので、さらに切磋琢磨しないといけませんが・・・。)



Sクリニックのホームページで、エンディメット・プロマルチという最新たるみ治療機器が、術前後写真ですごく効果が出てたので「1回でこんなに効果が出るんですか?」と聞くと、先生は「・・・いや・・・これは集中治療で、最初の1ヶ月は毎週、その後2週に1回で、3ヶ月で8回した結果です・・・」という事は40万円以上かかるのか・・・。(さすがにそれは高くない?)しかも目元は別料金で顔全体より高いではないか。「1回でも少しは効果出ますか?」と聞くと、先生は正直な人のようで「いやぁ~・・・1回ではちょっとねぇ・・・。それに神戸でしょう。3~4ヶ月に1回ではちょっと・・・。せめて1ヶ月に1回はしないと・・・」なんだ。がっくり。でもせっかく来たので受けてみようかなと思ったんですが、「この器械は最新型なんでここにはないんですよ。分院の方にはあるんですが・・・」さらにがっくり。先生もすまなさそうです。「あ、でも明日まで東京にいるので、明日分院で受けられませんか?」と聞くと、先生は嬉しそうに「それはいいかも!」(ちょっとカワイイ。美魔女受けが良さそうなのもNo.2の秘訣?)それまでのカウンセリングで、頬のBNLSと眉間のボトックスも勧められてたんですが「それだったら注射は明日分院でまとめて受けた方がいいかも。できたら注射は機器の治療後の方がいいんですよね」(その辺もきちんとしてる。)・・・という事で、その日は最新のシミ・毛穴治療というBBL(光治療)を受ける事に。「痛くない」と言われたけど、やっぱり痛くて途中でめちゃ冷やしてなんとか終了。これはあまり効果が分かりませんでしたが、翌日を楽しみに・・・。



さて翌日、Sクリニックの分院へ。分院の先生は若いけど知的で紳士的。機器の治療には詳しいようで、丁寧に説明してくれました。昔のたるみ治療の機器はコラーゲンを熱で変性させて壊し、再構築を促してたるみを改善すると言われており、それが果たして皮膚に良いのか賛否両論でしたが、新しい理論では、皮膚の深部を暖めてヒートショックプロテイン(細胞が熱などのストレスにさらされた時に放出する自己修復蛋白)を放出させ、コラーゲンを増やしてたるみを改善するのだそうです。皮膚表面の温度を41~42 ℃に設定すると、内部は50℃くらいになるんだとか。お風呂で暖まってヒートショックプロテインを出すよりは即効性はありそうですが・・・。「本院で1回ではあんまり効果ないって言われたんですが・・・」と言うと「そんな事ないですよ。熱でコラーゲンが収縮するので、1回でも結構引き締まります」「3~4ヶ月も空いたらあまり効果ないとも言われたんですが・・・」「大丈夫ですよ。する度に効果は出るのですればするほど良くなっていきます」分院の先生は自信ありげです。(本院の院長はかなり慎重な人のようです。)サーマクールとは違って皮膚表面より深い層の温度が上がるため、痛くないのだとか。顔と首で1時間、目元で1時間くらいかかるようで、両方は時間がなかったので顔と首に試してみる事にしました。今まで「痛くない」って言われた機器でも全部痛かったので、これも痛いんじゃないかと心配していましたが、時々熱いだけで本当にあまり痛くありませんでした! そして直後は結構引き締まった感じ。翌日は少し戻りましたが、ちょっといいかも。(もうちょっと安かったらもっといいんですけどねぇ・・・。)そして、このクリニックは先生も良かったんですが、分院のスタッフがすごく良かった。まだできて間もないクリニックでスタッフは4人しかいないとの事でしたが、みんな若くて元気でキビキビ動いているので多くのスタッフがいるように見えました。忙しくても笑顔を絶やさず、しかも対応も丁寧で、クリニックの印象にはスタッフの態度も大きく影響するなぁと再認識しました・・・。




