第123回 (2013年06月) 「地球の裏側での出会い 」

  

こんにちは。柴田美容皮膚科クリニックの柴田です。ちょっと前まで寒い日もありましたが、最近は結構暖かくて夏日に近い日もありますね。都心のビアガーデンは例年よりも一ヶ月早く営業を開始したのだとか…。なんだか春を通り越して一気に冬から夏になるような気がして少し寂しい感じもします。コートをしまおうかなと思っていたらいきなり暖かくなって薄着になるので、春物のセータとか着る機会がなくなっちゃいそうです。このままだと一年中タンスの中で眠っているのではないか…と思う事しばし。ただ、暖かい気候もゴールデンウィークにはプラスに働いたようですね。今年は本当にお天気に恵まれ、震災の影響からも立ち直ってきたせいか、アベノミクスのおかげなのか…行楽地や海外旅行は例年になく活況だったと聞いています。皆様の中にもゴールデンウィークは海外で過ごされたという方も多いと思います。私はゴールデンウィークは4月に学会でお休みさせていただいた事もあって前半はすべて診療とし、後半のみお休みさせていただきました。後半の休みは前半の疲れが溜まってヘロヘロだったので、1日だけ大学の後輩たちの卓球の試合を応援に行ったらバテてしまい、その他の日はお家でゆったりと露天風呂で過ごさせていただきました。

 

以前にも書いた事がありますが、我が家にはベランダに人目を偲んでひっそりとパーソナル露天風呂があります。ところがその露天風呂のお湯をいつも快適に保ってくれていた24時間風呂の「遊湯倶楽部」君が、この冬とても風の強い日にお風呂の中に水没してしまったのです。水を抜いて数日乾かしていたのですが復帰せず、御臨終かと思ったのですが最後の望みをかけてメーカーに修理を依頼。その結果、見事に復活を果たしたのでした。そんな訳で3ヶ月程我が家の露天風呂は放置され、荒廃してしまったため内張りを張り変え、やっと連休前に新品同様元気になってまた私に癒しを提供してくれるようになったのでした。もうこの露天風呂があれば遠くに旅行に行きたいなんて思わなくなっちゃうんですよねぇ。今度は「遊湯倶楽部」君を大切にしなきゃ。あ…そんな話はどうでもいいですね…^^;)。話を戻すと、勤務医だった頃はゴールデンウィークには海外旅行に行きたいというような願望も元気も?あったのですが、最近はお家でゆったりが一番…って思うようになったのも年のせいなんでしょうか。それでもこの1-2年は海外の学会に参加するようになって、少し海外旅行の勘も戻ってきたような気がします。そんな訳で、今回の通信は先月に引き続き4月に行ったモナコの学会の珍道中について書きたいと思います。前回も書いた通り、モナコはお金持ちが多い国なので、何しろリーズナブルなホテルがなかなか見つからなくて困っていました。こういう事で困った時はもうK氏に相談するしかない!(K氏はこの通信ではおなじみですが、ご存知ない方はクリニック通信第21・22・33・57回をご覧ください。)毎年フランスのプロバンス地方に一ヶ月も滞在するK氏だったら、きっと良いアドバイスをくれるに違いないと思って聞くと、さすがK氏。ほぼ即答です。

「じゃあ先生、エズに泊まったらいかがですか? モナコまで車でも15分くらいですし、エズはいいですよ! シャトー・ラ・シェーヴル・ドールのテラスは地中海が眼下に広がって、どこにも行きたくない…って感じになりますから。そこでのシャンパンの1杯は飲む価値がありますねえ。シャトー・エザのレストランも良かったですよ。でも小さなホテルだから地中海が見下ろせる席は4つくらいしかないので、早めに行ってシャンパンでも飲みながらあそこの席がいい、ってレストランが開くまで粘った方がいいですけど…」え…エズ?…ですか。そんな地名聞いたことないけど。それにただでさえリーズナブルなホテル探してるのに、シャトーなんちゃら…ってそんなところに行って本当に大丈夫なの? まぁ、その時は「フムフム」って感じで電話を切って、早速インターネットで検索です。なんでもコート・ダジュール(南フランスのイタリア国境近く、ニース付近の風光明媚な保養地として知られる地中海沿岸を指すらしい。…なんて、皆様はもうご存知ですよね。)の村で一番有名な村がエズらしい。しかもその中でも一番有名な2軒のシャトーを両方制覇しているとは…さすがK氏。

