第198回「新しいサービスは自己責任」

 こんにちは! 柴田エイジングケア・美容クリニックの柴田です。今年の夏は本当に暑かったですねぇ。お盆を過ぎると少しはましになりましたが、皆様熱中症には気をつけてくださいね。私はと言えば…8月初めに95歳になった父の誕生日会のために池田の実家に昼間帰ったら、道中うだるような暑さでほんと死にかけました。三宮と違って池田駅のホームにはクーラーもないし本当に暑くて、二度と昼間には帰るまいと誓うほどでした。 

 

 

 そんな中、暑い夏にピッタリのアプリを発見! ご存知の方もおられると思いますが、その名も「Uber Eats」です! 例によって新しもん好きの友人Mから、友達を紹介するとクーポンがゲットできるらしくて半ば無理矢理ダウンロードさせられたのですが…これが使ってみると超便利で、はまってしまいました…(^_^)。皆さん知ってました? 最近街中で「Uber Eats」って書いた箱を背負ってる自転車乗りの人が多くなったなぁ…あれなんだろ?って思ってたんですが、私にもようやく理解できました。

まだご存じない方の為に簡単にご説明しますと…「Uber Eats」とは、提携している飲食店のメニューを簡単に注文できて、それを登録している個人ドライバーが玄関先まで配達してくれるというサービスです。「Uber Eats」は利用者・飲食店・個人ドライバーの3者をつなぐ仕組みを提供して、飲食店も配達員を雇うというリスクなしで宅配業務ができるので、注文がない暇な時に人件費を払ったり、ドライバーが事故を起こした時の責任問題などから解放されます。逆に個人ドライバーは空いた時間を利用して好きな時にだけ配達業務を行えるという便利なシステムです。ドライバーは会社に雇われるのではなく、個人営業で配達を請負います。なので、何曜日に何時から何時まで働くなどは全部自分で決められ、誰からも制約されません。一方で自営業になりますので、事故などがあれば自己責任って事になります。(一応、保険は用意されているようですが。)

今まで宅配ってピザぐらいしか思いつかなくてあまり利用していなかったのですが、「Uber Eats」の提携店はファーストフードだけでなく、本格イタリアンやフレンチレストランから各国料理店、お鮨屋さんまで各種揃っています。アプリを開いたらフィードをスクロールしてお好みのメニューを探すことも、レストラン名や料理の種類で検索することも可能で、注文したい料理が見つかったらタップしてカートに追加するだけ。支払いは登録カードなので現金は必要ないし、アプリで注文状況を確認できます。レストランが注文を受け付けて調理を開始し、調理が完了する頃に付近のUber パートナー(個人ドライバー=配達員)がレストランに向かい、注文品をピックアップ。そして配達員が届けに来てくれるのですが、アプリには配達員の名前と顔写真が表示され、配達状況をマップ上で確認できるという便利なシステムです。

 

 

 最初は「Uber Eats」を絶賛する友人Mの勧めに従って、イタリア料理店のローストビーフとウニパンを注文。ビールを飲みながらオリーブなんかをつまんで待ってると、ほどなく焼きたてのローストビーフが届きました。歩いて行くのはちょっと遠いなと思ってたお店だったし、料理はまずまず美味しいけどワインがいまいち…というところだったんですが、「Uber Eats」を利用すれば自宅に居ながらできたての料理が運ばれ、自宅にある好きなワインを飲めるのでいいとこ取りできるし、何と言っても暑くて外に出る気がしない夏には超便利なサービスです。涼しい部屋で飲みながら待ってたらレストランの料理が届くんですもんねぇ。一人の時に、前から気になってたけど一人ではちょっと入りにくそうなお店の海鮮丼を頼んでみたら、すぐに届いて結構美味しく、大満足した事も。同級生が急にちょい飲みに来る事になった時も、何も用意してなかったんですが「Uber Eats」で注文すると結構豪華な食事会になり、とっても喜ばれました。まさにお店にも利用者にもドライバーにもいい事ずくめ。こんなサービスを思いついた人は何て賢いんだろう…って感心する事しきりです。(さすがに大型の台風10号の日は使えませんでしたが…(^_^;)。)

 

 