さぁ、いよいよ今回のメインイベントたるお目当てのTクリニックへ。ここは2日前からキャンセル料が10,000円もかかります。そして「滞在時間は3時間は見てください」と。かなり待たされた後カウンセラーによるカウンセリングが40分以上。額のシワにはT式ヒアルロン酸注入、フェイスラインのたるみには輪郭注射、毛穴にはT式フラクショナルレーザー、「ヒアルロン酸は表面の小ジワには効かないので・・・」とT式メソフェイシャル(エレクトロポレーション=電気刺激で細胞膜を一瞬広げ、美容成分を浸透させる方法)を勧められました。やたら「T式」とついているので「何がT式なんですか?」と聞くとメソフェイシャルは美容成分が、他の機器は設定が、ヒアルロン酸注入はもちろん注入方法がオリジナルなんだとか。相変わらず自信満々です・・・(^_^)。かなり長いカウンセリングで輪郭注射と、眉の上のへこみにヒアルロン酸注入を勧められました。眉のすぐ上はボトックスも打てないし、試しにヒアルロン酸注入をしてみるか。その後さらに待たされて、やっと院長が登場。
「今日は眉上かな?」と聞かれ、「おでこって危ないって聞いたんですけど・・・」と言うと「まぁ簡単じゃぁないよね。危ないっちゃぁ危ないんだな・・・。どの医者でもいいかって言うと、それはないね。それだったらやめた方がいいよねぇ」・・・久々に拝見する自信満々の田村正和もどきです。「なんで危ないんですか?」と聞くと、「大事な血管が走ってて、詰まらせちゃったらよろしくないんで。ちょっとやったくらいのお医者さんじゃぁ・・・きついだろうねぇ。あ・・・勿論、僕はクリアしてるけどね」はぁ、そうですか。では・・・「血管をよける技があるんですか?」と聞くと「そりゃぁありますよ。あります。結構苦労して見つけた技なんで。ちょっと頑張ってみようかなって程度のお医者さんに任せるのは、厳しいだろうね。そりゃ、僕が一番とは言わないけどさぁ・・・」「どうやってよけるんですか?」「深さだね。深さ・・・が大切なんだよね。血管のある深さには入れない。そこがなかなか。同じ深さに入れる難しさってのがあるんでねぇ。・・・それだけと言えばそれだけだけど、それが技って言う事かな・・・(ウインク(^_-))」・・・うん。相変わらず自信たっぷりです。(ちなみに「ウインク」は私がその雰囲気を感じただけで、実際にされた訳ではないので括弧書き。)



ここから本題に。「先生、こないだ雑誌に載ってられましたね」「雑誌はよく載せてもらってるからねぇ」「美ST。ビスタシェイプの・・・」「ああ、A社ってメーカーの教える立場を僕が任されてるんでそれで載ったんじゃないかな」「ビスタシェイプってどんなんですか?」「ま、メーカーが推し進めてる一定のやり方だな。判を押したようにやれば始めたばかりの先生でもまぁまぁ結果出せますよ、って方法だね。悪くはないんだけど僕のやってる方法の方がずっと上いってるよ」そこで・・・「ビスタシェイプって頬骨の上に打つみたいですけど、先生、去年あんまり好きじゃないって言われてましたよね?」・・・とかなりマニアックかつ、覆面捜査ばれギリギリの質問を投げかけてみる事に。「あぁ、頬骨の真上には打たないよ。まぁ打つ場所と量だね」「じゃぁ先生がビスタシェイプで打つとしたらどこに打つんですか?」「頬骨の頂上は避けますよ、実際のところは。微妙に上にずらすんだな・・・。頂上には入れたくないんで。ビスタシェイプってあまり気にしなくていいですよ。枠にはめて初心者でもできるようにした方法ですから。医者もピンからキリまでいるからねぇ」「じゃ、先生が出られてたのは教える立場だからですか?」「そりゃそうですよ(キッパリ)。それ以外の何ものでもない・・・はっはっはっ・・・そぅ、そぅ、そぅ・・・。自由に僕が打ったらそりゃもっと若くなりますけどね。それ以上やらしてくれなかったからあんまり変わってなかったと思うんだけど。あぁ・・・それに見てないんだよな・・・その雑誌・・・・・・」例によって、田村正和の声で狩野英孝が石原裕次郎の真似をして汽笛のなる港の船をボーっと見つめて言ってる感じです。(ここまで悦に入ってくれると逆に安心かも・・・(^_^))