しかしK氏お気に入りの「トリップ・アドバイザー」という海外のホテルやレストランの口コミサイトを見ていると、シャトー・ラ・シェーヴル・ドールは結構酷評が載っています。レストランがべらぼうに高く、座った途端に1万5千円以上するシャンパンとキャビアのセットを勧められたりするのに、サービスはめちゃくちゃ悪いとか…。こ、これは聞き捨てならん。早速、またK氏に電話です。すると、「あ…あいつらまだそんな商売してやがるのかぁ! 実は僕も昔痛い目にあいましてねぇ。食事は高いですけどそれなりに納得感あるものなんですよ。ただその後勧められた1杯のカルバドスが、食事のトータルの値段より高かったんだな…」食事はコースで120ユーロくらいだったらしく、K氏はいつもシャンパン・白・赤と頼むので、食事代は3万は下らないはず。…っちゅうことは、1杯のカルバドスが3万円以上???お、恐ろしい…。以前にお気に入りのチーズがネットショップで格安で出ているのを見つけて喜んで注文したら、送料が2000円もして激怒した事があるのですが、それに匹敵する(?次元が違うかな…)ボッタクリじゃないですかぁ。ただ、K氏のエズに対する評価は非常に高く、言葉によるロマンチックな風景の描写と、「一生に一度は体験した方がいいですね。そうでないと人生を後悔するかもしれませんよ」という一言にすっかりその気にさせられてしまった私は、とりあえず位置的にはモナコに近いのでエズの安いホテルを取り、シャトー・ラ・シェーヴル・ドールは避けてシャトー・エザでランチだけでも…って事にしました。

ところがシャトー・エザでのランチの日はあいにくの大雨でめちゃ寒く、山の上のシャトーまで登るのが大変。せっかくの眼下に広がる地中海も一部しか青くなかった…。その上、そこに行くために泊まったエズのホテルが最低! 安かったけど前払いで、お風呂の水はけが悪く、「部屋を変えてくれ」と言っても「無理だ」と言うし、何と言ってもフロントが8時から12時と16時から20時までしか開いてないので不便でしょうがない。そこからタクシーでモナコの学会会場まで通った方がモナコのホテルに泊まるより安いと思ったのが大間違い。タクシーを頼むとホテルとぐるになったようなタクシーばかりでめっちゃぼったくられるし、平日の朝は大渋滞。時間はかかるし渋滞を回避するとかで遠回りされてタクシー代は帰りの1.5倍から2倍。二度とエズには泊まらないぞ! 「エズはいいですよ」なんて、K氏の嘘つき~! まぁ…モナコの人にしてみれば「そんな人は来なくていいよ」って事かもしれませんが、セレブへの道はまだまだ遠いなぁ。(一応K氏の名誉のために申し上げますと、確かに自然は素敵で絵葉書の写真のような景色です。天気の良い時に、とっても素敵な方にエスコートされれば一生の思い出になるのは間違いないでしょうね。いつかセレブの仲間入りをした暁にはリベンジしてやるぞ!)

そしてその日のランチは、私達以外にお客さんは一組しかいなくて、その一組は優雅な熟年のご夫婦でした。その奥様が同行した韓流B君の事が気になったらしく、声をかけて来られました。(B君はなぜか本当に熟年女性にモテるんですよねぇ…。旅行中はここだけでなく、結構色々なところで声をかけられていました。しかし、見事に熟年女性ばかり…。そう言えば普段からあんまり若い子にモテてるって噂は聞かないな…。ま、当院は熟年の患者様が多いので、本人の思惑はどうであれ、そちらの方がいいんですけどね…(^^)。)「日本の方ですか?」「好青年ですわね~」と、とても上品なご婦人です。話を聞くと日本の開業医のご夫婦で、同じ学会に来られたそうです。(「学会は口実でして、ヨーロッパ旅行がメインなんでございますのよ…フフフ♪」とご夫婦で微笑んでいらっしゃいましたが…。う、羨ましい。)お二人はエズではK氏がカルバドスに3万円取られたシャトー・シェーブルドールに2泊、モナコでは一番高い「オテル・ド・パリ」に3泊されるという事でした。(ひゃぁ…それだけで100万くらいかかりそう! あら…今回はなんかお金の事ばかり言ってますねぇ。下世話で失礼しました…^^; )会話もウイットに富んで、上品な可愛い奥様と、この上なく優しそうなご主人でした。素敵な年の取り方だなぁ…って、ちょっぴり羨ましいやら微笑ましいやら。私のテーブルではふと前を見ると、育ち盛りのB君が出て来た料理に「美味しい!美味しい!」を連発し、明日の荷物持ちのためのエネルギーをガツガツ補給していました。ま、若い時はこれでいいんですよね…(^^)。 肝心の料理の味ですが、美味しいのは美味しいんですが「とびきり」って訳ではなく「まぁまぁ」って感じです。ただ、このような素敵な出会いがあるのは、食事の枠を超えた旅の楽しみですね。