 今、世の中では「働き方改革」という旗印のもと、残業をなくす運動が官民一体になって繰り広げられていますよね。これって今では当たり前の事なんですが、私が研修医だった頃はそもそも残業という概念すらなく、「働き方改革!」なんて事言ってたら恐らく反省部屋に連れて行かれて北朝鮮なみの洗脳教育をされたのではないか…と思ってしまいます…(^_^;)。まぁ、反省部屋に連れて行くまでもなく、当時は夜中まで働く事に対して楯突くような人は、誰もいませんでしたけど。なにしろ国民的アニメ「巨人の星」が日本を席巻していた時代なので、仕方ないかぁ。国民的アニメと言えば、日本の子供達の間で国民的アニメである「アンパンマン」も、バイキンマンをやっつける時の「アンパンチ」が暴力的で子供の教育に良くない影響を与えるから見せない方が良いと言ってる人が出てきたって話をネットで読んでちょっとびっくり。え? あの「アンパンチ」も駄目なの?? 時代が変われば考え方も変わるもんですねぇ。(でもその話は私も目から鱗ではありました…。確かに「アンパンチ」って最終的には暴力で問題を解決するしかないという人間の悲しい本質を表していますよね。それに何度やられても復活してくるバイキンマンを見ていると「やる時は徹底してやらないと、中途半端なアンパンチでは敵が復活して復讐されてしまう」という怖い現実もよく表しているようです…(^_^;)。)

 

 それはともかく「働き方改革」によって残業が抑制される事に対して、世の中では2つの反応があるようです。一つは日本人も労働時間を欧米なみに短縮して文化的な生活を享受できるようになるので良かった、良かった…という人達。そしてそれとは逆に「そんな事したら、ただでさえ苦しい手取りが減ってしまうので生活できなくなる!」と言う否定派。Uber Eatsはそんな手取りを増やしたいという人達にとってぴったりハマった働き方のようで、ドライバーとして登録する人はうなぎ登りだそうです。確かに「働き方改革」って言葉も、よく考えると単に労働時間を減らしましょうという事ではなく、それぞれが自分の人生観に合った働き方をしましょう…という事のようですね。であれば通常の仕事が定時に終わった後は、アルバイトしたい人は自己責任で自由にどうぞ、したくない人は早く帰って家族や友達と楽しい時を過ごしてください…って事で、副業を認める企業も多くなってきました。つまり何でもかんでも会社一辺倒ではなく、半分は会社に帰属しても残りの半分は自己責任で、自分に合った生き方をしてください…という、極めて当たり前の改革運動なのかなとも思えます。

 

 

 そうなんですよね。これからは「自由=自己責任」っていう概念がどんどん浸透していくように思います。最近騒がれたもう一つの話題で、定年後には年金以外に2000万円の資金が必要になるという、いわゆる「年金2000万円不足問題」も同じですね。最低限生きていけるお金は年金でまかなえるけど、娯楽費とか自分の老後の生活を豊かにする為に必要なお金は自分の自由意思と自己責任で資金を作ってください…という、ごく当たり前の話に過ぎません。思えば、最近はこの「自由を謳歌するのはどんどんやってください、ただし自己責任でね!」って言うサービス増えましたよね。このUber Eatsもそうだけど、そもそもUber Eatsの元である配車サービスのUberは、タクシーのような正規ライセンスを持っているタクシー会社の車ではなく、あくまでも個人が運転する車に送ってもらう訳ですから、何かあっても相手は会社ではなく個人なので自己責任です。最近流行っているAirbnbだって(皆さん知ってました? 欧米では大流行だそうで、日本でもかなり浸透してきましたね)、自分が住んでいる家で使ってない部屋を旅行者に貸し出しする訳ですから、そこに泊まって何かあってもホテルのような会社が相手ではなく、トラブルの解決は自己責任です。私の知り合いの娘さんはヨーロッパに留学していて友達と2人で部屋を借りてシェアしていたのですが、事態が急変してその友達が出て行ってしまいました。元々2人で家賃をシェアする前提の計画だったので、普通なら一人用のワンルームマンションに移るところですが、その娘さんはその部屋が気に入っていたのと都心部にある非常に便利な場所だったので、空いた部屋をAirBnBで旅行者に貸す事にしました。すると物件の良さと彼女の気さくな性格もあってたちまちスーパーホストになり、今では本来自分が負担しなければならない家賃もAirBnBの収益で稼げるようになって、毎日世界中の旅行者と楽しいコミュニケーションができて凄く充実しているんだそうです。なんだか一昔前は考えられなかった世界ですが、「自由=自己責任」という概念を取り入れるだけで、こんなに世の中が便利になるサービスが生まれるのですね。(勿論自己責任なんで、トラブルがあれば自己解決するしかなく、良い事ばかりではありませんけど。)

