第11回 (2004年02月) 「私のダイエット奮闘記」

  

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こんにちは!異人館通クリニックの柴田です。
とっても寒い日が続きますが、皆様いかがお過ごしですか?
お正月に食べ過ぎて、体重が増えてしまった方もいらっしゃるのでは?
ダイエットは、女性の永遠のテーマですよね。今回は、私がどうやって痩せたかと、ダイエットのコツをこっそりお教えしちゃいましょう。

実は私は3年前まで、今より7kgも太っていたのです。勤務医時代はもっと太っていたことも…。学生時代は運動部に入っていたので(大学時代は、第7回で登場した「持久走同好会」よりも地味~な「卓球部」に所属していました)もうちょっとましだったのですが、働き出すと運動はしないし、朝から夜中まで忙しくて食事もできず、夜中に一食だけドカッと食べる…という悪循環でどんどん太ってしまったのです。

もともと食いしん坊な上に、勤務医時代は食べることと飲むことしか楽しみがなく…私の所属は整形外科だったので、まわりの医者は男ばかり。手術が終われば「飲みに行くぞー!」と体育会系ののりで、吹田の病院にいた頃など、週に5回は飲みに行っていました。それも夜中に居酒屋でぱくついていては、太らない訳がありません。

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ちなみに、30歳を過ぎると太りやすく、痩せにくくなると言います。いわゆる中年太りですが、これは基礎代謝(生命維持に必要なエネルギー)の減少と運動不足が原因、と言われています。加齢と共に筋肉が落ちると基礎代謝量が減り、運動不足になると筋肉も落ちる上に脂肪を分解するホルモンの減少などを招いて、エネルギー消費がさらに落ちる。それなのに若い頃と同じように食べるから中年太りを招く…と言われていますが、ほとんどの人は若い頃より食べ過ぎているのが事実です。中年になると若い頃より少しは裕福になるし、美味しいものも覚えます。さらに仕事の付き合いも増え、ストレスも増えて飲み食いに走り、食べ過ぎ・飲み過ぎになって太る…というパターンです。この食べ過ぎ・飲み過ぎを解消しなければ、ダイエットは不可能だ、というのが私の考えです。

100kcalを運動で消費しようとすると、徒歩で30分、ジョギングや縄跳びで15分が必要です。100kcalのご飯はお茶碗3分の2杯ですから、運動では意外とカロリーは消費できないのです。基礎代謝を増やすには有酸素運動が有効とも言いますが、いくら消費カロリーを増やしても、それ以上に食べていては絶対に痩せません。

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食べていては痩せられないのは解っているんだけど…という方へ。まず、ダイエットに重要なのはきっかけと目標です。どうしても痩せたいという気持ち、痩せないとやばい、という危機感があれば絶対に痩せられます。
私のお話の前に、25kgのダイエットに成功した後輩のお話を紹介しましょう。勤務医時代、整形外科の後輩に体重90kgの医者がいました。彼は愛嬌はあったので、「アンパンマン」とか「牛ちゃん」などと呼ばれて、年配の看護婦さんにはかわいがられていたのですが、若い人にはさっぱりもてません。彼にはその理由が解っていなかったのですが、ある夏の日…彼とその友人の独身5人組で、沖縄に行った時のことです。女の子に声をかけても、いっこうにもてず…どうしてかなーと思ってふと見た時、彼は全員のお腹が醜く出ているのに気付いたそうです。 「これはやばい!」と、彼はそれから究極の「そばダイエット」を始めました。夕食は午後7時までに、1杯のそばだけにする、という方法です。みるみるうちに彼は痩せ、ついに65kgを達成!

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彼の場合、「若い子にもてたい!」という強い願望、「このままでは絶対にもてない!」という危機感がダイエットを支えたのです。(しかし骨格は変わらず、顔が大きかったせいか若い子にはやはりもてず、年配の人には「太ってたほうがかわいかったのに…」と言われてかわいそうな結果でしたが…)

私の場合、そのきっかけは膝の痛みでした。大学の卓球部の先輩に「全日本医師卓球大会(医者の中にはそういうマニアックな大会があるのです)に出てくれへんか」と言われ、久しぶりに卓球の練習をした時のことです。(こう見えても卓球は、近畿医科学生卓球大会優勝、全日本医歯薬科学生卓球大会3位の実績を持ってるんですよ。とってもマイナーな大会ですが…)2-3回続けて練習すると、膝が痛くなってしまったのです。