出会いと言えば、学会2日目のお昼にモナコの眺めのいいレストランに行くと、その前でもB君がベルギーから同じ学会に来たというおば様に声をかけられました。その人はブリュッセルのクリニックで働いていて、そこのドクターが発表するので手伝いに来たそうで、和食が好きで相当なグルメのようでした。相席しようと誘われて、ここは魚のスープとレモンパイが美味しいんだとか、魚のスープに付いてるパンにサフランマヨネーズを付けてスープに浸して食べるんだとか、いろいろ教えてくれました。この人はドクターではないんですが、やっぱり優雅で人生を楽しんでいる…って感じの人です。勿論、食事の話だけでなく文化の話や仕事の話なども面白く、なんて言うか人間として魅力的なんですね。ヨーロッパに行くと普通に就職して仕事をしてる…っていう人でも、こんな感じの人が結構沢山いるんですよねぇ。何なんでしょうね、この違いは…。地球の裏側で普通に生活していたら絶対に出会うことができなかった人と、ふとした事で出会うというのはとても不思議で刺激的です。勿論、日常生活の身の回りにも素晴らしい人はいるんでしょうけど、その素晴らしさに気付かないのかもしれません。旅行などで違う世界と違う環境で出会う事で、その人の持つ別の素晴らしい面が見えてくるのかもしれませんね。  

そんな事で出会いは大切にしなきゃ…って思うのですが、今回の旅で一番大きな出会いは、もしかするとモナコの日本人エステシャンTさんかもしれません。前回の通信でも、そのTさんに神戸大学に通っている甥っ子を紹介してもらうという話をしましたが、なんとその甥っ子M君が本当にクリニックにアルバイトに来てくれる事になったんです。ここだけの話ですが、M君は賢いだけじゃなく、かなりのイケメンで結構可愛いジャニーズ系なんです。これで熟年層限定で人気のあった韓流B君が取り込む事のできなかった若奥様層のニーズもガッチリ押さえることができるかもしれない…ウフフ♪。興味ある方は是非M君に会いに来てやってください。(なんか怪しげなお店の宣伝のようになってしまっているが…。まぁ、いいか。アベノミクス効果が出る前に準備しておかないとね。)しかしなんだか当院のコロコロS君までもがM君の虜になっているようです。これもここだけの話ですが、どうもS君は女性よりも男の人に興味があるのではないかというもっぱらの噂が…。(今日はここだけの話と言いながらクリニック内の暴露話が続いてしまったので、この辺でやめておかないと…^^;)

ところでそのM君は、最初は「クリニックのアルバイトに興味があるので話を聞きたい」という事で見学に来たのですが、その日にクリニックの留学生達と一緒に飲みに行って意気投合。そのままアルバイトに来ることになりました。しかし話を聞くとゆとり教育の真っ只中だったそうで、両親も中学・高校の運動部も全然厳しくなかったとか。体育会系のうちのクリニックでやっていけるかちょっと心配だったのですが、「出勤までに読むように」と資料をどっさり送ると、しばらく返事がありません。ますます心配になってTさんにメールしてしまいましたが、その直後に返信があり、頑張って資料を読むとあったので一安心。Tさんからも「妹夫婦がわがままに育てているので本人も言っているように厳しさ知らずです。ただ、小さい頃からとても優しくって、目標を持ってそれに向かう姿勢は、叔母である私が言うのも何ですがとても前向きです」という返信がありました。まだ学生だし教えないといけない事も多いと思いますが、「目上の人からのメールはできるだけ早く返信し、返信をもらったら必ず返信して自分のメールで終わるというのは社会に出たら礼儀であり常識なので、気をつけてね」と書くと、「すみません。以後気をつけます」と、それ以降は速攻で返信が来るようになったので、学習能力は十分な様子。今後の成長が楽しみです。それにしても、日本から何千キロも離れた地球の裏側でたまたま行ったエステで、たまたま私の担当になったエステシャンの方の甥っ子がたまたま神戸の大学生で、彼がクリニックに興味を持ってくれてアルバイトに来る…というような繋がりに人生の不思議を感じずにはいられません。皆様も「今から考えるとあの時の偶然がなければ今の自分は存在していなかった。なんであの時にあんな事にたまたま遭遇したのだろう?」って経験ありますよね。これからもどこでどのような出会いがあるのか分りませんが、人との出会いはまさに一期一会。その出会いを良いものにするのか、見過ごすのかはその人次第。私と当院の患者様との出会いも何かの縁ですので、この縁を大切にしていかねばならない…と改めて考えた次第です。これからも皆様と共に歩んでいけるクリニックになるよう、一層の努力をしていきたいと思います。