自信たっぷりの院長の診察は10分ほどで終わり、またカウンセラーが登場。20分ほどいろいろ勧められたけど結局ヒアルロン酸注入だけに。額だと1本10万のが4~5本後必要と言われたけど、眉の上だけでいいからと言ってなんとか2本に留めました。(貧乏性なので強調しておきますが、あくまでも自腹治療なので・・・(^_^;)) 注入前にスタッフが影をつけた術前写真を撮って写真をくれるんですが、自分の顔がめちゃ怖い。ここまで影つけんでもええんちゃうん? 術後と比べさせる作戦だな・・・と思いましたが、術前写真を渡すのはいい方法ですね。(術前の顔を忘れて効果が分からなくなってしまう方もおられるので・・・(^^))しかし注入までこぎつけるのに約2時間。だいぶたってから院長が登場し、眉の上の神経ブロック(神経の付近に麻酔を注射して、その神経が支配する皮膚の領域に麻酔を効かせる方法)。おっと!これはお見事でした!! 2-3分で麻酔がバチッと良く効きます。そして危ない額のヒアルロン酸注入もあっという間に終了。注入も片側2-3分で済んでしまいました。すごい早技です。これはさすがに自信満々発言が出るだけの事はあるなぁと感心しました。(例によってちょっと入れすぎちゃうん?とは思いましたが・・・。)帰りがけにちょっとおべっか使って「美STの『40代を綺麗にしたドクターベスト3』に先生が入ってないのはおかしいですよね? 雑誌って適当なんですかねぇ」って振ってみると、「そりゃ適当だねぇ・・・(ニヒルな笑い顔)適当以外の何ものでもないさぁ」・・・とまた、汽笛の鳴る海をぼーっと見つめていました。・・・そんな訳で遅まきながら、2015年流行語大賞もやっぱりT先生の「それだけと言えばそれだけだけど、それが技っていう事かな・・・(ウインク)」に決定とさせていただきます!



さてさて2016年はどんな年になる事やら。私は個人的な事なんですが、2015年は母親が亡くなった事もあり人生を振り返ってみたり自分のしている事を考え直してみる機会が多かった気がします。2015年はニュースを見ていると相変わらずテロとか銃の乱射みたいな事件が多かったですね。なんだか2016年は収束するどころかもっとひどくなるんじゃないかと杞憂してしまいます。平和がこんなに尊いものなんだとこの年になってつくづく思います。ある調査によると、人生の満足度は50歳を超えた時から急激に上がっていくそうです。恐らく50年間生きてこれたというだけで何かのおかげだ・・・と感謝できるようになるからだそうですが、まさにそうかもしれません。そこで、2016年は私も「平和」に貢献したいと思うのです!(なんとも大胆な宣言ですが・・・(^_^;))私がここで偉そうな事を言う柄でもないのですが、先日ある人と話をしてるとその人曰く「結局テロとか世の中が物騒な動きをするのって、若者が絶望した時なのよ。年寄りがいくら絶望したって極端に言えばそのまま死ぬのを待つくらいでしょ。でも若い人は、何か行動するエネルギーがあるのよね。その人達が仕事もなく将来への希望を持てず、絶望して行動を起こすと世の中が平和じゃなくなるんだね。日本が平和を保ててるのは元来平和な国民性とか、先の戦争を反省したとか憲法のおかげとか言う人がいるけど、そんなんじゃなくて結局若者の失業率が低いからなのよ。暴動が起きてる国って必ず若者の失業率が高い国なんだから」と言ってました。勿論、それだけが原因じゃないんでしょうけど、非常に説得力のある話で「なるほど!」と思いました。仕事がなくて、エネルギーだけ余ってる大量の若者が将来に絶望するとなると、想像しただけで恐ろしい事になりそうです。そんな訳で私のレベルでできる平和への貢献は若い人が活躍できる場を作り、そこで若い人を雇用する事なんじゃないかな・・・なんて思った訳です。まぁ・・・勿論、たいした事ができる訳じゃないんですが、エコロジー活動のように「自分の身の回りからできるエコ活動もあるんだから、自分でもできる平和活動」って事で、何もしないよりはマシな気がします。そんな訳で、2016年はクリニックでも若い人が活躍できるような、何か新しい試みを密かに考えています。また具体的に発表する時期になったら、この通信でもお知らせしたいと思います。「平和活動って、それだけ・・・と言えばそれだけだけど、それが始まりって言う事かな・・・(ウインク)」 2016年もよろしくお願い致します!!