「これはやばい!」と思いました。以前のクリニック通信でも少しお話したように、私の母はすごく太っていて、いろいろな病気を持ち、膝もめちゃくちゃ変形していました。(私が整形外科医になったのは母の膝を治すためでもあり、自分で母の膝の手術をしたのです。)このままでは母親の二の舞になってしまう!危機感を覚えた私は、職業柄、膝の痛みを改善するには減量が一番というのは知っていましたから、さっそくダイエットを始めました。

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ダイエットのコツは、まず毎日体重を測ること。それから、外食を減らすことです。外食は味が濃く、お酒が進むようにできています。(そうしなければお店が儲かりませんからね。)それでついつい食べ過ぎてしまうのです。どうしても外食が必要な時は、なるべくあっさりした物を注文し、半分残します。
まわりの人にダイエット宣言をすることも大切です。
ダイエット宣言をしていれば、食事に誘われる回数も減りますから…。
カロリー計算をすれば一番いいのですが、それができなくても、何がカロリーが高いかを知っていることは必要です。油っこいものや甘いもの、洋食はなるべく避け、体にいいもの…野菜中心の和食を摂っていれば間違いはありません。家で御飯を炊いて、野菜と焼魚などを食べるのが一番です。そして最初の1ヶ月は我慢すること。それを過ぎれば慣れてきます。

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そうそう、食べ物の種類も大切ですが、食べる量も大切です。私は以前は男並に量を食べて驚かれていました。お酒もいっぱい飲んでいましたし…。まずもう一杯を我慢し、徐々に慣らしていけば、そのうちそれ程飲めなくなります。量を食べなければ最初はお腹がすきますが、やはり1ヶ月は我慢しました。でも今は、お腹一杯になるダイエットビスケットがありますから楽ですよね。お腹がすけばそれを食べていればいいのですから…。代謝を良くするプラセンタもあるし(プラセンタの錠剤は米国ではダイエット食品として販売されているのです) 、今だったら楽だったのに…と思います。
私は外食や食べ歩き、特にフランス料理が大好きで、毎週食べに行っていたこともあったので(^_^;)(太るはずですよね…)、大好きなフォアグラや白子のソテーを我慢して「おうちで御飯」は慣れるまでは辛かったです。でも、成人病だらけの母を抱えて苦労もしてましたし、膝の痛みという危険信号もあり、職業柄危機感も人一倍持つ事ができたので、食べる事以外に「お洒落をする」などの楽しみを見つけるようにして、なんとか我慢できました。では、危機感のない人はどうすればいいのでしょう?

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実は私はダイエット中に、ある事に気付いたのです。
私はダイエット中、外食する時はサラダだけを注文するようにしていました。友人に誘われて、あるフランス料理店に行った時のことです。そこでサラダを注文すると、何の飾りもないサニーレタスだけのサラダが出てきたのです。ところがそれが、驚くほど美味しい!私はシェフを呼んで、どうしたらこんなに美味しいサラダができるのか聞きました。するとシェフはその秘訣を教えてくれたのですが、やはり決めては素材だそうです。食材の野菜を丹念に見極め、契約農家から取り寄せる。その野菜を選ぶのに、シェフはいくつもの農家を回ったというのです。そしてドレッシングの素材までこだわって取り寄せ、丹念に調理する…。サラダだけでも満足できるような美味しいものを作るには、やはりこだわりの素材でなくてはならないようです。サラダがこれだけ美味しければ、フォアグラや白子でなくても満足できると思った私は、野菜や魚などの太りにくい食材でも、素材にこだわれば十分美味しくて満足でき、楽にダイエットできるのではないかと考えました。

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そこで私はまず、「おうちの御飯を美味しくしよう」と思い立ち、以前すごく美味しい御飯を食べさせてくれた串カツやさんが、福島県の農家からお米を取り寄せていたのを思い出して、さっそくその農家に「ひとめぼれ」を注文しました。

「玄米をそのつど精米して御飯を炊くとすごく美味しい」と聞き、家庭用の精米機も買いました。そうして御飯を炊くと、その美味しい事といったら!「御飯ってこんなに美味しい物だったんだ」と目からうろこが落ちる思い。

「これならふりかけだけだって美味しい!」そう思った私は、以前母が「下関の友人が送ってくれた」と言っていた美味しいふりかけを思いだし、「あのふりかけ、ない?」と電話してみました。母は喜んでそのふりかけや和歌山の友人に貰ったちりめんじゃこ、ワカメなどを送ってくれました。どれもカロリーが低くて美味しい物ばかり。