 

 

 美容の世界ではかなり前から「自費治療」という「自己責任」の仕組みが取り入れられています。ただ自己責任とは言っても施術する側まで誰でも良い訳ではなく、医師免許を持った医者しか参入できませんので、流石に医療ミスがあったり常識的にありえない治療を行ってトラブルになった場合は、医者側の責任は免れません。その為、医者側は医療ミスや医療事故があった場合に備えて訴訟に対する保険に入っている事が多いようです。ただし、実際に過去にあった医療事故裁判などを見ると、よほど医者側の責任が明確で「誰が考えても駄目でしょ!」ってケースでなければ、患者さん側が訴訟で勝つ事は難しいようです。実は世の中では美容整形手術の失敗などに対する医療裁判ってかなりの件数が起こされているようですが、患者さん側が勝った例はかなり少ないのが実態です。これは、手術前に「この手術は一定のリスクがあるので何があっても文句はいいません」という許諾書にサインしているという事もありますが、医者側と患者さん側には圧倒的な医療知識格差があるので、医者側に過失があった事を証明するのが困難であるというのが事実だと思います。勿論医者には医者側の言い分があり、私の後輩の大手美容外科で美容整形手術をバンバンやっている人なんかは「治療効果に過度な期待をしたり勝手に想像を膨らませて、こちらが説明している事なんて全然聞いてないくせに、仕上がりがイメージと違うので訴える!!…というようなモンスター患者が一定数いるから困るよ…ほんとに」って言ってました。これはこれで一面の事実だと思います。要するに「自己責任」であるからには事前にきちんと情報を開示してきちんとリスクを認識した上で、最後の決断は自分でしないといけない…って事になりますね。

 

 

 現在、私が行っている治療の大半は自費治療で、患者さんの最終自己責任において実施するという事になります。ただ、誤解していただきたくないのは、「自己責任を取ります」という人にしか実際には本当の意味で良い情報や良い治療はお届けできない時代になってきているという事です。前述の「年金2000万円不足」の問題にしても、最低限老人になっても生きていく事ができるという事は政府の責任だが、「より良い老後を迎えたい」という人に対して「最低限生きていく以上の事は自己責任でお願いします」と言っている訳です。たまには外食したり友達とカラオケに行く、そして年に一度くらいは旅行に行きたい…って事に必要な娯楽費用などは年金を当てにせず、自己責任で資産形成してください…という事になります。医療の世界は国民皆保険ですが、基本的には同じ発想です。「生きていく事ができない」とか「病気や怪我で日常生活に支障が出る」という事に対しては国の健康保険で一定の保証がされますが、それ以外の「より良く生きたい」とか「美しくありたい」「死ぬまで生活のクオリティを一定以上に保ちたい」というような事については日本の政府は保証してくれる訳ではなく「自己責任でどうぞ」というスタンスです。

 

 

 当院が提唱している「いつまでも元気で綺麗でいられる」とか、「美しく年を重ねていく為のアンチエイジング」はそもそも「自己責任でどうぞ」という世界な訳です。しかし一旦「自己責任」という事を了承すれば、本当に素晴らしい治療方法や技術があります。今はインターネットを通じて患者様も色々な情報に接することができるので、医者と患者様との間にある情報格差もどんどん少なくなってきました。なので昔のように患者様が何でも医者のいいなり…って事は本当になくなってきたと思います。勿論、いくら自己責任とは言っても、「私自身が自らに試してみて安全性と効果を確認したものでなければ患者様には提供しない」というポリシーは一度も崩しておりません。時代や世の中が変わり寿命も延びてきた現代に、自己責任にはなりますが新しいアンチエイジング治療を提案していきたいと思っておりますので、これからもよろしくお願い致します。