野菜はお米を送ってもらった農家のお勧めの所から、魚介類は北海道から取り寄せて…。それから私のダイエットは楽々になり、2ヶ月で7kg痩せたのです。今でも体重が戻っていないのは、カロリーが低くて美味しい食材のおかげです。

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アメリカでは所得による肥満度の差が社会問題となっています。
と言っても一昔前のように所得の高い人が太る訳ではなく、所得の低い人ほど肥満が進行していると言う事なのです。
実際にアメリカに行かれた人はお気づきだと思いますが、確かに低所得労働者の方に極端な肥満者が多く、ハイソな皆様の集まるパーティなどに行くと、スレンダーな方が多いなぁ…と感じます。
この原因は低所得者は一般の「美味しい」食事を行い、高所得者はダイエットや健康によい「美味しくない」食事を行うからなのです。
皆様はこの話しを聞いて「???」って思いませんか?
いくらなんでも高所得者が「美味しくない」料理ばかり食べているとは思えない、って。
実はここで言う「美味しい食事」とは高脂肪、高カロリー食材の意味なんです。人間は脂肪分などを本能的に「美味しい」と感じるようなのです。一方でファイバーやビタミンなどを多く含むが脂肪分の少ない「麦」とか「あわ」のような雑穀は、体にはいいが、「美味しくない」食材なのです。高所得者が「美味しくない」食材を食べてもストレスが溜まらないのは、美味しく料理をされた「美味しくない食材」を食べているからなのです。

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実際に「美味しくない」食材を美味しく料理する程、難しい事はありません。だから、健康にはいいが脂肪分の少ない食材を美味しく料理し、ハイソな皆様を満足させる料理人はアメリカでも大変な高級取りですし、そのようなレストランは目玉が飛び出るくらい値段が高い所もあります。つまり、美味しくて健康的な食事をできるのは結果として高所得者に限られてくる訳です。
ある程度の年齢がいって、食べる事が一番の楽しみ…と言った人達にとっていくらダイエットが大事と言っても、美味しくないものを毎日食べたり、美味しいものを我慢するくらいなら、太った方がマシと考える人の方が多いはずです。ダイエットの多くが失敗するのもここに原因があると思います。若い人のダイエットは「美しくなる」と言う強い欲望が食欲に勝る事があるのですが、中高年になりますと、美しくなると言うよりはどうしても食欲の方が勝ってしまう方の方が多くなるようで、、、(^_^;)

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そこで私は中高年の方へのダイエットをお奨めする上で、最も大切なのが「美味しくて健康的な食事をする」と言う事だと思います。正直に申し上げてこれはどうしても高価な食事になってしまいます。サラダ一つにとっても本当に「いやぁ、、美味しかったねぇ、、大満足!」と言うようなものを食べようとすれば、例のレストランのように食材の野菜を丹念に見極め、契約農家から取り寄せる事をしないと、サラダだけ食べていても満足できる程美味しいものはできないと思います。
残念ながらそのようなレストランは非常に数が少ないですし、あったとしてもやはりお値段はそれなりな事が多いようです。
私が外食をやめてご自宅で食事をするようにお奨めする理由はここにあります。自宅であれば、少々高価な材料を取り寄せても外食する事に比べると、かなり安く上がりますから、毎日でも続けていけます。
一般的な概念では脂肪分が少なく美味しくない食材でも、丹念に探せばそのまま食べても「美味しい!」と思うようなものがあります。
(残念ながらやはりそのような食材は多少は値段がはるケースが多いようです。それから、美味しすぎて食べ過ぎる、、と言うのも難点ですが、、(^_^;) )

忘れてはいけないポイントは「美味しい食事」を毎日する事です。
そうしないと、ストレスが溜まって続かなくなります。
その一番簡単な方法は「美味しくて健康的な食材」を取り寄せる事です。
もし、皆さんが脂肪分が非常に少ないが、とっても美味しい食事を毎日するようになれば、体が変化して、外食をしても脂肪分の多いものは自然と食べることができなきくなってしまいます。 我慢するのではなく「自然と食べたいと思わない」ようになるのです。 我慢して食べないのと「食べたいと思わない」とは全く違う結果が生まれてくるのはご想像の通りです。

多少は高くても仕方がないけど、「美味しくて健康的」な食材の取り寄せなどで興味のある方は、ぜひ情報交換をしましょうね!